短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

心霊と現実の狭間で#724

更新日:

Sponsord Link

怖い話ってあまり見過ぎると良くないのかな?って思えるような体験した事があります。

511 :2015/09/11(金) 22:34:42.88 ID:mox96/YB0.net

数年前の話なんだけど、当時の私は今と変わらずたまに怖い話が見たくてたまらない時があるんだよね。

こうしてオカルト系の話をネットで読み漁ったりしてました。

夜に自宅の居間で主人と寛いでいた時も丁度怖い話を読むのに夢中になってました。

二十三時くらいに主人が寝室に寝に行くので、居間は私一人きりになってしまったけど、続けて怖い話を読んでました。

怖い怖いって思いながらも読んじゃうんですよね。

でも、一人は流石に怖くなったので、切りの良いところで寝ようと思ってたところ、

「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」

ってなんか、人の声のようなものが聞こてきたんです!

それは男性の呻き声とはちょっと違うんだけど、なんか地に這うような声だった気がします。

思わず私は、「ひっっ」 って、心の声を叫んでました。

だって私が声を出したら、なんか拙いような気がして。

心の中で「おいおい、近くで誰か呻いているのか??」と辺りを見渡しました。

でも見渡しても家だし、何か出てくるわけ無いんですよね。

バカだ私。

ハッと気になって時計を見ると、丁度二時だったんです。時間が時間なので物凄く怖く感じました。

ちなみに家の周辺は隣の家が距離があるので、隣のおじさんの声じゃないです。

直ぐそばに公園と広場があるけど、こんな時間に公園をうろつく不審者もいないはず。

そもそもうろついていたら、耳の良い私はまず足音に気づいてるはずです。

原因を考えました。

基本的な作りが木造の古~~い家なので、きっと木の軋む音がしたんだろう、とか。

ラップ音みたいなの、結構聞いてますから。

実際は心霊的なものじゃなくて今風の家じゃないから、木の軋む音がしてるだけで、乾燥した時なんかは、パリッて音が鳴りますしね。

でもそう考えてたら、なんかあの声のような音が、不自然な気がしてきました。

だって、なんか唸ってる音してたんですけど~??

木であんな音でるんか?って内心思いながら、怖くなったので、慌てて全ての電気を消して主人が居る寝室に行きました。

寝室には布団が二枚。隣で主人が物音気にせずぐっすり眠っていました。

そっと自分の布団に入り眠りにつくのですが、暫くの間は、先ほどの事が怖くてなかなか寝つけませんでした。

「眠れ~眠れ~眠れ~!!」

と心の中で必死で思いつつ、居間であった事や、それまでに見ていた怖い話を思い巡らせ、怖い怖いと思いながら、なんとか眠りにつきました。

それで朝になって終わりになるはずだったんですが……

当然のように?怖い夢を見てしまったんです。

Sponsored Link

そこは暗い場所でした。

長い髪をして、白い服を着た女の人が物凄い形相で、少しずつこちらに近づいてくる夢です。

凄く怖いと思いました。

でも、それと同時に、これは夢だって意識もありました。

私、たまに夢の中が夢だと自覚を持てる時があるので、多分そんな感じの意識を持ってたからだと思います。

それなら操作は早いです。起きたい!って思えば良いんですから。

私は叫びました。

「これは夢だ!!」 と。

でも何故か、夢から覚めてくれないんです。

「え?どうして??」

困惑する私。

長い髪をして白い服を着た女の人がだんだん近づいてくる。

それと心なしか、黒い場所だと思っていたものが、渦のようで、周りが気味悪い雰囲気の部屋みたいです。

その渦も、だんだん大きくなってきて、ブラックホールみたいなもののように感じたので、飲み込まれたらおしまいのような気がして、「夢から覚めろ!!」と、何度も念じました。

そして私は、渦に意識を取られていた所為か、視界に近づいてくる物が単純に見えなかったのか定かではありませんが、いきなりバッとあの女の人の顔面をアップで見てしまい、

「うわあぁぁああああああああああああああ」

って大声出して、ついでに夢から覚めました。

辺りはいつもと変わらない天井。俯けに寝てたようです。

ただの夢だと解っていても、内心ホッとしました。

「そうだよね。夢だよね」と思いながら、時計を見ようと時計のある右側を振り向こうとしたら、何故か急に背筋が冷たくなりました。

怖くなり、私は確認するのを止めて、首を夫が眠っている左側に向けて、悪いと思いつつも夫を起こそうと声を掛けました。

が、「………っ!!?」

声が出ませんでした。

目は冴えているし、意識もハッキリしているのに、声が出ません。

何度試しても

「………っ!!!?」と声にならない声が出てきます。

「ぁ…」とも言えないんです。全く声が出ませんでした。

暗くてよく見えていないけれど、夫はこちらに気づいてくれず、ぐっすり眠っている感じでした。

あまりに怖かったので、手を出して揺さぶろうかと体を動かそうとしたところ、今度は体が動きません。

その時の私は首以外の神経がおかしくなってるのか、ピンッと両手両足を張り詰めた状態のまま硬直してました。

動かそうと思っても動かせないんです。

怖くても涙も出ない状態で、必死に冷や汗をかきながら、夫に「たすけて…」と、必死で声を張り上げようとしました。

けど全く声にならない声で。「ぁ…」とも発音しなかったです。

どうにもならない状態で震える事もできず、仕方が無いので目を瞑りました。

「怖い怖い怖い」

そしたら背後で「フフフ」って声が聞こえたような気がして、いつの間にか気絶したのか、ただの睡魔が襲ったのか、わからないまま再び眠りに落ちてました。

次に気がつくと、もう朝でした。

ケータイのベルで起き上がり、その後は普通の朝を迎えました。

もう怖くないので安心しました。二度目の安心ってやつですね。

一応夫に聞いてみました。

「昨日の夜、体が動かないから、必死でアナタを呼んでたんだけど声に出せなかった。アナタは寝ている時、特に何か気づかなかった?」

と聞いてみたところ、

「気づいてた。うなされてたけど、眠っていたし起すの悪いと思って起さなかった。目が合ったのも見てたけど、特に何も無いと思って寝た」

って言われました。

私はめっちゃ血走ってたし、必死な顔してたはずなのにー!!

薄情者~~!!って思いながらも、今度からうなされてるのに気づいたら起してくれる様にお願いしときました。

その後、特に怖い思いはしていないけど、今もその家に住んでます。

(了)

[出典:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1440824523]

廃墟巡霊 [ 高島昌俊 ]

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

Copyright© 怖いお話.net【厳選まとめ】 , 2024 All Rights Reserved.