爺さんから聞いた話。
753 :本当にあった怖い名無し:2016/12/01(木) 11:51:21.88 ID:0qp6MHvj0.net
父からの虐待がひどすぎたために、爺さんが兄を引き取る事になった。(当時兄十四歳)
兄が出て行ってから俺は兄とは話した事が無い。今現在も行方不明。
兄は嫌がらせが好きな婆さんとよく喧嘩をしていた。
部屋にいる時は勉強をしているから話しかけないで欲しいとか、ご飯は自分で作るし貯金があるから構わないで欲しいとか、そういった事で喧嘩になる事があったそう。
しかし、人が嫌がることをやりたい婆さんはそれをやめなかった。
気を散らすようにわざと大声で叫びながら部屋の戸を開けたり、阪神が勝ったとか高校野球はどこが勝ったとか、お風呂に入ってても大声で兄に話しかけ嫌がる事を続けたらしい。
そのうち兄は説得を諦めて婆さんを無視するようになり、爺さんが婆さんを止めるようになった。
ある日、糖尿病の通院で爺さんがおでかけするついでに兄に何か買ってやろうと部屋に入った。
「病院へ行くけど、たまには一緒に出かけないか?」と声をかけるが兄は聞こえていなかった。
机に向かって勉強するばかりで全く反応しなかった。
聞こえていないと思った爺さんが、もう一度兄に声をかけようとした時、兄の耳からお釈迦様が出てきて爺さんが喋るのを止めたそうだ。
その日を境に爺さんすら兄に声をかけなくなった。
それから二年して大学進学のために兄は一人暮らし。
大学卒業の時に連絡は寄越したものの、それ以来連絡はこず、連絡手段もなく兄は行方不明になった。
爺さんは恐怖したのではなくて、声を出そうと思っても出なかったので、今話しかけてはいけないんだと本能的に感じたそうです。
元々船乗りだったのもあり、水の神様に昔助けてもらったとかで家にも色々祀ってあったような人だった。
信仰深い人がそういうものを見るとそう思い込んでしまうのか、はたまたウソなのかはわかりません。
ウソをつくような人でも無いのですが、『耳からお釈迦様』は聞いた時ちょっと笑いました。
追伸
虐待についてだけど、兄以外はみんな大丈夫だった。
原因もハッキリしてて、兄は父に反抗的だったから。
俺とか妹とかは理不尽な事を言われてもわからんから「ふんふん」って聞いてるんだけれど、兄はそうじゃなかった。
最初の虐待があるまでは兄も聞き流してたけど、最初の虐待があってからはほとんど父を無視してた。
最初の虐待の原因になったのは、妹が熱を出して学校を休んだ時。当時兄は小六で妹は小一。
妹が熱を出す一週間くらい前に爺さんが来てて、みんなで焼肉へ行った。
それから一週間くらい経過してから妹が熱を出して学校を休んだ。
症状が出てから三日くらいして兄が父に猛抗議した。
ほどなくして「あれ明らかに中毒症状やろが!病院連れてけ言うてんねんハゲ!」と兄が怒鳴ったのを今でも覚えてる。
父はそれに対して、
「病院もタダとちゃうねん!ただの風邪や!寝とったら治るわ。それと誰が金払うねんや?あぁん?」と言い返してた。
結局兄が救急車を呼んで妹を病院に連れて行った。
放っといても治るカンピロなんとかいう病気だったと思う。
当時O-157が流行っていたから大事なくてよかった。
ほんとに中毒という指摘があっていたから、父からしてみれば恥をかかされた気分だったんだと思う。
大人よりも知識があったから家族の信用が兄に移ったと勘違いしたのかもだけど。
父の許可も無く家の電話を使用した事とか、救急車が大げさで近所に恥かいたとか、そんな理由で病院から帰った兄はボコスカ殴られてた。
これが虐待の始まりで、兄はここから父を無視し続けた。
殴られようが何をしようが、まるで父がそこにいないかのように振る舞ってた。
怖いとは思わなかった。殴られた事はないけど兄が殴り返さない気持ちもわかった。
何もわからないうちから殴られてたらあんな父でも怖いと思ったかもしれないけど、ある程度大きくなると、殴り返すほどの労力や時間を費やすのがもったいないってそう思う。
でも兄が居なければ俺がターゲットだったかもしれないと考えるとほんのり怖い。
(了)
[出典:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1477608447/]