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短編 洒落にならない怖い話

不気味で短めの怖い話を貼っていく(2)【ゆっくり朗読】1955

投稿日:

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20: 名無し:19/05/11 22:32:56 ID:J8g

・「意味が分かると怖い話」は混ぜてない
・なるべくマイナーなの選んだ

騙されないぞ

飲み会終わって終電に乗った時の話。

帰宅ラッシュとは逆方向だったんで、めちゃめちゃ空いてた。

しばらくしたら車両に俺とくたびれたサラリーマン風おっさんの二人だけになった。

俺とそのおっさんはお互いそれぞれ車両の両端のシートに座ってた。

おっさんは気持ち良さそうに居眠りしてた。

相当疲れてるか、酔っ払ってたんだろう。

おれもちょっと眠かったから目を閉じた。

そしてモノの5~6秒経っただけで目を開けた。

おっさんの姿が目に入った。

おっさん、シートを俺の方へ一列移動してるように思えた。

結構酔ってたからかそんなことどーでも良かったんで、また俺は目を閉じた。

また数秒でなんか嫌な感じがして、目を開いた。

今度は確かにおっさんがまた一列こっちの方へ移動してた。

ちょっとやばいかもしれないと思って、
スリでもやらかしたらとっ捕まえて駅員に引き渡してやろうと思い、
俺は半目を開けて寝たフリをしてみた。

案の定、おっさんは俺が目を閉じたのを確認して立ち上がった。

こっちへ来るか?と思ったが、そうじゃなかった。

おっさん、そのまま車両の真ん中でクルクル回り始めたんだ。

で、回りながら
「騙されないぞ~騙されないぞ~狸寝入りなんかに騙されないぞ~」 ってつぶやき始めた。

さすがに俺もビビって、そのまま寝たフリをし続けて、次の停車駅で、
ドアが閉まる直前にすばやく立ち上がって逃げるように電車を降りた。

おっさんは追っては来なかった。

ただ、タクシー代も無くて2時間以上歩いて帰宅した。
最悪だった。

石の中

石垣を作るため、山で石を拾っていると、積んだ石が二つに割れ、中から鼠の死骸が出てきた。

石に穴などは無い。
不思議に思って一緒にいた祖父に見せると、苦々しくこう言ったそうだ。

「そりゃ外道の生まれ変わりだ。
出ることも動くこともできんまま、石の中で一生を生きるんだ」
そのまま、遠くへ捨ててくるように言われた。

月の直径

みんな「月が直径3400km」って聞いても何も不思議がらないのが怖いんだ。

誰に言っても「ググれ」とか言われるのがオチだから黙ってたんだが、
月の直径は3400kmじゃあなかったんだよ。
少なくとも昨日までは。

最初に気付いたのは10年以上前だったんだけど別に放っておいたんだ。

特に損も得も無いし……。
おおげさだけど墓場まで持っていく。つもりだった。

最初は1年くらいだった。

そのくらい経ってふと気付くと10Kmとか20kmとか増えてるくらいだった。

月や星の科学誌が好きだったんだよ。

別に空を見て分かる大きさじゃないし、本やネットで調べてるだけだから。

技術が進歩して計測の誤差や本の誤植が修正されてるんだろうくらいに思ってた。

でもどんどん大きくなってるんだよ。
確実に月の直径が増えている。

気付いてからは科学博物館に行って確認もしたし、NASAのページもチェックしている。

そういった「公的な記録」の中の月の直径が気付くたびに大きくなっているんだよ。

もちろん一般的な人は月の直径なんてよく分からない人の方が多いだろうと思うけど、
10年間も積もり積もって大きくなっているのは
100Km、200Kmの話じゃあ無いんだよ。
そんな桁の話じゃあ無い。

でも大きくなってる事よりもっと怖いのは、誰もそれを認識していないっていう事だ。

みんな当たり前のように「月の直径は3474km」という事を受け入れている。

それで気付くたびに記録の中の月の直径が増えている。

なおかつ「昔からその大きさで計測されていた」事になってるんだよ。

壁に怒鳴る男

この前エレベーター乗ろうとしたらさ、男がいたのよ。
後ろ向きで。

エレベーターに人がいても驚かないけど、後ろ向きで乗ってる人ははじめて見たからちょっと驚いた。

一瞬戸惑って乗ろうか迷ったんだけど、掲示物見てるとかだったら失礼だし…
みたいなつまらない気をつかって乗ったの。

なんかブツブツ言ってるから背中向けたくねえと思って壁を背にして横にポジションキープ。

となりちらっと見たら、直立姿勢のまま壁まで10cmくらいまで顔近づけてて憤怒の形相。
鬼のような顔ってのはあのことだね。

南無三!と唱えて早く一階に着くことを祈った。
八階だから下まで結構時間かかる。

「だーかーらー、貴様が言うか!ボケェ!」

「お、お、お俺のせいか!?あ!?」

ブツブツっていうかもう怒鳴ってるよね。
まだ6階かよー…と一階一階嫌な汗かきながら数えてた。

ようやく一階についてそそくさと逃げたんだが、離れてからエレベーター見ると男はおりていない様子だった。

翌月くらいかな、またそいつに会った。
今度は地下通路で壁と話してた。

それから頻繁にそいつを見るようになって、とうとう自分家の近所にまで現れた。

やばい、キチに狙われてる?と膝ガクガク。

たまたま友人と歩いてたときにそいつがいたから、「またいるよ、あいつ」と言ったところ友人が「誰?」と
そこで壁と話してるやつだよ、と言っても誰もいないじゃないか、と。

そこで初めてこの世のモノじゃねえ!と気づいた。

そういえば会社のエレベーターで見たときも残業で一時すぎてたしな、となんだか納得。
幽霊なら刺されることもないだろうと逆に安心した。

そしたら、とうとう家のドアの前に現れた。

ドアと話してるからドア開けられないし、一旦逃げようとコンビニへ。
戻ったらいなかった。

次の日は家の中に現れた。
冷蔵庫と話してた。

家には出ないと思ってたから、流石に怖くて、キッチンの塩ふってみたけど効果無し。

諦めて寝ようとしても怒鳴り声が煩くて眠れない。
すっかり寝不足。

ムカついたから「うるせえんだよてめえ!消えろ!」と怒鳴りつけた。

次の日寝てたら顔のまん前に現れてブツブツブツブツ。
精神的にかなり参ってたと思う。

「なんなんだよてめえ!俺がなにかしたのか?ふざけんなよ!」
とそいつが現れる度に怒鳴り合ってた。
んでね、ある日それを友人に見られまして

「お前壁と話してたよ…」

と。
ああ、なんか合点がいった。
そういうことか、と。

直ぐ様病院へ行きました。
精神病だと思ったんだよ。

結果は脳の血管がふさがってなんちゃらかんちゃらで、
バイパスが出来て助かったけど危なかったと言われました。

あれが幽霊なのか幻覚なのかは分からず仕舞いです。

昔自殺者が出たっていうマンション

イトコの話。

うちの近くには地域ではわりと有名な心霊スポットがいくつかあって、
その中に昔自殺者が出たっていうマンション(アパート?)がある。

過疎化が進んでるもので、いまは誰も住んでなくて廃墟になってる(けどわりと綺麗)んだけど、
イトコが友達とそこに行ってきた。

その自殺者が出たっていう部屋は一階にあるらしいんだけど、どの部屋かは分からないまま行ったらしい。

中に入ると並んでるドアのほとんどが鍵が掛かっているのか、開かない。

一ヶ所だけ鍵が掛かってない部屋があって、一通り回った後ビクビクしながら
そのドアを開けた…が、特に何もない。
何も起きない。

拍子抜けして帰路に着く。

マンションを出てすぐ、ヤンキー集団とすれ違う。

「あいつらも肝試しかー」なんて思ってると、帰り際マンションの方から高い女の声の悲鳴が聞こえた。

「あれ?さっきすれ違った中に女の子いたんだっけ?」と思いつつ、車に乗り込み近くのコンビニへ。

しばらくコンビニで談笑していると、さっきすれ違ったヤンキー達もコンビニにやって来た。

…あれ?女の子がいない。

「そっちに女の子いなかった?」と何気なく聞いてみると、「最初からいないっスよ?」との返事…。

あれ?と思いつつも、同じ場所に行った親近感からか何となくヤンキー達と話が盛り上がり、
さっきのマンションの話が始まった。

イトコ達は「あのマンション、一部屋だけ入れたよねぇ?」とヤンキー達に尋ねた。

『ハ?』

「だから、一部屋だけ開いてたでしょ?中に入らなかったの?」

『いや、入ったけど…』

顔を見合わせるヤンキー達。

『俺ら入ったときは、一部屋だけ開かなかったんスよ。あとは全部開いてた』

イトコ達はそれを聞いて鳥肌が立ったそうです。

夢遊病

子供の頃少し夢遊病の気があった。

夜中に起き出して扉的なもの(扉だったり襖だったり洗濯機の蓋だったり)を
開けたり閉めたりを数回繰り返してまた布団に戻って寝るんだそうだ。

この時点ではそう怖くない(姉は怖かったらしいが)
半目で無表情だから寝ぼけてるですまされる範囲。

姉が今でも俺と一緒の部屋で寝たくないというのは、
何度かテレビの砂嵐をニヤニヤしながら観ていたのを目撃したから。

何が見えていたんだろうな

七不思議を調べて発表

私が小学6年生の時のお話です。
学校によって呼び方がちがうようですが、『総合』という生徒がテーマ事に4~6人の班に別れて、テーマに沿った調べものをして、
それをまとめて発表するという学習がありました。

当時ぬ~べ~というアニメが流行っており、私たちの班はわが校の七不思議を調べ発表しました。

6年生の最後の発表会ということで、体育館に1年生から6年生まで全員を集めての大規模なもので、
ガチガチに緊張しながらも、私たちの班は発表を終えました。

他の班が発表を終えたときは、全校生徒からの大きな拍手が飛んでいたのに、
私たちの班がもらったのは、皆の不思議そうな顔とまばらな拍手でした。

テーマがやっぱり変だったかな?とか、他の班の発表をきいてるふりをしながらプチ反省会です。

発表会が終わった後に教室に戻り、感想を書いて、その流れで帰りのHRです。

私たちの担任はいわゆる子供に人気のおもしろい先生で、
この時間は今日あったおもしろい話等をしてくれるのですが、その話の主役が私たちの班でした。

「七不思議というおもしろいテーマをちゃんと発表できたのに、
6つしか見つけられなかったって締めかたは怖い話っぽくてよかった。

だけど、伝わらなくて皆ポカーンとしてたのが一番怖かった」
私たちの班員以外のクラスがドッとわきました。

訳がわかりませんでした。

話をまとめると、まず私たちの班は七不思議のうち6つしか見つけられませんでした。

そして、班員も丁度6人だったので、その6つを1人が1つ担当して発表し、
それだけしか見つけられなかったと発表を終えました。

ですが先生を含め、私たちの班員以外のクラスメイト、
おそらく全校生徒が7つの七不思議全てを聞いていたのです。

私たちは6つしか発表してないと主張しましたが、
また怖がらせようとしてと、最初は先生や皆も相手にしてくれませんでしたが、
私たちの必死さと、ある一つの質問によって教室の空気が変わりました。

質問は「二回発表したのは誰?」。

6人の班が7つ不思議を発表しているというのですから、
発表を見ていたなら何人かは答えられて当然です。
誰も答えられませんでした。

かろうじて答えられたものも「○○だったような」というもので、
ザワザワが大きくなり、幽霊だとかハイになる男子や
泣き出す女子が出たりして、クラスは混沌としました。

結局その日は私たちの勘違いということで解散となりましたが、
当然のように七不思議の話は禁止になりました。

ですが、そんなことが噂にならないわけもなく、学校では空前の七不思議ブームがおこりました。

ちなみに、最後の七不思議は「地下室の鏡は地獄に通じている」というものだったそうです。

ですが、我々が卒業した今では、
「七不思議を調べると不思議な体験をする」という内容にとって変わられたそうです。

息子から母校の七不思議を聞かされて、すごく不思議な気持ちになったので書き込ませてもらいました。

夜中に街を歩き回るのが趣味だった

高校生の頃、夜中に街を歩き回るのが趣味だった。

当時、俺の住んでいた所は郊外の住宅街だったし、
夜中の2時~3時ともなれば出歩いていても、警察やら何やらに声を掛けられるという事は全くなく、
煩わしい事を考える必要がないその時間が俺は好きだった。

ある日、いつも通り夜の散歩に出かけていると、
月に2~3回程度、近くを通る公園の滑り台の踊り場の上に、
グレーのスーツを着たサラリーマン風の男が立っているのを見かけた。

男はこちらから見て斜め後ろを向いており、表情は見えなかった。

一瞬驚いたが、以前別の公園で、飲みすぎたのかベンチで眠りこけているサラリーマンを見かけた事があった為、
その類だろうと思い、その時は特に気に留めずに散歩を続けた。
30分程して、そろそろ帰ろうと思い立った。

家まで帰るには行きに通った公園の、反対の脇を通る必要がある。

少々眠気を感じながら再び公園の前まで着くと、先程のサラリーマンがまだ滑り台の上で立っていた。

行きで通りかかった時から40分は経過している。

流石に驚き足を止めてそのサラリーマンを見てしまった。

男は行きの時と同じように斜め後ろを向いて立っており、身じろぎ一つしなかった。

背中に冷たい物がじわりと流れ出した。

早く家に帰ろうと思い立ち、公園の脇を通り過ぎた辺りまで歩いた時、ある事に気が付いた。

俺は行きの時とは反対の道路から歩いて来た。

それなのに何故男が行きと同じように斜め後ろを向いて立っているんだ?
全身の毛穴が開いていく。のを感じた。

もうここから走って去った方がいい、そう思っているのに俺は公園の方を振り向いてしまった。

男は滑り台の上で斜め後ろを向いて立っていた。
先程と同じように。

俺はたまらず走ってその場から逃げた。
また振り向く勇気は俺にはなかった。

振り向いてもし男がこちらを見ていたら、その時はその状況は絶対に考えたくなかった。
もしかしたら幽霊の類ではなかったのかもしれない。

酔っ払いの悪ふざけか何かだったのかもしれない。

ただ俺は夜中の散歩でそれ以降、その公園の近くを通ることは二度となかった。

おばあちゃん何て言ってる?

娘が赤ちゃんだった時、私の祖母が亡くなった。

通夜・葬儀を通して4ヶ月だった娘はぎゃんぎゃん泣いて
未だに実家の近所では「お葬式ですごく泣いてた子」と呼ばれてる。

幼稚園に上がった頃だったかに帰省したとき、
「おばあちゃんにご挨拶しようね」と、仏壇の前に座らせた。

ちっちゃな手を合わせて、神妙な様子の娘に
私も母も妹も、なんだか和んでニコニコしながら
「おばあちゃん、なんて言ってる? 大きくなったね、って?」って訊いたら

娘が一言、
「出て来られない、って言ってる」
空気が凍ったよ。

見えないように立つ

霊とかじゃないんだけどいいかな。

つか現在進行形で怖いんだが。

最近在宅で仕事しはじめたんだけど、昼間の訪問とか勧誘って結構あるんだね。

荷物が宅配で来たりするんでインターホンpcにつないで
仕事しながら応対できるようにしてる。
面倒な時は居留守w
そしたら何人かに一人インターホンに映んないとこに立つんだよ。

新聞とかなんかの勧誘や、居留守使ってる時にもなんだけど、
位置関係から言ってドア開けた時影になる側に立ってる。

レンズが魚眼だから結構広い範囲カバーしてるんだけど
映るのは立ち去る時に影が一瞬見えるだけ。

一回居留守使いながら覗き穴から覗いてみたら
ドアの蝶番側に人影っぽいもんが見えた。

たぶんほんとにはじっこに、いきなり開けたらぶち当たるくらい
ドアに密着して立ってるんだよね。

んで昨日、やっぱり新聞の勧誘でそういう立ち方する奴が来て、
そのあと同じ新聞社の別の勧誘が来たから直に出て
さっきも違う人が勧誘に来たよって言ってやったんだ。

「ここの担当俺だけですが」ってさwww
え、と思って一応じゃあおたくの名前語って訪問してる奴がいるよ、
インターホン映らないように立ってて、って話したら、
注意しときますー。
つって帰った。

さっきもなんかケーブルTVみたいの来てさ、やっと気がついたんだけど
あいつ昨日の偽新聞と同じ奴だ。

てか、たぶんこれまでも見えないように立ってたの、全部同じ奴だ。

蝉の泣き声

小学生の頃は虫が大好きで、
特に蝉の羽化を図鑑で見てからはその美しさや不思議さに心を奪われ、強い憧れを抱いていた。

親父も俺の興味に理解を示してくれて、夏休みのある日、
羽化を始めそうな幼虫を探しに夜の林へ連れて行ってくれた。

そこは祖父が持つ土地にあり、親父もよく知った場所らしかったが、初めて立ち入る真っ暗な林はかなりの恐ろしさだった。

蝉はなかなか見つからず、ビクビクしながらも一時間以上粘ってようやく、羽化しかけの幼虫を見つけることができた。

恐怖心は一気に吹き飛び、息を潜めて見守っていると、薄緑色の体がゆっくりと露わになってくる。

ところが、半分ほど出てきたあたりから、様子がおかしいことに気付きはじめた。

目は左右の位置がずれていて大きさも非対称だし、体もところどころ窪んだように潰れている。

翅のうち片方は広がっていく。気配を見せないどころか、途中でポロリと取れてしまった。
この蝉は成虫になる前に死んでしまう。
そう思い至ると、恐怖心が再び蘇ってきた。

それでも目を離せないでいると、歪んだ体のまま脱皮を終えた蝉が、苦しそうに身をよじらせ、ビクビクと痙攣しだした。

もう見ていられないと目を離そうとしたとき、ひときわ大きく震えたその蝉は、
呻くような低い声で「嫌だああああああああ」と叫んで、動かなくなった。

思わずしがみついた親父の顔もひきつっていて、小さく帰ろう…と呟いた。

子供心にもあり得ない、勘違いだと思ったが、この日から虫が大の苦手になってしまって、
親父も弟が虫をとってくるといい顔をしないようになった。

間のもう一人

とある知人に聞いた話。

彼には八歳離れた妹がいるのだが、その妹について、彼は子供の頃から不思議な感覚を持っているという。

時折、妹が妹でない時がある、というのだ。
どこがどう違うのか、それを説明することはできない。

ただ、朝起きて「おはよう」と言った時、食事中、歩いている後ろ姿、何気なくこちらを向く仕草、
あくびの後、眠っている最中でさえ、「今は、違う」という違和感を感じるのだという。
両親にそれを告げても、意味がわからないと相手にされなかった。

彼自身、意味がわからなかったのだから、仕方のないことだった。

妹が妹でないと感じる時間は、一瞬の時もあれば、長くても三十分程度だった。

なので、そのうち知人も気にしなくなった。

妹の違和感について、知人は心当たりがあったという。

実は彼と妹との間には、妹が生まれる五年前に、
性別も分からぬうちに流れてしまったもう一人のきょうだいがいたのだ。

妹が生まれるずっと前に、「もうすぐお兄ちゃんだよ」と父親に頭を撫でられた記憶、
肩を落として静かに泣く母親の記憶が、おぼろげに残っているという。

一目会うこともできなかったそのきょうだいは、きっと女の子だったのだろう。

普段は妹に寄り添い見守ってくれていて、妹が妹でない時は、
きっとその子が妹に変わって世の中を見ているのだろう。

知人はそう思っていたという。
年の離れた兄妹は、
知人が進学して家を離れたことを機に、会う回数がぐんと減った。

妹が成人した頃には、彼女の様子に違和感を感じることもなくなったという。

「いい話じゃないですか」
私は心からそう言った。

しかし、知人はどこか浮かない顔でため息をついた。

「先日、久しぶりに妹に会ったんです。
今度結婚するんだと言うので、祝いに飲みに行ったんですよ。

少し照れくさかったけど、意外に話が盛り上がって、お酒も進みましてね」
楽しい話のはずなのに、知人の顔はますます暗くなり、私は不安を感じた。

「子供の頃の思い出話で盛り上がっていた時です。

妹が『お兄ちゃん、昔大怪我して、頭を縫ったことがあったよね』

と言い出しました。

怪我は何度もしましたが、頭を縫うほどの怪我をしたのは、七歳の時の一度きりです。

妹は続けて、『玄関でふざけて飛び降りて、段差で頭打っちゃったんだよね。

私近くで見てて、びっくりしたよ』と。

怪我の原因はその通りでしたが、妹はその時、生まれてないんですよね」
他人から聞いた話を、あたかも自分で経験したかのように思い違いをすることは、ままあることだ。

妹も、両親などから聞いた兄の怪我の話が心に残り、そのような勘違いをしていたのではないか。

私がそう言うと、「そうだといいんですが」と知人はもう一度ため息をついた。

「僕が怪訝そうな顔をしたからでしょうね、妹は、しまったというような顔を一瞬だけしました。

その時の顔にね、久しぶりに例の違和感を感じたんです。
僕の妹は、こんなだったかなって…」
まぁ、酔っ払いの感覚なんて、あてになりませんよね。
知人はそう言って、力なく笑った。

笑っていた

厨房の頃、カブに乗った60代ぐらいのじっちゃんが、
横断歩道で信号待ちしてた俺と友達の目の前で、
たしか2t(ぐらいと思う)トラックと正面衝突した。

グロスレじゃないから細かな状態は省くが、時間にして1分間ぐらいの間、
そのじっちゃん、陸に上げた魚みたいに物凄い痙攣をしてた。

んで何が怖かったかと言うと、息絶えるまでの1分間、凄く大きな声で笑ってる訳。

しかも、甲高い奇声にも似た高笑い(馬鹿笑い?)。

俺と友達はもう顔面蒼白で、俺は膝やら顎やらがガチガチ震えてて、
救急車が来るまで会話も出来なくて、動く事もできなかった。

あの時のじっちゃんの痙攣の仕方、衝突の瞬間の音、キーキーギャーッハッハーて笑い声、
今までで1番怖かった出来事。
何故笑ってたんだろうかと思う。

生意気な4歳の娘

うちの4歳の娘がさ、俺の実家へ遊びに行って俺が卒業した幼稚園で、
「この幼稚園まだあったんだ~」とか言ってんだけど、
時々知ったかぶって大人みたいな言葉話すのが不思議だったんで、
「また知ったかかよ」ってツッコんだら、
「ココにね、面白い公園が出来るんだよ、まあ見てな」って。

生意気な発言は嫁のせいだと思う。

1年してまた帰郷するとそこに超面白い公園が出来てて、
「お前の言った通りだったな!」て言ったら、
「昔の事は覚えちゃいないね」て首振られた。

お前だれ?

その日は友達を待ってて、新宿の駅にいたのね。
昼の1時くらいに。

で、しばらく待ってると、その友達から電話が掛かってきた。

『お前今どこにいんのよ?』とか、
『悪い、今川崎で電車に乗ったとこ!』とか、そんな感じで。

で、今川崎出たとこってことは、あと3、40分後くらいかぁ。

どこでひまつぶそうかな、と思いつつ、「まぁ早く来いよ」って言って電話切ろうとしたのね。

だけどその時、駅の改札にその友達の姿が見えたんだよ。

あぁ、からかってたわけね。
そっちがその気なら、こっそり近づいて逆に驚かしてやれ。

って思って、電話で話しつつ近づいていったわけよ。

そこで気付いたんだけど、視線の先にいるそいつは、携帯を手に持ってないのよ。

でも、電話でおれはまだそいつと話している。

あれ?人違い?と思いながらそいつに近づくと、
そいつが俺に気付いて、「悪い、待たせたな」っとか言ってくんの。

おれはまだ電話で『そいつ』と話ししてんの。

どうなってんの?なんだこれ??と思って混乱しながらも言ったのよ。

「お前だれ?」

そこでブチッと切れた。
着信番号も声も間違いなくそいつだったが、
そいつの携帯にはもちろんそんな履歴はない。

と、まぁこんな感じ。

そいつにそのこと話しても、何言ってんのこいつ、みたいな顔されたよ。

おれの携帯の着信履歴も、なんらかの手で仕込んだものだと思われてる。

不可解であり、正直すっげー怖かった出来事。

プログラマーの極限状熊

仕事中に突然、椅子(車輪が付いてて転がるヤツ)に腹ばいになり
「見て見て!ウルトラマンだー!」と転がりはじめたプログラマー。

仲間にもウケて大好評! しかしなにかが違う、しつこい。

いつまでもやってるので「いい加減にしろ」と仲間が様子をみたところ見事にイっちゃってた。

目の前のキーボードが見当たらないとプログラムを組みながら思った。

目の前のそれがキーボードという名前の物体であるという事がわからなくなる

まずキーボードが消える
そしてモニターが空中にずれて浮き出して
自分が座ってるのか立ってるのか解らなくなって
何をやってるのか解らなくて夢なのか起きてるのかの判断とかも付かないってか
なにも気付かなくなって全部条件反射的で
悪い方向に無の境地だな

休憩にとトイレに行ったら何故か便器に手を突っ込んでいる仕事仲間、
何してんの?と聞くとうんこを流してしまった。
と言い出した
正直怖い、俺もこんなんになるの?

ある夜目が覚めたら自分一人きりだった

幼稚園ぐらいのころ、両親と並んで寝てたんだが、ある夜目が覚めたら自分一人きりだった。

夜中に一人きりになったことなんてそれまで無かったから、怖くて怖くてわんわん泣いた。

友達のタケちゃんちに助けてもらおうと真っ暗な外に飛び出したら、
月明かりの夜空に月の何十倍もある真っ黒な穴が空いていた。

(意味わからんと思うけどそれ以外の表現が見当たらない)
黒い穴に怯えながらタケちゃんちまでたどり着き、扉を叩いたが誰も出てこなかった。

その後泣きじゃくりながら助けを求めて歩き回った気がするが、よく覚えていない。

ここまでが自分の記憶。

ここからは父から聞いた話。

父がふと目覚めると、母との間に寝てた俺がいなかったらしい。

トイレを見てもいなかったので、母を起こして家の中を見回し、それでも見当たらないことで焦ったらしい。

外にでも出たかと駆け出そうとしたら、もといた寝室から俺がスタスタと出て来て、
自分の顔を筋張った両手でわしづかみにしながらひくひくしていたそうだ。

戸惑いながら泣いてるのかと様子を見たら、
俺は目だけぎょろぎょろと左上を見上げながら笑っていた。

今でも時々「あの時は気味悪かったよ。
お前あの時どこに隠れてたの?」
と聞かれるが、俺に聞かれてもわからない。

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