まだ写真がフィルムだった頃なので、30年位前に聞いた話です。
31 :本当にあった怖い名無し:2021/11/13(土) 09:07:38.23 ID:olnUzFCV0.net
話をしてくれたお坊さんの元に、「ある写真を弔ってもらいたい」という依頼が来たそうです。依頼主は30代の健康そうな男性で、登山が趣味とのことでした。
お坊さんは霊魂や幽霊など信じていなかったが、たまに「写真を弔ってほしい」という依頼は受けていたそうです。
これまでは「風景が人に見える」とか「ガラスに映った顔を幽霊と勘違いしている」といった写真ばかりだったため、今回もそうだろうと思っていました。
依頼された写真を見てみると、依頼主が真ん中に立ち、周りに登山仲間と思われる人たちが4~5人並んでいる、よくある集合記念写真でした。
お坊さんは弔う前に、どこが気になるのか尋ねました。
依頼主は「その写真、何か感じませんか?」と聞いてきました。
確かに、最初に見たときに少し違和感を感じたので、お坊さんは「登山仲間と撮った記念写真ですよね」と答えました。
しかし、依頼主の男性は「やっぱり、そう見えますよね」と沈んだ声で言いました。
もう一度写真を見直すと、依頼主の男性を中心に登山仲間が並び、記念写真を撮った構造に見えましたが、違和感が増していきました。
お坊さんは「違うのですか?皆で記念写真を撮った写真にしか見えませんが……」と尋ねました。
すると依頼主は「その写真、私がカメラのセルフ機能を使って一人だけで撮ったものなんです」と答えました。
冗談だろうと思ったお坊さんはもう一度写真を見て、最初に感じた違和感の正体に気付きました。
依頼主さんは微笑んでいるのに、ほかの人は表情が沈んでおり、何よりも、晴天の中で撮られた写真なのに依頼主以外の人は影がなかったのです。