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短編 山にまつわる怖い話

長野の山で

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連休のおかげで久しぶりに歳の離れた従兄弟の清助にあえたので、こんなこともあったよなーって話で盛り上がったんだけど、そんな思い出に一つだけ懐かしくもほんのり不思議な話があった。

2014/10/13(月) 03:29:38.75 ID:J6gbPIif0.net

もう十年以上も前の話だけど……

当時小学生だった自分は、毎年夏休みになると清助の住む長野県へ遊びに来ていたんだ。

地元では見れない規模の花火大会……見たこともないような変な虫や生き物。

よくわからない奇祭とか、清助には色々な所に連れて行ってもらったよ。

そんなある年、小学生の自分は清助と二人でハイキングに行くことになった。

詳しい場所は伏せるけど、とある山から入って、とある高原に抜けるルート。

ハイキングとは言うものの、ただのガチ山登りで小学生にはきつかったのを覚えているよ。

最初の一時間くらいは本当に楽しかった。

登山ルート沿いに沢があって、確か生まれて初めて山椒魚を触った。

大学生の清助は物知りで生えてるコケがいかに珍しいかとか、この辺りにはどんな動物がいるとかいろいろ教えてくれたよ。

しかし小学生の自分に山登りは、ただひたすらにキツク、自然というものにに飽き始めていた。

しまいには持ってきた携帯ゲーム機をいじりながら歩いたりしていたなぁ。

そんなこんなで二時間ほど過ぎて、山の中腹で食事を終わらせ休憩し始めたとたんに、ガスなんだか霧なんだか……周辺がもやってきた。

ルートがわからなくなると洒落にならないと先を急ぐ準備をしていると、目の前の沢からモンペを着て、ほっかむりのおばちゃん二人が段差をよじ登ってきたんだよね。

挨拶をするでもなく山道を先へ進みだすおばちゃん二人。

清助と自分は「地元の人かな?」「山菜とか採れるんじゃない?」なんて小声で話しながら同じ道を進み始めた。

おばちゃんたちのシルエットを追う形で霞の中しばらく歩くと、高原側からいかにも山が好きそうなお兄さん達が下りてきて

「こんにちわ!」とか「ガスがきついから気をつけて」「がんばれ」とか挨拶をしてくれてさ。

自分も一人前に扱われたみたいでうれしくてねぇ……振り向いて降りていく集団に手を振った時に気づいた。

「……ねぇ清助、後ろからも似た格好のおばちゃん達が登ってくるんだけど……」

靄がかかっているので顔立ちとかがはっきり見えるわけではないんだけど、うねうねと曲がる山道、手を振り返してくれる兄さん達とすれ違うように腰の曲がったシルエットが見える。

清助は「うーん」と首をかしげ「あのさ」と切り出した。

「……さっきの兄さん達が、おばちゃん達に挨拶してたの聞こえた?」

言われてみれば、振り向いて手を振った時におばちゃん達とすれ違ってるはずなのに先ほどのような挨拶を交わす声は聞こえてこなかったんだよね。

清助は小声で続けた。

「おばちゃん達 何も持ってないんだよね。普通道具もなしに山にはいるかな?……怖がらせちゃいけないと思って言えなかったんだけど……地元の人だとして、手ぶらで山菜取りにきて、麓に下りず、一言も話さずに山登るなんて普通じゃないと思うんだよね」

「おばけ?」と清助に聞いたと思う。

「まさかー(笑)でも気味悪いし、先に行かせちゃおうか(笑)」とか言い出して適当な石に座りこむとタバコをふかし始めた。

自分も疲れていたので座り込み、後ろからやってくるおばちゃん達が通り過ぎるのをぼーっと眺めながら、田舎や畑で見かけるような、ただのおばちゃんだよなぁなんて考えていると、あっけないくらい何事もなくおばちゃんたちは目の前を通り過ぎていった。

おばちゃん達をやり過ごした後は靄も晴れて、目的の高原に無事たどり着けた。

普通に地元のおばちゃん達だったのか、お化けの類だったのかはわからないけど、山の空気もあって、自分には忘れ難いなんとも言えない強烈な夏休みの思い出になったなぁ。

冒頭に書いたように久しぶりに清助と話せたんだけど、さすがに向こうも覚えていたよ。

当時は完全にお化けだと思っていたそうだ(笑)

タヌキやキツネはタバコが嫌いという話を誰かから聞いた事があり、試しに吸ってみたと言っていたね。

長文な上にモヤモヤする話で悪いね。

長野の山や高原に行く事があったら、話のネタにでもしておくれ……

(了)

 

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