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短編 r+ 怪談 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間

友人からの相談 r+9,296

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会社の帰り道、高校時代の友人Kと二年ぶりに偶然再会した。

懐かしさからそのまま飲みに行き、昔話に花を咲かせた。

しかし、Kはどこか浮かない顔をしていた。楽しそうに笑ってはいるが、本心からの笑顔には見えない。俺は「何か悩みがあるなら話せよ」と声をかけた。

三日後、Kから電話がかかってきた。

「迷惑かもしれないけど、ちょっと悩んでることがあるんだ」

俺は「遠慮せずに言えよ」と答えた。すると、Kは自分の住むマンションの下の階の住人Bという女性から嫌がらせを受けていると話し始めた。

Kは両親の買ったマンションに住んでいる。だが、一年前に友人と騒いだ夜を境に、Bの嫌がらせが始まった。

エレベーターに乗ると、Bがすぐ後ろから無言で乗り込んできた。顔を伏せ、唇を小さく動かしながら「臭い臭い臭い……」と延々とつぶやいている。最初は気のせいかと思ったが、BはKの目をじっと見つめたまま、声を少しずつ大きくしていった。

マンションの住人たちがKを避けるようになり、Bが何か吹き込んでいるらしい。無言電話がひっきりなしにかかってきて、Kが怒鳴ると「死ねウジ虫、地獄に堕ちろ」と女の声がした。ポストの手紙はすべて開封され、ある日は爪や髪の毛が入っていた。真

夜中の三時になるとピンポンが鳴り続ける。宅配便の箱を開けると、中には大量の呪符。さらには血に染まった使用済みの生理用品が玄関にばらまかれたこともあった。

Kが語るBの姿は異様だった。虚ろな目、不気味な笑み、ボサボサの髪に強烈な香水の匂い。大きな黒縁の眼鏡をかけ、どこか異様な雰囲気を漂わせていた。

俺は「警察には相談したのか」と尋ねた。Kは「証拠がなければ動けないと言われた」と答えた。

そして、ある夜、Kから取り乱した声で電話がかかってきた。

「やばい……俺、殺されるかもしれない!」

俺は落ち着かせようとしたが、Kの声は震えていた。

「夜中にガラスを爪で引っかく音がするんだ。ベランダを覗いたら、あの女がいた……」

Kの部屋は九階だ。

「武器を取りに行って戻ったら、もういなかった。でも、ベランダには不自然な爪痕が残っていて、あの強烈な香水の匂いが漂ってた。九階までどうやって上がってきたのか分からないけど、確かにBだった。警察を呼んだけど、証拠不十分だってさ。それどころか『これ以上通報したら、お前を逮捕する』って言われた」

俺は怒りを覚えた。Kが殺されたらどうするつもりなのか。

翌日、俺は大学時代の友人Sに相談した。Sは医学部出身で精神疾患にも詳しかった。

「Bは統合失調症の可能性が高いな。一つのことに異常に執着し、脅迫観念に駆られることがある。ただ……気になることがある」

Sは一瞬、言葉を失ったようだった。眉をひそめ、ゆっくりと息を吐きながら慎重に言葉を選んだ。

「Kが話していることが事実なら、Bは統合失調症の典型例だ。でもな……K自身の言動も、統合失調症の患者がよく言うパターンに似ている」

その夜、Kから電話がかかってきた。

「驚いたぞ……。家を調べたら盗聴器が数十個も見つかった! 部屋のあちこちに仕掛けられていて、普通に生活していたら気づけない場所ばかりだった。それだけじゃない……Bは俺が三歳の頃からずっと俺を監視してたんだ!」

[出典:63 友人からの相談1/6 2009/08/21(金) 02:08:28 ID:edz+SqwT0]

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