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怒られる理由

更新日:

あれはかなり昔、自分が四歳ぐらいのころ。明け方四時ぐらいの出来事。

529 本当にあった怖い名無し 2006/04/18(火) 13:58:41 ID:TRB6zpuJ0

明け方といってもまだ全然真っ暗で、周りはぼんやりとしか見えない。

ふと気づくと、俺はベッドの上に立たされて母親に怒られていた。

「なんであんなことしたのっ!」

と怒られているんだが、自分が何をしたのかさっぱりわからない。

そりゃそうだ。今起きたばっかりなんだから。

自分が何をしたのか聞きたいのだが、相手は怒ってるし聞けば聞いたでさらに逆鱗に触れそうだったので、訳もわからず「ごめんなさい」と謝っていた。

ひたすら謝っていたのだがなかなか許してくれない。

嫌な時間っていうのは長く感じると言うが、一時間ぐらいは延々と

「なんであんなことをしたのか? どうしてなのか? 今何時だと思ってるのか?」

と同じような事で問い詰められてる。

まぁ普段からうちの母親は怒ると異様にしつこかったりしたので謝るだけ無駄。

どうせ謝ったって延々怒るし、謝らなかったら謝らなかったで延々怒る。

そういう意識があったので「あぁ今日はまた特別機嫌が悪いんだな」もしくは「あぁ俺そんなにたいそうな事をしでかしたんだな」ぐらいにしか思っていなかった。

ところが、よくよく考えてみたらこの夜中明け方の四時~五時ぐらいにかけて延々と母親が怒鳴り散らしているにもかかわらず、隣の部屋で寝ているはずの親父が起きてこないのは、まぁいいとして、二段ベッドの自分の下で寝ているはずの二歳の妹が起きてこない。

起きてこないはずがないっていうか、寝ていられるはずが無いほど俺は怒られているのに物音ひとつしない。

と、一つ気になったらすべてがおかしく思えてきた。

周りの音が無いのだ。

いつもなら気になる時計の音も、そろそろ走り出すであろう車の音も。

いっさいが無い。あまりにも静か過ぎるのだ。

そして一番納得がいかないのが、母親の異常なしつこさ。

謝っても、謝っても許してくれない。いつもならいくらしつこくても、そろそろやめてくれるであろう時間になってもやめてくれない。

ここで一番怖い事に気がついた。

母親の顔を見ていないのだ。

正確には、暗くて見えないのだ。真っ暗の中で怒られてる。

気配と声で母親だと認識していたのだが、確認してはいない。

「なんでこんなことしたの? 何時だと思っているの? 悪いと思ってるの?」

同じ様な事で延々と怒鳴ってる。

この人は本当に母親なのだろうか? と思った瞬間、手が飛んできた。

ばちっ! と叩かれた。が、その手がおかしい。

爪が異様に長いのだ。触られた感触もかなり冷たい。

母親じゃないっ!

とそう直感した。

母親は爪が薄く弱いため、割れてしまうという理由からいつも爪は伸ばさない。

当時まだ若かったであろう母親だったが、その理由から爪を伸ばしたことはない。

《誰だ?》と疑問に思ったその瞬間、今まで怒鳴り散らしていた声の質が伸びたテープの様にいきなりトーンダウンした。

この世のものとは思えない様な響くような低い声に変わり、段々言うこともおかしくなってきた。

「なんで殺したの? どうして殺したの? どうして死んだの?」に変わった。

やばい逃げなきゃ、と思ったがここは二段ベッドの二階。

相手は二段ベッドから降り、階段付近に立って怒鳴ってる。

いや、今は泣きながら訴えてる。

「なんで殺したの? どうして殺したの? どうして死んだの?」

今まで怒られていたから動かなかったと思っていた体は、動かそうとしても動かない金縛りに変わってる。

やばい体が動かない、と気づいたとき一段と大きな声ではっきりと

「悪いと思ってるの?」と顔を近づけて来た。

その顔は髪の毛がバサバサで肌は青白く、そして両目が無かった。

 

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……そこから俺は意識が無くなった。

そして朝? だろうか? 昼だろうか?

気がついたら同じ状況でベッドの上で立たされて母親に怒られてる。

今回違うのは、ちゃんと周りの音は聞こえてるし何より明るい。

顔がちゃんと見えるのだ。間違いなく怒ってるのは母親。

「どうしてあんなことしたの? 何してたの? どこいってたの?」

と問い詰められてる。

今回も今回で、なんで怒られてるのか判らなかったが、ちゃんと聞いてみた。

俺は何をしたんだと。

そうしたら「あんた、ねぼけてたの?」と話をしてくれた。

昨日の夜中二時ごろ、まだ起きてリビングにいた両親の前をすっと俺が通ったらしい。

そのとき両親はトイレに行くのかな?と思っていたらしいのだが、俺は「遊びに行って来る」とそのまま玄関から出て行ったらしい。

まさか出て行くとは思って居なかったから止める暇も無く、あわてて玄関から出てその辺を探したが見つからず、家に帰ってきて警察に電話する前に俺のベッドを見たら寝ていたらしい。

そのまま起こして事情を聞こうとしたが、俺が起きなかったのとスヤスヤ寝てるし、自分たちも疲れていて気がついたら寝ていたらしく、そのまま朝を迎えたところで俺の叫び声で起こされたらしい。

結局、俺はねぼけていたからそのとき何をしていたのかわからない、と言い訳して今までこの話は誰にもしていなかった……

(了)

 

ドッペルゲンガーのはなし [ 友山奏也 ]

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