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短編 山にまつわる怖い話

真夜中の御在所岳【ゆっくり朗読】3200

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遭難者道案内の男性、下山後姿消す 真夜中の御在所岳

2010年10月18日午後5時20分ごろ、菰野町菰野の鎌が岳(1161m)で、一人で登山中だった名古屋市守山区の男性会社員(39)の父親(67)から「道に迷った、と息子が連絡してきた」と110番があった。

四日市西署が翌朝からの捜索を予定していたところ、19日未明に男性が下山。
「偶然山中で出会った二人の案内で下山でき、気がつくと名前も告げずに去っていた」と話しているという。
同署への男性の説明では、山中で午後9時ごろ、遠くにヘッドランプの明かりを発見。
大声で助けを求めると、四十代くらいの男性二人が気付き、道案内役になってくれた。
午前0時50分ごろ、御在所ロープウエイ湯の山温泉駅まで下山。直後、二人の姿が見えなくなったという。

男性は歩いてついていくのに必死で、会話はほとんど出来なかったという。
同署では「御在所岳で夜の登山客は通常考えにくいが、無事下山できて何より」と話している。

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男性会社員(39)が母親にその二人の詳細について語った所、母親は「それはお前の爺さんの戦友に違いない」と言って顔を覆ったという。

前大戦時、母親の父は陸軍小隊長として出征していた。

小隊長は部下達を大事にし、身寄りのないある二人については、我が子のように可愛がった。

ある時、休暇を貰った小隊長は、帰省する家もない二人を連れて帰ってきた。

幼き母達に親身に接し敬う二人を見て、母は父がどんなに部下を大切にしているかを伺い知ることができたという。

休暇が終わり、三人は再び戦場へと戻って行った。

その際、二人は母の手を握り、「小隊長殿に受けた恩は必ず、必ずあなた達に返しにきます」そう告げて去っていった。

三人が再び母国の土を踏む事は無かったという。

「まだ20にもならない二人だったけどねぇ。あんたの年に合わせて、わざわざ年を取って助けに来てくれたのかも知れんね」

そう言って母は、アルバムから一枚の写真を取り出した。

会社員は唖然とした。

愛してやまない小隊長の両脇で、満面の笑みを浮かべる少年兵二人は、あの恩人達にそっくりだったという。

(了)

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