人間から手話を覚えさせられたチンパンジー:ルーシーの悲劇
128 :怖いお話ネット:2024/05/06(火) 14:52:37 ID:K8Ls9fHD
ルーシーは、彼女の頭に詰め込まれていた単語のすべてが抜き取られ、ジャングルに解き放たれた。飼い主であるジャニス・カーターは、チンパンジーの本来の住むべき場所は自然の中だと信じていた。しかし、ルーシーの考えは全く違っていた。
十一年間も人間社会で生活してきたルーシーにとって、寝る場所はいつものマットレスの上が良かったし、飲み水はボトル入りのミネラルウォーターが当たり前だった。寝る前にマガジンラックの雑誌をぱらぱらめくるのも彼女の楽しみの一つだった。そんな彼女が唯一嫌いなもの、それはキャンプだった。
ジャングルに連れてこられたルーシーは、えさを一切調達しようとせず、手話で『エサ。ハヤク。ルーシーニチョウダイ。モット、エサ。ハヤク、ハヤク』とせがんだ。
ジャニスは甘やかされたやんちゃ娘を、ほとんど蹴るようにして森に追いやり、生きたアリの食べ方まで実演して見せた。
この話の痛ましさは、ルーシーが言葉を奪われたことである。彼女がいくら質問しても誰も返事をせず、話をしても知らんぷりだった。二年後、昔なじみがアフリカのルーシーのもとを訪ねたとき、彼女は囲いの端に駆け寄り、手話で『オネガイ、タスケテ、ココカラダシテ』と救いを求めた。しかし、その願いはむなしく、誰も彼女を助けることはなかった。
この話は、読んでいて本当に嫌な気持ちになる。暗澹たる気分にさせられる。
129 :本当にあった怖い名無し:2024/05/06(火) 17:21:32 ID:MIylgEuj0
ググったらこんなもん出てきたよ。ルーシーだけじゃないんだな…
悲劇のチンパンジー―手話を覚え、脚光を浴び、忘れ去られた彼らの運命
本書は、言語実験の衰退にともなって離散したチンパンジーたちのその後の消息を追跡した記録である。彼らの運命はさまざまであった。
テキサスへ「島流し」にされたニム。商品として売られ、身元不明になったアリー。
生まれ故郷のアフリカへ送られたルーシー。
かつて手話を覚え、脚光をあびた彼らは、一時的にもてはやされ、そして忘れられた…。
彼らのたどった旅路は、人間の動物に対するあいまいな道徳観や、
その時どきの科学の情勢によって強いられた巡礼の旅であった。
この本は、研究者の実験動物に対する倫理の問題を投げかけている。
130 :本当にあった怖い名無し:2024/05/06(火) 17:29:22 ID:5uzdv3A40
つまり、ルーシーを自然に帰す事になったのは愛護精神からではなく、チンパンジーの言語実験が衰退した事によって、もう研究対象として育てていけなくなったから…という、人間の勝手な事情があったわけですね。
生きたアリを食べさせられ、言葉を奪われ、最後には助けを求めても無視される。そんな悲惨な運命に翻弄されたルーシーの姿は、私たち人間が動物に対して持つ責任の重さを痛感させる。彼女の物語は、私たちの心に深く刻まれるべきものであり、動物に対する配慮や倫理を再考するきっかけとなるだろう。