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消せない記憶

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父から聞いた恐ろしい話が現在も進行中だ。これは、ただの都市伝説や妄想ではなく、実際に私たちの家族に関わる出来事だ。

始まりは約50年前、父がまだ小学生の時だ。父の母(つまり私の祖母)に教えを授けていた先生が町内のある施設に参った時、「この施設にはあってはならんものが2つある。早くどうにかしろ」と言ったそうだ。その先生は非常に徳の高い人物で、本物だと評判だった。

時が経ち、ここ数年、町内の特定の役員になると不幸が多発するという現象が続いていた。誰もその役を引き受けたがらず、父はその原因が先生の言っていた二つの曰く付きの物にあると考えた。祖母ができなかったことを、自分がやらねばならないと決心し、動き始めたのだ。

約二年前、父はそのうちの一つを何とか撤去し、残るは一つとなった。しかし、厄介なことが次々と起こり始めた。今年、その残り一つを厳重に処置し、倉庫に片付けることができたが、燃やすだけの段階で不思議な事態が発生した。市に誰かがその曰く付きの物の写真を送り、広報に出すべきだと投稿があったのだ。

後世に回してはならない

父は「執念の為せる業で、撤去されないように手を回してきたんだろう」と言った。そしてその写真を撮った人物を探し出し、「おまえ、そういえばこの写真撮ってただろ?あれどうなった?」と確認したところ、本人は撮った記憶が無かったが、家を探してみるとネガがあった。

金曜日の夜、父から話しかけられた。

「写真…色々写ってるらしいぞ」と父は言った。

自分は興味津々で「マジで?うわー見てみたいけど、見たらアウトだろうな~」と言ったが、父は「生半可で見るものではないな」と返した。

「で写真は?」と尋ねると、父は「処分しろとは言った」と答えた。

翌朝、父は写真を持ってきた。どう処分すれば良いか迷ったらしい。そして、私もその写真を見た。最初は何が写っているのか分からなかったが、よく見ると、古い木造建築の室内から外に向けて撮った風景の中に、木々が茂る外の景色が写っていた。しかし、よく見るとその中に人影があり、顔はボケて見えないが、人が覗いているように見えた。

「おい、これすげぇ。ここに女性が恨めしそうにガン見してやがる。これはヤバイな」と私は興奮気味に言った。

その後、父は写真を預かり、丁寧に処置をして燃やした。しかし、世の中にはまだまだ人の手には負えない代物があることを痛感した。

その写真を処分してからしばらくして、町内は平穏を取り戻したかに見えた。しかし、ある日突然、父が倒れた。原因不明の病気で、医者も手の施しようがなかった。病室で父は私に言った。「あの写真の件が片付いたと思ったら、まだ何かが残っているのかもしれない」と。私は震え上がった。

それから数日後、父が亡くなった。

その後、私も何かがおかしいと感じ始めた。夜になると、あの写真に写っていた顔が夢に現れるようになったのだ。ある晩、夢の中でその顔が「お前も見たのか」と呟いた。私は目が覚めて、全身が汗でびっしょりだった。

次の日、父の遺品を整理していると、古い手帳が出てきた。その手帳には、父が調査していた曰く付きの物についての詳細な記録が書かれていた。その中には、町内の歴史やその物が何故そこにあるのかということも書かれていた。

驚くべきことに、その物は古代から続く呪いの品で、何度も持ち主を変えながら災厄をもたらしてきたものだった。父が撤去した一つは、呪いの一部に過ぎず、まだ完全には消えていなかったのだ。

手帳には、完全に呪いを解く方法も記されていた。それは、特定の儀式を行い、残りの物を特定の場所に封印することだった。私は決心した。このままでは家族や町内の人々がまた不幸に見舞われるかもしれない。

その儀式は危険を伴うもので、一歩間違えば命を失うこともあるという。私は手帳を握りしめ、父の意志を継いでその儀式を行う決意を固めた。

こうして私は、呪いを解くための旅に出ることになった。父が残してくれた手帳とともに、私は全てを解決するまで戻らないつもりだ。

家族や町内の平穏を取り戻すために、私は命をかけてこの呪いに立ち向かうことを誓った。これが私の物語の続きであり、終わりではない。

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