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駐車場の奥で見つけた秘密

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引っ越してきたばかりで、友達ゼロの俺。

周りの子供たちも、よそ者の俺を無視するばかり。両親は仕事で忙しく、俺は暇を持て余していた。だから、毎日アパートの周りを歩き回って「探索」するのが日課だった。

ある日、いつものように家の周りを歩いていると、駐車場の一番奥で見慣れない動物を見つけた。ゴールデンレトリバーのような毛並みを持ったその動物は、駐車場のコンクリートと雑草の景色を一変させた。周りには車も人もいなくて、俺はその動物に見とれてしまった。

触らせてもらおうと飼い主を探したが、どこにも大人の姿はない。車も通らず、静けさが辺りを包んでいた。よく見ると、その動物には首輪もリードもなく、野良かもしれないと思った。でも、その毛並みの美しさから野良とは思えなかった。軽トラックほどの大きさで、角が五つもあるゴールデンレトリバーをじっと見ていた。

あまりに長く見ていたせいか、動物は目を覚ましてしまった。触りたかったが、起こしてしまったことで諦めた。「起こしてごめんね。いつか触らせてね」と心の中でつぶやき、家に帰ろうとした。その時、「触るくらいなら良いけど?」と後ろから声がした。驚いて振り返ると、動物が話しかけてきたのだ。「本当に良いの?」と確認すると、動物は腹を見せて「忙しいんだから触るなら早くして」と言った。

動物が話せることに驚きつつ、毛を撫でていると、「目は触らないでくれよ」と言われた。よく見ると、動物の脇腹に黄色い目が三つあったのだ。「目がいっぱいで気持ち悪くないの?」と聞かれ、「潰しそうで怖い」と答えると、動物は「変わった人間だな」と笑った。「反対側には目があと四つあるんだ。全部で九つ目がある」と自慢げに話した。「バランス悪いね」と言うと、動物は大笑いした。

「これならバランス良いでしょ?」と言いながら、体の一つの目を額に持っていった。俺はその光景に感動し、動物にますます引き込まれていった。

動物と別れる時、「一緒に行かないか」と聞いたが、「残念ながら無理かな」と断られた。それ以来、その動物には会っていないが、それから俺は変な出来事に遭遇するようになった。あの日の不思議な出会いが、俺の世界を少しだけ広げてくれたのかもしれない。

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