短編 怪談

笑う塊(わらうかたまり)#680-0121

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某SNSでも書かせて頂いたから見たことある人もいるかも。

676 本当にあった怖い名無し New! 2011/08/15(月) 20:28:34.18 ID:DGD2BZCU0

二年ほど前の話です。

広島から都内の会社の内定式に参加した私は

そのまま会社近くのビジネスホテルに一泊する事にした。

そのホテルは一・二階が証券会社。

三・四階が客室。

五階がフロントで、そこから上がまた客室という変わったつくりのホテルだった。

チェックインを済ませた私に渡されたのは四階二号室の鍵。

四階に下りた私が自分の部屋を探してフロアをウロウロしていると

一枚のドアに目が止まる。

その扉には部屋番号のプレートが付いていた後はあるのだが

肝心のプレートが付いていない。

部屋の配置図を見ると、やはりそこは十五号室らしい。

ひと部屋も無駄に出来ないその手のホテルで折角の部屋が潰してあるのだから

客室でどなたかがお亡くなりになられて使えないんだろうと思った。

私は自分の部屋を探し出し、入って行った。

翌朝も早かったため、一刻も早く眠りたかったので、

二十三時前にはベットに潜っていたが、どうにも寝つきが悪い

部屋の空調を調整しても何をしても眠れない。

テレビを付けてボーっと眺めて時間を潰していたら午前三時半頃ウトウトし始め、

いつの間にか眠りについていた。

少しするとパッと目を覚ましてしまった。

起き上がろうとすると体が動かない。

金縛りだった。

それと同時に耳元で誰かが「アハハ。アハハ」と笑っている声が聞こえた。

声の方を向こうとするが、金縛りのせいで体が動かない。

なんとか眼球だけ動かせることに気付いた。

声のする方へゆっくり目を向けとそこで笑っていたのは真黒い塊だった。

寝るためにメガネをはずしていたのではっきりとは見えなかったが、

私にはそれが「人の頭」のように見えた。

その笑いかけてくる人の頭のような黒い塊はスゥーと天井近くまで上がって

左右に揺れながら私に向って「アハハ。ハハ。アハハ」と笑い続けていた。

恐怖で声の出ない私は揺れながら笑う塊を見続けていた。

なんとかこの場を逃げ出したい私はありきたりだが、心の中で必死にお経を唱えた。

するとスッとその塊は消えて金縛りも解けた。

後日解ったのですが、やはりそのホテルは、

私が宿泊するひと月ほど前に同じ四階で

男性が焼死体で発見される事件があったそうです。

そしてその方が焼死されたのは私の誕生日と同じ九月七日だったそうです。

という体験談です。

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