とある大学に通う雅子は、ここ数ヶ月、無言電話や嫌がらせメール、不審な郵便物等の得体の知れないストーカーにあっていた。
「怖い話投稿:ホラーテラー」匿名さん 2009/08/04 22:40
そんな憂鬱な毎日を送っていた矢先、同じサークル仲間の愛子が「気分転換に合コンにでも行こうよ」と、誘ってきた。
雅子は合コンなど行ったこともなかったが、こんな憂鬱な毎日から脱出でき、しかも彼氏ができれば不安材料が払拭できるかも…などの想いから、合コンに行くことにした。
少しモダンな居酒屋で合コンは始まった。相手は同じ大学の某サークル。
彼女の前に、今風だがやや落ち着きがあり、話し上手なイケメンが座っていた。
二人は話をしていくうちに意気投合し、次第に雅子は彼に惹かれていった。
「こんな彼がいたら、今のいやな毎日から脱出でき、いろいろ相談出来るだろうなぁ…」と、まで思いこんでいた。
帰りにその彼が「家、近いなら送っていこうか?」と、言ってくれた。
少し戸惑った表情を見せ「じゃあ、おねがい…」
内心はうれしさで一杯だった。
家の前で、車を止めると彼が「今度は、みんなで遊びに行こうよ」と言った。
「行きたいね!」
「携帯番号交換しようよ」
二人の距離は徐々に近づいていった。
彼が「じゃあ今、ワンコールするから電話番号、言ってくれる?」
雅子が自分の電話番号を告げると同時に、彼が携帯から雅子の番号を押す。
「それ登録しといて」
彼が言った。
雅子は登録しようとしたがすでに登録済みであった。
『犯人?』
という登録者名。
実は、雅子はたび重なる無言電話の番号を『犯人?』という名前で登録していた。