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短編 怪談

足売り婆さん|大幽霊屋敷~浜村淳の実話怪談06

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第6話:足売り婆さん

これは、俺の先輩に聞いた話だ。本当は、あまり話したくないんだけどな。

でも、アンタがどうしてもっていうのなら、こっから先を読んでいってくれ。

話の舞台は岡山県。

ある日の早朝、河川敷で男の変死体が見つかった。

俺の先輩は、その事を新聞で見て知ったんだよ。

そして被害者の顔写真を見た時といったら、血の気が引く思いだったらしい。

そいつは今から俺が話す、『足売り婆さんの話』を聞いた奴だったんだ。

名前はM。

気の弱い野郎だったそうだ。

そして更に先輩を驚かせてしまった事がある。

その死体の右足がなくなってた事だ。

話はその事件から3ヶ月程前の夏。

先輩は部活の合宿中で、被害者Mを含めた連中と麻雀してたんだ。

そしてだんだんと夜もふけていった。

部活の合宿ってのはいつも定番で、誰かが怖い話を始めちまう。

それで、何人かが、怪談を話しだしたそうだ。

先輩の友達が話終わると、今度は先輩にまわってきたんだ。

「俺は話してもいいけど、これ聞いて何が起こっても責任とらんぞ。いやいや、マジで!!」

先輩は、そう言い切ったんだな。

そんな事いわれたら、みんな結構怖気付いちまった。

でも男が馬鹿にされてたまるかってもんで、やせ我慢で聞きはじめたそうだ。

先輩は全員の顔をグルーリと見まわしてから、その『足売り婆さんの話』を話し始めたんだ。

「これは俺の夢の中の話だ。俺はその日、ぐっすり眠ってた……」

先輩が夢の中の河原にいると、土くれ色の着物きた婆さんが出て来たそうだ。

その婆さんは河原にしゃがみ込んで、何か探してる様子だったんだと。

小石を一枚ずつ裏返している。

ちょっと気になった先輩はその婆さんに近寄ってみた。

婆さんは、まだ石を裏返すのに必死で、先輩に気付いてない様子だったそうだ。

「あの……お婆ちゃん、こんなとこで何してるわけ?」

先輩がそう聞いたら婆さんはうつむいたまま、

「わしのな……わしの目玉を探しとるんじゃよ……」と言うのだ。

そして、ふとその婆さんが先輩の顔を見上げると……なるほど、確かにその老婆の目の中は空洞だ。

目玉がない。

先輩は息をのんだ。

そして、婆さんはこう言ったそうだ。

「坊や……スマンがあんたも探してくれるかエ…なんとも不自由でのぅ……」

先輩はとっても不気味に思った。

逃げ出したかった。

でも仕方なく婆さんと同じように目玉を探してやったそうだ。

しかし、いくら探しても目玉は出てこない……

そしたあら、婆さんがポツリともらしたんだと。

「なぁ……坊やがもし目玉を見つけれんかったら、アンさんの右足もらえるかエ?わしが、それを売るけぇ……」

と、わけのかわらんことを言いだしたというんだ。

先輩はものすごい恐怖を覚えて、そこから逃げようとした。

すると婆さんが、

「逃げれんちゃよぉ……アンさん、それとも、足、くれるかのゥ……」

と、とおせんぼをするんだって。

先輩は仕方がなく、もう一度うずくまって、必死に目玉を探したそうだ。

そうしながら、チラリと婆さんの方を見た。

そしたら空洞の目でこっちをジーッとみながら、ニタニタ笑ってたそうだ。

「ワアアアァーー!!」

先輩は無我夢中で地面を掘り続けた。

そしたら二つの目玉が出てきたんだ。

先輩は、ホッとした。

そして気味悪いのも忘れちまって、その目玉をニュッとつかんで婆さんに手渡したんだって。

そしたら婆さんは、

「おお、ようやったようやった……すまないのう……」

と感謝の言葉をはいた。

しかし、明らかにその顔は残念そうに見えたそうだ。

その証拠に、先輩がその場を後にしようとしたとき、後ろでボソッとこうつぶやいていたらしい。

「もうちょっとだったのにのう……」

そしてその声を聞きながら、先輩は目が覚めたそうだ。

先輩は息をのんで見守る周りの友人たちに向かって、さらにこう付け足した。

「最後に、言っておきたい事があるんだけど……今俺が話してる話を聞いたらさ、その夜必ずこの婆さんの夢を見るんだよね……実際、俺もこの話は人から聞いたんだよ。そしてこの夢を見たってわけ。でも、もしその婆さんの目玉を見つけられなかったとき、いったいどうなっちまうのか、それはわからないんだ」

この先輩の話を最後にして、怪談会は終わった。

時間は午前3時をまわっていたそうだ。

みんな、寝る前に嫌な話を聞いちまったなぁなんて口にしながら、それでもそれぞれ自分の布団に潜り込んでいったらしい。

ところがMは寝るのが怖くて夜を明かそうとしたんだよ。

だけど練習の疲れもあり、結局明け方になって眠ってしまったんだ。

ここからはその時Mが見た夢の話だ。

Mは、夢の中ですぐに自分が河原に立っていることに気づいたんだと。

そして、それは夢の中のはずなのに変に現実感があったそうだ。

やはりその老婆は何かを探していた。

逃げたかったが目玉を見つけられないと大変だと思ったので、その老婆に話しかけた。

やはり、目玉を探していると言ったそうだ。

先輩の話では、先輩一人に目玉を探させて、それをジーッと見てるだけだったそうだが、Mの場合は違った。

なんと邪魔をしてくるというのだ。

必死に川原を掘っているのに、土をかけて埋めてしまう。

そして急にMの顔をのぞき込んだりしたそうだ。

そしてとうとう、Mは目玉を見つけることはできなかったんだって。

そこで目が覚めたそうだ。

というより起こされたんだ。合宿の最中だったからな。

朝のトレーニング時間が来たんだ。

まずMは自分を起こした新入生にすごく怒って、次にすごく不安そうな顔で、目玉を見つける前に起きてしまったと先輩に話したんだ。

先輩は笑って、

「そんなの真に受けてどうすんだよ、どうせ作り話だってぇ。お前があんまり気にするから夢に見ちまっただけだよ。ただの偶然だよ」

と、言ってやったそうだ。

ところが、それから3ヶ月後、Mは右足のない変死体であがったんだよな……

実は俺もさ、先輩の話を聞いてから例の夢を見たんだけどね、婆さんの目玉を見つけられなかったんだよナ……

ヤバイよ、ぜったいヤバイよ、これは!

[出典:大幽霊屋敷~浜村淳の実話怪談~]

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