田舎に住むおばあちゃんが子供の住む(私の叔母にあたる)、某都市へ引っ越しました。
191 本当にあった怖い名無し 2005/06/08(水) 15:28:24 ID:dNYrAbk/O
大きな病院で透析を受けたり、膝の手術などの理由からです。
おじいちゃんは特に病気もなく家の管理や様々な理由で一人田舎に残ってました。
漁師をしていましたが、一人では大変でなかなか漁も行けず、昔からの貯金や仕送りなどで生活していたそうです。
近くに飲食店を開く奥秋さん(全くの他人)がいて、飲みに連れてってくれたり、おじいちゃんが病院に行く時など送り迎えをしてくれてました。
おじいちゃんは、キチンと車代としてお金を渡していました。
そんな重い病気もないおじいちゃんが、ある日突然亡くなりました。
布団の中でまるで寝ているかのような顔で死んでいたそうです。
親戚は、孤独死か……苦しまずに良かったね、と言ってました。
ここまではよくある話ですが、数年経ってからある事実を聞きました。
第一発見者は奥秋さん。
病院へ行くのに迎えにきても出てこないから、勝手に家に入り探したら……って感じで病院や身内に連絡をしてくれました。
身内が来るまで家にいてくれました。
葬式にも出てくれたし、みんな奥秋さんに感謝していました。
落ち着いた頃家の整理をしてたときに、おじいちゃんには不似合いな書類が発見されたり、財布がなくなってることに気がつきました。
おじいちゃんの性格からして、保険や控除とか、そうゆう届け出すれば、お金が戻ってくる事はしない(知らないし、面倒臭いことはしない)んですが、やっていたようでした。
母達は驚いてましたが、誰かが教えてくれたんだろうと思ってました。
財布は押し入れから畳の下、箪笥様々なとこ探してもなく、通帳などはありました。
変だな、おじいちゃんあの世に持ってったのかな?とか思うようにしてましたが、よく行っていた飲み屋のママから電話がありました。
奥秋さんのことでした。
飲み屋でおじいちゃんに保険のことを教えて、教えたんだから少しでも気持ち程度俺にくれと脅してたこと、おじいちゃんは足代としてくるたびに五千円渡していたこと、飲み屋の支払いはいつもおじいちゃんだったこと。
ママはそんなおじいちゃんに、関わるのやめたらと言ったけど、おじいちゃんはあいつは可哀相な奴なんだと言って、笑っていたそうです。
電話に出た母が財布のことを口にすると、奥秋さんならやりかねないと言われました。
身内が来るまで、半日以上も家にいて時間はあるだろうしって。
それを聞いた母はキレて奥秋さんに電話しました。
奥秋さんはシラをきってましたが、親戚一同やりきれない思いでいました。
ここまではよくある話ですが、その後へんなことが起きました。
おじいちゃんの船が、奥秋さんの店の裏の海岸に流されたり、私が見たのは遺影の顔がどんどん歪んでいく。
ママは閉店した店内で、泣いているおじいちゃんの姿を見たり、お墓はすぐに雑草が生い茂る。仏壇の花はすぐに枯れる。
きわめつけは奥秋さんが発狂して、自殺したことです。
遺影の変化に気付いた私は、恐くて泣いてしまいました。
おじいちゃんそんな顔しないで、おじいちゃんって泣いていたら、家がドーンって揺れました。
地震だと思ったけど私以外気付いてなく、ふと遺影をみると、すごい優しい顔していました。
おじいちゃんっ子だった私は、仏壇から離れられなくて、っていうか離れてはいけない気がして、ずっとその場にいました。
それからは記憶が途切れ途切れで、母が話してくれました。
仏壇の前で座っていた私が立ち上がり、カレンダーをめくり裏の白紙に文字をかきはじめ、それを母に渡して晴之(私の名前)に怖い思いさせてしまった。
謝っておいてくれと言ったあと、外に行ったそうです。
不安に思った母が、私が外に行くのを後ろからついてくと、母の目にはおじいちゃんと子供の頃の私が、手をつないで歩いているように見えたそうです。
連れてかれると思い、私が歩くのを止めようとすると、私はそのまま倒れてしまったそうです。
それからは私の身になんもないし、遺影も変化なし、最後に奥秋さんが死んでから仏壇の花も枯れないし、なんもないです。
ちなみに私がカレンダーの裏に書いたのは見せてはくれないし、教えてもくれませんでしたが、妹が教えてくれました。
おばあちゃん、子供、孫、それぞれにあてた言葉だったそうです。
(了)