短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

鎧武者の屍体【ゆっくり朗読】

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石じじいの話です。

527 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/14(日) 06:16:53.61 ID:Q3PLLiiQ0.net

石を求めて山深く訪れたときに、じじいはいろいろ不思議なものを見つけたり、それらと遭遇したりしましたが、これも理解が難しい発見例です。
じじいがかなりの高山の森を歩いていたときに、「鎧武者の屍体」を見つけたそうです。
すこし森が開けた空き地のようなところにそれは転がっていたそうです。うつむいて臥していたといいます。
はじめ、どこかの「変態」が「趣味」で鎧を着て山に登って死んだのか?と思ったそうです。
もしこの屍体が最近のものならば警察に届けなければならないので、「なんぎなことよのうぅ」と気が重くなりました。
もし、それが「武士の時代」のものであれば、そのように保存が良いわけがないと思えたのです。
しかし、よく屍体を調べてみるとおかしなことに気がつきました。
鎧は非常に古びて見えたそうですが(色は、たぶん、黒い色だったとのことですが)、
屍体はミイラのようになっていて(乾いていて)、肉が少し残っていたそうです。
雨の多い地方なのに、そんな状態で保存されるのはめずらしいと(ありえない?)。
兜をかぶって、手甲も脚絆のような鎧もつけていました。
しかし、その鎧はいままで見たことがない型だったそうです。
歌舞伎や五月人形でみられるようなものではなく、装飾などが一切なく金属のちょう帷子でした。
装着している人物は非常に大きく、ゆうに八尺はあったそうです。

じじいはその屍体をバールを使ってひっくり返して上を向かせてみましたが、顔の部分は白骨化していました。
その面貌は、目玉の孔がとても小さく互いに離れていて、上下顎には歯が一本もありませんでした。
首の部分には乾燥した肉がついていたそうです。
じじいは出来心でその鎧の一部を取り外して持ち帰ろうとしましたが、帷子の一片たりとも剥がれませんでした。
互いに固く繋がっていて身体にも貼り付いているように感じられたそうです。
最後は石頭ハンマーで腕の部分をもぎとろうとしましたが、それも叶わなかったと。
陽が傾いてきたので、それ以上滞在すると自分が宿泊のために建てたテントに下りるのが夜になってしまい危険なので、そのときは放置したそうです。
翌日、ふたたびその場所を訪れましたが、鎧屍体はそのままでした。
欲と興味の塊になったじじいは、その屍体を引きずろうとしましたが、重くて少しも動かすことができなかったそうです。
「あれは、重かったわい。すこしもうごかんのよ。大砲みたいなもんよ」
これは持って帰っては良くないものかもしれん(他の人に伝えて一緒に持ち帰ることも良くない)とじじいは考えて、
その屍体の上に近くの森から運んできた枯れた樹皮や下草をかぶせて、読経してその場をあとにしました。
彼が山中で見た不思議物のなかでも、五本の指にはいるほどの奇怪なものだったそうです。

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