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短編 ほんのり怖い話

幽霊トンネルと神主【ゆっくり朗読】2700

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学生時代体験した出来事です。

原著作者「怖い話投稿:ホラーテラー」SRさん 2012/01/10 20:54

高校生の俺達は、よく夜中から朝方になるまで遊んでいた。何をする訳でもないが、他愛もない話でよく盛り上がってた。
皆も経験があるかもしれないが、そんな夜を過ごす内に何回か肝試しに行こうと盛り上がることがあったはず。
当然俺達にもあった。
今回集まったメンバーは5人。
俺を除いて 武智、矢沢、杉村、伊藤とする。
行き先に決まったのは、大阪南部の滝畑ダム

かなり有名なので分かる人には分かると思うが、そこのダムを越えた辺りに幽霊トンネルと呼ばれる場所があった。
噂は様々で、いくら進んでもトンネルから出られないだとか、途中でエンジンが止まり子供の霊が出たとか、
頭がおかしくなったとか、いわく付きの場所だった。
悪ノリした小僧を止められるものは何もない。

「ジャン負けが、懐中電灯一本持って歩いて行く事な!」とか、バカな事を言ってた。

調子に乗ってる時代なので、無免で杉村の父親の車を拝借してトンネルに向かった。
ダムに着くまでは結構距離がある。山道をひたすら進む。
街灯の一つもなく、車のライトを消せば辺りは漆黒に染まる。
途中にある古びた電話ボックスを横切ると寒気がした。その電話ボックスも実は良からぬ噂のある場所だった。
正直その辺から嫌な予感は漂ってた……

ダムに着いた。もうすぐトンネルに到着する。
夜のダムは一層不気味で、俺達は言葉を失った。
虚勢を張りたい年頃なので、誰も怖いだの帰りたいだのは言わなかったが、皆そう思ってたんじゃないかな。

そして俺達は幽霊トンネルに到着した。
トンネルは俺達が絶句するには十分な存在だった。
生憎霊感なんてものは持ち合わせちゃいないつもりだったが、五感が全力でトンネルに入ることを拒否した。
ジャン負けが歩きで入るとか言ってたが、そんな事は不可能だと皆が瞬時に悟った。
しかしながら、折角来て引き返す手はない。俺達はビビリながらも車で侵入した。
車内にも関わらず、トンネルに入ると温度が下がった気がした。
誰が書いたかは知らないが、不気味な落書きにすら恐怖が過る。

このトンネルはそこまで長いはずはないが、なかなな出口に着かない。
矢沢は叫んだ。
「何かヤバイ!これ以上進むな!」
そう言われてもトンネルでUターンなど出来るはずがないし、矢沢は日頃からヘタレだったので馬鹿にしながら先に進んだ。
しかし矢沢は、
「やめてくれ!何かおかしい!ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!」
そう言いながらガタガタ震えだした。
矢沢の異常な様子に、流石の俺達も危険を感じた。
杉村は慣れない運転でバックでトンネルを出ることにした。
慣れない事もあって、ゆっくりしたバックしか出来ない。
その間ずっと矢沢は叫び続けた。
「ヤバイ」から「助けて!」に言葉が変わっていく矢沢を見て、俺達は泣きそうだった。
完全にパニック状態で、俺達は取り合えず杉村を急かした。
杉村もパニック状態で、「気ぃ散るから黙っとけ!」と怒鳴り散らしていた。
その時、伊藤が悲鳴にも似た声で叫んだ。
「おい!あそこに誰かいてる!」
そこには割烹着の様な物を着込んだ老婆がいて、俺達をじっと見つめていた。
手には何やら鎌の様な物を持っている。
俺達は叫びながら、ただひたすら怯え、トンネルを後にした。
帰りの車中、矢沢はずっと「寒い……」と言いながらガタガタ震えていた。

結局、その晩は皆で杉村の家に泊まった。
本当ならそのトンネルの話を面白可笑しく話してるはずなのに、誰もその事を話さなかった。
矢沢は少し落ち着いたみたいだが、真っ青な顔で寝込んでしまった。

その後、俺達は不安で、しょっちゅう連絡を取り合った。
俺達は何事もなく過ごしたが、矢沢には色々不幸が重なった。
真っ直ぐな道なのにバイクでこけたり、信号無視して来た車に撥ねられそうになったり、40℃の熱を出したりと。

矢沢は完全に怯えきって、「御祓いに行きたい」と言った。
御祓いは結構高いと聞いた事があるので微妙だったが、
少し責任を感じた俺達は、各自1万円ずつ持って一緒について行く事になった。
何より俺達も一緒に行った手前少し不安だったんだ。

武智が「悪霊退散で有名な寺がある」という事で、俺達はそこに向かった。
神社に入れば『厄払い』と大きく書かれた垂れ幕があったので、期待して中に入った。
掃除をしていた若い巫女さん?がいたので、早速神主さんを呼んでもらう事に。

30分以上待たされて段々痺れを切らした頃に、神社から白装束に身を包んだ初老の男性が出できた。
早速事情を説明しようと矢沢が近寄った矢先に、葉っぱがついた棒で矢沢をさっさと払うと、
「はい、もう大丈夫」と言い捨てると、その場を去ろうとした。
矢沢は当然食い下がった。
矢沢「いや、ちょっと待ってください。まずは話を聞いてください!」
神主「聞かなくても分かる、払っておいたからもう大丈夫」
矢沢「え?払うという事は、何か憑いてるんですか!?ちゃんと見てくださいよ!」
その時に神主は、微かに「あぁもう!」と呟いたのを俺は聞き逃さなかった。

矢沢は矢継ぎ早に事情を説明した。
ダムのトンネルに行った事、その時に全身が寒くなり震えが止まらなかった事、老婆を見たこと、
それから色々な災難に遭っている事。
神主は何やら呪文の様なものを10秒程唱えた後に、矢沢の背中をバンバンと二回叩き、
「危ないところに行かない様に」と言い、また去ろうとした。
当然納得出来るはずもなく、矢沢だけではなく俺達も食い下がった。
俺「遠い所から来てるんですよ。実際矢沢には何か憑いてたんですか?詳しく教えて下さい」
神主「低級な霊が憑いてるだけだよ、少し払えば逃げて行ったよ」
矢沢「じゃあこれからは何も起きないんですか?
ちゃんとお金も持ってきてます。除霊にお金がいるなら払います、幾らですか!?」
神主「あのね……」
全員「お願いします!他に頼るところがないんです!お願いしま…」と言い掛けた所で、神主が急に叫んだ。
神主「やかましいんじゃお前ら!」
いきなり怒鳴られ、俺達は思わずビクッとした。
神主「どいつもこいつもいい歳してアホな事ばっかり言いやがって!ホンマにドアホ共が!」
そして続けてこう言った。
神主「幽霊なんかおる訳ないやろアホ!」
俺達は5人でハモった。
「え?」
神主「この世は命あるもんの世界じゃ!それやのにいい歳した奴らが幽霊や何やとピーピーいいやがって!
毎回お前らみたいな奴がアホ話持ってきてうんざりしとんじゃ!
ええか!よう聞けよ!そのトンネルの事はわしも知っとる!
夜のトンネルが怖いのは当たり前じゃ、気持ち悪ぅて寒くもなるわ!
老婆を見たとか言うたな?あのトンネル抜けたら村があるんじゃ!人が通る事もあるやろ!」
俺「でも、鎌みたいの持ってこっちを見てましたけど…」
神主「山道やからな、邪魔な草とか木を切りながらやないと進まれへん道もある!
見とったんはお前らがアホみたいにギャーギャー騒いどるからやろ!」
矢沢「じゃあ、俺に不幸な事が起こるのは何故ですか…?」
神主「偶然じゃ!ちょっとお前らこっち来い!」
そう言って連れて行かれた先で、800円のお守りを買わされた。

頭を下げて帰ろうとしたその時、武智が神主に質問をした
武智「あの~、生きてるもんの世界で幽霊はいない……という事は、神様とか仏様は?」
神主「え?…おるよ」
このじじぃ……

800円×5本=4000円

あの金がビールに化けて、なまぐさ坊主の胃に入ったかと思うと何やら体が熱くなる。
でも、10年過ぎた今でも、あの神主は俺達の話題に上がる。
強烈なおっさんだったよ。

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