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底なし穴の奇妙な儀式【ゆっくり朗読】3360

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友人と二人で車でスキー旅行に行った帰りの真夜中三時過ぎ。

2004/01/23 15:23

東北の某村を、近道して通り抜けようと車を走らせていました。

土地勘が無い上に街灯の無い真っ暗な道で、二人共かなり不安でした。

両脇の畑は残雪で真っ白でした。

不意に脇から松明を持った老人が、何か叫びながら私たちの車に向かってくるのが見えました。

老人の表情が尋常で無いのが怖かったのですが、何を言ってるのか聴く事にして、車を止めて窓を開けました。

方言で聞き取りにくかったのですが、怒った口調で先に行くなと言ってるようでした。

しかし、今から来た道を戻る気になれなかったので、どうしてこの先に行けないのか聞き返しました。

ですが老人は、この先に行くなの一点張り。

こちらも意地になって、窓を閉めて車を発進させました。

するとまたその先で、松明を持った別の老人が雪原から現れました。

同じ事を言われるのがイヤだった私たちは、車を止めずに行き過ぎました。

ところが、今度はいきなり道が無くなっています。

急ブレーキで止めた車のヘッドライトの光線は、何も照らし返すことなく、ホントに漆黒の闇です。

何事かと思い、二人で車を降り立って見た光景は信じられないものでした。

凄まじくデカイ穴が雪原に開いているのです。

その穴はクレーターの様な形で、穴自体には残雪がありませんから、昨日今日に出来たような感じです。

底には鳥居が立てられて、鳥居の廻りで松明を持った数人が、何か儀式らしい動作をしています。

二人共、同時にコレはマズイと感じて、大急ぎで車に乗り込み、もと来た道を戻りました。

道の途中で、十数人の老人がこちらを睨み付けている横を通り抜ける時には、ホントに冷や汗が噴き出しました。

山を一つ越えて街灯の灯った町中に入った瞬間に、友人も自分もやっと口が開きました。

後日、あの穴は何だったのか確認しようと、昼間同じ村に出かけたのですが、穴は無く、道も全く途切れていませんでした。

ただ、ゴルフ場を作る工事の告知の看板だけがそこに有りました。

(了)

[出典:http://hobby4.2ch.net/test/read.cgi/occult/1074434150/]

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