短編 怪談

処刑場の跡地【ゆっくり朗読】

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俺の家族は父が結婚して独立して、

823 :本当にあった怖い名無し:2023/07/14(金) 22:39:30.61 ID:SkndWLzK0.net

それでたまたま買った土地に住んでたというだけで、地元の歴史とかを教えられて育ってはいなくてさ。

でも田舎だから先祖代々そこに住むという同級生も多くて、土地の昔話を聞かされて育った奴らが友達になってくんだけど。

そんな奴らが口を揃えて「ヤバい」と話す場所が地元にはあってさ。

そこは昔の処刑場、首を落としていたとか、並べていたとか、そういう場所だったらしいんだけど。

その跡地とされる場所には、色のついた壁の小さな団地と、近隣の人が利用する体育館と、ゲートボール場と電話ボックスがあって。

今から20年以上前の中学生時代に友人達から聞いた話だと、その団地に住む人達は、家中にお札を貼って何かから守る様にしているんだと。

その団地には先輩や後輩が住んでいて、その家に行った事のある友人達が実際に見たものとして聞いたから、噂話こわい話という感じではなく、特殊な場所だなと受け入れられたというか。

そこに住む人たち、そこに立ち入る人たちにとっては、それは特殊でも何でもなくて、当たり前、当然の事だったみたいで。

そいつらとは中学の部活で知り合った仲だから、小学生当時は何の接点もない奴らなんだけど、そいつらが話してくれた、小学生の時に跡地の体育館を利用した時に体験した話は今も覚えている。

その日は、体育館で夕方になるまで、みんなでバスケをやってたみたいだけど。

その体育館は予約をした人間が鍵を預かり、終わったら施錠をして所定の場所に鍵を返すシステムだったので、遊び終わった後にみんなで戸締りをして。

最後の扉も閉め終わって帰ろうとした時に、ふと、友達の一人が振り返って。

玄関と逆の奥側になる廊下の先、そこにあるトイレの方を見て、そのまま固まったんだって。

つられて、いた奴ら全員がトイレの方を見た。

前提として、申請した利用者以外は体育館の施設の中には居ない筈なんだよ。

バスケをやる自分たち以外は体育館にはいないはずなのに、さっきまで自分たちしかいなかった体育館の奥の方、トイレの方から視線を感じたから、最初の一人はそっちを見ちゃったんだってさ。

女子トイレの入り口、奥からこちらを覗いている人に気がついたんだよ、その人の視線だって。

目隠しの壁から顔を横にして上半分だけ出して、両目でこっちを見ているその人は、髪が長く下にバラっとしてて、女の人なのは何となくわかった。

場所が場所だから、友達はすぐにそれを幽霊だと思ったんだって。

でも、すぐに怖がったりとか驚いたりとか、そういうのはしなかった。

いてもおかしくないって受け入れられたし、他の奴らも同じものに気づいたみたいだったから。

みんなが気づいてすぐ、女は壁の奥にズルッと消えた。

そいつらが口を揃えて言うには、奥に引き摺りこまれたんだと。

女の背後から大きな手が伸びてきて、女の頭を掴んで、壁の向こう側に引き摺りこんだのを、そこに居る全員が見た。

幽霊よりも怖い、何かがいる。

そう思ったら怖くなって、みんなが一斉に声をあげて逃げ帰ったんだってさ。

その体育館は今も残ってるし、横の団地は壁の色が昔より濃くなってるし、夜になると周りが暗いだけにやけに存在感を増す電話ボックスも残ってる。

だから多分、引き摺り込む手も残ってる。

大人になっても、あの前を通る時は緊張する。

目の前にコンビニが出来て多少明るくなっても、夜のあの場所の重い感じはずっと変わらない。

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