短編 怪談

日帰り冥土の旅【ゆっくり朗読】

投稿日:

Sponsord Link

小学校高学年の時に交通事故で心肺停止の時の体験。

6 :本当にあった怖い名無し:2014/05/14(水) 00:17:54.82 ID:5ynDqUr40.net

事故った瞬間にドクッドクッドクッって重低音が身体中に響いて、目は見えてるんだけど音は水の中にいるようにこもって聞こえた。

痛みとかは全くなくて、ヤバイって感覚しかなかった。

まばたきした瞬間に、背中から巨大そうじ機で吸われる感じがして、気付いたら倒れてる自分を見てた。

周りの人があわててる姿とかも確認できた。

その時もまだヤバイヤバイヤバイって頭の中は出川哲朗状態だった。

相変わらずドクッドクッって感覚はあるし音も水の中。

これは死ぬなって思った時にまた背中をそうじ機で吸われた。

次に気付いたら夜の山道みたいな所で、無音で真っ暗な道を飛んでた。

説明できないけど凄くなつかしい匂いがして、めちゃくちゃ安心したのを覚えている。

フワフワ飛んでるけどコントロールは出来なかった。

すんげー遠くに明かりが見えて、あ!明かりだ!って思った瞬間にまたそうじ機で吸われる感覚になった。一瞬で明かりの中にいた。

明かりの中はスゲー眩しくて、目を開けるのも大変だった。

「あら、まだ子供なのに」

「あらららら」って声がして頑張って目を開けると、たくさんの人がいた。

みんな同じ服を着ていて俺も着ていた。

本当にたくさんの人がいてビックリした。外国人もいた。

人だかりが出来てる所があって、見にいくと某歌姫が歌ってたりした。

後日この人が某歌姫って知る。当時は知らなかった。派手な服着たババアって感覚だったから。

みんな楽しそうで、俺もだんだん楽しい気持ちになってきた。

某歌姫は俺に気付いて童謡とか歌ってくれたり、周りの人達もジャンケンとか、にらめっことかして遊んでくれた。

しばらくすると鐘の音が聞こえた。

それも大音量。

また一瞬意識がなくなって気付いたら丸太小屋みたいな部屋にいて、テーブルに死んだ婆ちゃんと猫がいた。

婆ちゃんに話しかけても無反応で、猫も無反応。

婆ちゃんの所に行きたくても透明の壁があっていけないし、俺は不安で大泣きした。

大泣きしていると部屋にサラリーマン風のおっさんが入ってきて、婆ちゃんと猫を連れていった。

一人部屋に残されて泣いていると、また鐘がなった。

次に気付いたら川があって知らない爺ちゃんが話しかけてきた。

「内緒だよ」「内緒だよ」「内緒だよ」

って壊れたCDみたいに繰り返してた。

何が内緒なの?って話しかけても、爺ちゃんは繰り返すだけで話にならない。

怖くなって走って逃げたら、岩の上に座ってる婆ちゃんを連れていったサラリーマンがいた。

サラリーマンに助けてくれって泣きついた。

サラリーマンに頭をなでられて本を読んでもらった。

でもその本の内容が歴史小説みたいな内容でつまらなかった。

大泣きと本の内容に疲れてウトウトしてたら、また鐘が鳴り響いた。

次の瞬間にドクッドクッって感覚と、猛烈な痛みが身体中を走って目を開けたら病室だった。

何も内容がないけど俺が体験した話しでした。

他の事はすぐ忘れる馬鹿なのに、この体験はハッキリと覚えてるわ。

内緒だよ爺さんは今でも夢に出てきます。何が内緒だか解明したいわー。

この事故からしばらくして某歌姫の存在を知るんだけど、今でもファンです。

あの世で優しくしてくれた事忘れてないよ美〇さん!!!

後日判明したんですが、俺を妊娠中に母が胎教(たいきょう)で美〇さんの歌を聴かせてたみたいだから、その記憶が脳に残ってたのかも。人体は不思議だー。

次に死ぬ時にまた同じ所に行くって考えたら憂鬱だなー。

あの不安感はもう体験したくないわ。

そうじ機に吸われる感覚とか、何をしていいかわからない状態とか、本当に不快だったわ。みんなも長生きしたほうがいいよ。

(了)

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, 怪談

Copyright© 怖いお話.net【厳選まとめ】 , 2024 All Rights Reserved.