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不思議な転校生【ゆっくり朗読】2930

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夏の同窓会であった一件。

570 本当にあった怖い名無し 2012/10/01(月) 20:47:03.53 ID:Zjn89qfB0

小学校の同級生達とだったんだけど、うちの小学校は田舎なので各学年一クラス。

人数も三十人程度で六年間一緒だから、なんというか全員幼なじみみたいなもん。

当然ある程度の水準でみんな仲良かったといえるくらいのクラスだったんだけど。

そんなクラスの実に十数年ぶりの同窓会でのこと。

六年間同じメンツだったんだけど、毎年転校してくやつ転校してくるやつがそれぞれひとりふたりくらいいたんだよね。

そんな転校生達のなかの一人の話。

彼女は記憶してる限り、二年の二学期頃、変な時期に転校してきた。

普通の可愛い子で、明るくよく笑うし、すぐにクラスにも馴染んだ。

女子とも男子とも仲良くて、放課後遊んだりしたことも結構あったし、彼女の家に友達何人かで遊びに行ったりとかももちろんしてた。

彼女はその後、四年だか五年の時に親の仕事の都合で転校していった。

さすがに転校先までは失念してしまったけど、どっか遠方だったと思う。

それで、友達も多くて人気もあったから、ずっと覚えてた彼女の事を、あの子どうしてるかね、ってぽろっと言ったら場の空気が変わった。

変わったというか、正確に言うと、反応がまっぷたつに分かれた。

「あーいたね!どこに転校したんだっけ?」

「可愛かったよね、今どんなんなってるんだろ?」

みたいな連中と

「誰?転校生?いたっけ?」

「いやいやいや二年の時は転校生一人もいなかったろ」

っていう連中に二分された。

俺ふくめた半分くらいは何言ってんだこいつら?みたいな感じだった。

まあ残りの半分も同じような感じだったんだけど。

それで不思議なのが、俺は普通に仲良かったから当然だろうけど、別段仲が良いってわけでもない連中が彼女の事をしっかり覚えてたり、

逆にむちゃくちゃ仲良くていつも一緒にいたレベルの女子が全く覚えてなかったり、単純に印象が薄いとか関わりがなかったとかで言い切れない感じだったんだ。

それでまあ当然のように学級委員が持ってきてた卒アルを出してきたんだけど、当然彼女は途中で転校しちゃったから卒アルにはのってないわけで。

他の日常スナップにも写ってない。

いなくなった子の写真はのせない方針だったようで、他に途中で転校した子も同じ扱い。

で、こうなってくると明確な証拠がないので「いなかった組」がほらみろ、みたいになった。

でも実際俺らは覚えてるし、彼女の両親に会った事もあるし、家の場所まで覚えてるってとこまで話がすすんだ所でふと思い出したんだよね。

「そういや彼女が住んでた家の場所は今さら地になってるよね」

そこからまたさらに話がこじれた。

彼女のことを覚えてる組はその事を知ってるし賛同するんだけど、そうでない連中がみんな一様に「?」って顔するもんだから、どこそこの角曲がって抜けた所だよ、って説明したら

「あー確かに今、さら地だけど、あそこは前神社だったじゃん」

とか言い出すのよ。

「いやいや、あそこは彼女が住んでた借家があった」

「いやずっと神社だし」

「そんなわけあるか、この辺の神社は〇〇と〇〇と〇〇だけだろ」

「いやでもあそこの神社でよく遊んだよ、ねえ〇〇ちゃん?」

そんな議論が続く続く。

で、結局そこでああだこうだ言ってても仕方ないし、とりあえず後で調べてみるかー、って事でちょっともやもやしたままその話は終わり。

そのあとは二次会組だ何だに分かれて解散になった。

俺はそのあと調べてみたんだけど、というかわかる範囲でだけどね。

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まとめると

・彼女の家があった場所は確かにさら地で、家は確実にあった。写真があった

・彼女は卒アルには写ってなかったけど、各年度ごとに出す文集には名前があった

(四年の終わりに出した文集にまで名前があったので、そこまでは確実にいたはず)(白黒印刷で鮮明ではないけど集合写真に彼女も写ってる。文集の人数とはあってる)

・親とばあちゃんに聞いたけど、さら地の所に神社が建ってたことはないとのこと(そもそも神社ってそんな簡単に取り壊したりするのか?)

・意外だったのが覚えてた連中、誰一人として転校先だけはっきり覚えてない(ドタバタで転校していったわけではなく、お別れ会的なものをやったのは覚えてる)

・覚えてない奴らはみんなして、あそこは神社だったと主張する(ちいさな公園が隣りにあって、遊具がどうのという所までだいたい一緒の証言)

とまあ大体そんな結論に軟着陸したけど、なんとなく釈然としない。

家が写ってる写真はその内覚えてない組に見せようとは思ってる。

連絡は取ってないけど、多分覚えてない連中も文集見て彼女の実在を確認してるとは思う。それでも「?」みたいな感じなんだろうけどさ。

あと転校してきて、そのままこっちにずっといて卒業した奴がぼそっと

「もしかして俺がこうなってた可能性もあるのか…」

とか言ってたのはちょっと笑った。(こいつは覚えてた組)

まあそんな長いわりにオチのない話でごめんよ。

大〇明〇ちゃん、今どこにいますか?元気にしてますか?

573:2012/10/01(月)22:10:36.70ID:R02Ztwz70

少なくとも土地の持ち主は登記簿(できれば閉鎖も)取ればわかるよ。

神社なら恐らく宗教法人の所有になっていただろうけど、違うなら、それだけ密な付き合いしてる土地なら、地主は知り合いの人かもしれんね。

その人に、何年ごろに住んでた〇〇ちゃん覚えてますか?って聞いてみるとか。あとは、あるいはもう鬼籍に入られてるのかもしれんけど、担任の先生に聞いてみるとか。

子供の記憶はあいまいでも、地主(家主)や教師ってわりとはっきり覚えてるもんだ。

それはそれとして、複数人で記憶が相違して、その内容が一致するって不思議だね。

577:2012/10/01(月)22:31:22.05ID:Zjn89qfB0

いやまあ、彼女が存在してたのは確実だし、あの場所に神社がなかった事も間違いないんだよ。土地関係あたるまでもないレベルでさ。

ただなんで覚えてない連中がそろってあそこを神社だと思い違いしてるのか、そこが不思議だったんだ。

もしかしたらすげぇ昔に神社があった、とかそういう方面でオカルトな話でも面白そうだけどね。

(了)

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