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短編 怪談

トーテムポール#964

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今から二十年前の話ですが、

384: 本当にあった怖い名無し:2010/06/21(月) 21:04:20 ID:PlTqLJgxO

小学生の時に友達A君と、A君母の生霊?的なものに遭遇しました。

A君母は仕事に行っていて、私たちはA君の家で昼寝をしていました。

時間は十五時くらいでした。

すると、玄関の方の駐車場に、A君母の車の音が聞こえました。

私たちの寝ている部屋から玄関までは大体五Mくらいで、

古い平屋建てなので、外の車の音は普段から聞こえます。

普段なら帰ってこない時間帯なので、A君と顔を見合わせ、

「?」

という顔をお互いしました。

次に玄関が開く音が聞こえ、私たちの寝ている部屋に歩いてくる足音も聞こえました。

私たちは何ともいえない妙な気分でした。

怖いとはちがう、胸騒ぎを感じていました。

足音が部屋の前で止まり、襖がすーっと開きます。

ちょうど【人の顔】が収まるくらい開いている襖に、【顔が五つ】縦に並んでいました。

例えるならば、トーテムポールです。

上から二つ目がA君母の顔でした。

五つ並んだ顔はどれも無表情で、ただ【色】だけが、肌色⇒青⇒赤とどんどん替わっていきます。

私たちは無言で、その光景を寝ながら見上げていました。

不思議と恐怖はなかったです。

しばらくすると、その【トーテムポール】は消えました。

私たちはそのまま一時間以上無言で天井を見上げていました。

その後、十七時すぎでしょうか。

A君母の車の音が聞こえ、今度は本当に帰って来ました。

私はそのあとすぐに帰宅し、【トーテムポール】の一件は誰にも話しませんでした。

A君とはその後、いろいろありましたが、小学校を卒業するまで交流が続きました。

中学生になり別のクラスになってからは、自然と遊ばなくなりました。

しかし、中学三年になり、同じクラスになったのをきっかけに、また一緒に遊ぶようになりました。

私は、その頃には、例の生き霊?らしきものを、もしかしたら自分の夢だったんじゃないかと思い始めていました。

そして、思いきってA君に聞いてみました。

私「あの顔が何個も並んどったやつ、おぼえとる?」

A君「おー、やっぱり本当に見たんやて。おれら。」

二人の記憶は、細部までディテールが一緒で、間違いなく、何かを見た。

体験をしたことが、お互い証明できて、うれしく思いました。

おわり

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