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厄介な案件(読者参加型リライトコンテンツ)r+4,724

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これまでいくつもの奇妙な体験を綴ってきたが、今回は現在進行形で進んでいる、身近で実に厄介な話を記録しておく。

念のために断っておくが、内容の一部にはごく軽いフェイクを混ぜてある。身元が割れれば、いろいろと面倒だ。

事の発端は、父がまだ小学生だった頃、つまり今から50年ほど前に遡る。ある日、祖母が深く信頼していた“先生”が、町内の古い施設を訪れた際に言ったという。

「この建物には、あってはならないものが二つある。すぐにどうにかしなさい」

先生はその施設に入る前、つまり外観を見ただけでそう言ったらしい。それは不吉な宣告だった。

やがて月日が流れ、近年その町では、自治会の役員を引き受けた人たちの多くが次々と病に倒れたり、不慮の事故に遭うなど、異様な不運が続いた。父はその原因が、かの「二つのモノ」にあるのではと睨んだ。

「おばあちゃんが果たせなかったことを、自分がやるしかない」

そう言って父は動き始め、一昨年、そのうちの一つを撤去した。

残されたもう一つが、問題の核心だった。

今年になって、ついにその“モノ”は施設内から運び出され、厳重に梱包されて倉庫に保管された。次は焼却処分を待つのみ、というところまできた。

ところが、不思議な動きが起き始めた。

ある日、市の広報に「その物体の写真を歴史的記録として載せるべきだ」という投稿が寄せられた。もしそれが採用され、保存すべき文化財のように扱われてしまえば、処分が難しくなる可能性があった。

父は言った。

「執念が働いている。あのモノが、この世に残ろうとしてるんだ」

奇妙なことは続く。以前、施設内でそのモノを写真に収めたはずの町内会役員に父が尋ねたところ、「撮った覚えはない」と言う。しかし、念のため家を探してもらうと、古いネガが見つかった。

数日後の金曜の夜、父が言った。

「写真、いろいろ写ってるらしいぞ」

言葉に含みがあった。

「うわー、見てみたいけど、やばそうだな…」

「簡単に見ていいものじゃない」

翌朝、その写真が現物として持ち込まれた。プリントされたその画像を見た瞬間、ぞわりとした。

そこには、古い木造の室内から外を撮った風景が写っていた。窓越しに見えるのは木々。しかし、そのガラスには人の顔のような影が写り込んでいる。

「外の風景が反射してるのか?」

と自分が呟いたとき、父が言った。

「お前にはまだ見えないか? 室内から外なんて映るはずがないだろ」

そして自分の目は、その写真の中心に吸い込まれた。

曖昧な形状のなかに、誰かがこちらを見ているような錯覚。顔とは断言できない、しかし視線を感じる“何か”。

「うわ…これ、本物かもしれない」

それは、心霊写真の域を超えていた。合成や偶然では説明できない、異様な“存在感”があった。

父はそれを丁寧に封筒に戻し、「この世にあってはならない」と言いながら、後日焼却処分を終えた。

科学では説明できないものが、確かに存在する。

そしてそれは、時に我々の日常のすぐそばにいる。


当コンテンツは、読者さまのコメントを受けてリライトしたものです。2025年06月16日(月)

原作:

これまでさまざまな話や体験を書いてきたが、今回は身近で進行中の恐ろしい出来事について記録することにした。

身元や現状が特定されると面倒なことになるため、少しだけフェイクを混ぜる。
また、実際にモノを見ていなければ害はないと思うが、もし何か異常があれば管理人さんに報告してほしい。

この話の始まりは約50年前、父が小学生だった頃に遡る。
父の母(自分の祖母)にさまざまなことを教えてくれた先生(非常に徳の高い本物だとされる)が、町内のある施設に訪れた際に、
「この施設にはあってはならないものが2つある。早くどうにかしろ」と言ったそうだ。
その施設に入る前に、そう警告を発したという。

時が経ち、ここ数年、町内の役員になると不幸が続き、その役職を誰もやりたがらなくなった。
父は、先生が言っていた「2つの曰く付きのもの」が原因だと考え、町内で動き出した。
「祖母ができなかったことだから、自分がやらなければならない。後世に回すわけにはいかない」と父は言っていた。
そして、ついに一昨年、その1つを撤去し、残るは1つだけとなった。

その残り1つが原因で現在、厄介なことが起きている。
今年、その残り1つを厳重に処置して倉庫に片付けることができたが、あとは燃やすだけだった。
ところが、ここから不思議なことが起こり始める。

まず、市のどこかの誰かが、その曰く付きのモノの写真を広報に出すべきだと投稿した。
もしその話が進み、歴史的なものと見なされれば、撤去に反対する意見が出るかもしれないという懸念があった。
父はこれについて、「執念が働いて、撤去されないように手を回しているんだろう」と言っている。

そして、ある役員に「お前、写真を撮ったことあるだろ?あれどうなった?」と聞いたところ、
本人は撮った記憶がなかったが、家を探してみるとネガ(データ)が見つかった。

その金曜日の夜、父から話しかけられた。
「写真、色々写ってるらしいぞ」
「マジでwうわー見てみたいけど、見たらまずいよな~」
「簡単に見るべきものじゃない」
「で、写真はどうした?」
「処分しろとは言ったけど」
「曰く付きのモノは実際に見たことないし、自分には関係ないだろうな~」
「あんなモノはこの世から消さなければならないものだ。で、何が写ったと思う?」
「色々って言うなら、顔とか手とか目とか影じゃないかな?」
「なんにせよ、この世には本物のものがあるもんだ。作者も誰がいつ、何のために飾ったのかもわからん…持ち主も家系が断絶しているだろう。持っていたら一週間で我慢できなくなるようなものだ」

次の日の朝、写真(プリントアウト)が持ってこられた。
処分方法がわからず迷った結果らしい。
そして、自分もその写真を見た。

(以下、その時思ったこと)

「なんじゃこりゃ?見にくい画像だな~外の風景?木々が見えるけど、ガラスに反射した外が写っているのか?」
じっと見ていると、父が言った。
「お前にはまだ見えないか?」
「いや、これって後ろの風景、こんなの?」
「馬鹿か。施設内から外が写るわけないだろ」
「ワハハwこれすげぇ、あっ、見える見える(笑)しかもここに女性が恨めしそうにじっと見てるじゃん。これヤバイなw」

写真の内容を説明すると、
古い木造建築の室内から外を撮った写真で、外には木々が茂っており、建物の近くに顔はぼけて見えないが人影がある。
その写真の上に、元々の曰く付きのモノが隠れるように写り込んでいた。

これ、合成か?合成じゃないなら、心霊写真のレベルじゃないよ…念写だよ、念写!!
しかも女性が恨めしそうにと言ったが、顔も見えないし、イメージで出てきたんだろうな!!
今まで生きてきて、テレビや雑誌で見た心霊写真なんて、子供だましに見える!!
それに、この写真で外の人物が室内に入ってきたら、死ぬか発狂するだろうな!!
これは呪物じゃなくて、厄災だよ、チクショー!!

怖さを超えて笑いながら思った。
そして父はその写真を預かり、丁寧に処分し、燃やした。

世の中には本当に人の手には負えないものがあるとは思わなかった。
今はその厄災が何事もなく無事に消え去ることを祈っている。

(終わり)

[出典:投稿者「見えない人 ◆jPQ0updc」2017/06/07]

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