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時間の歪みがもたらす奇妙な日常

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俺、時間を超えたことがある。多分だけど。

朝、いつも通りの時間に家を出て、いつも通りの経路で歩き、いつも通りに電車を乗り換えて会社の最寄り駅に着いた。しかし、家を出てからわずか五分しか経っていなかったのだ。通勤は普段、一時間弱かかるはずだ。家を出る時はニュース番組を見て時間を確認し、携帯でも確かめた。だから俺が勘違いしたわけではない。会社の最寄り駅に着いた時、いつもより人が少ないことに気づき、驚いてワンセグでニュース番組を確認した。家を出る時に見ていたスイーツ特集がまだ放送されていた。

地下鉄に乗っていたため、外の明るさの変化は分からなかったが、本を読み進めていて内容も覚えている。しかし、友人に送ったはずのメールが未送信になっていた。???と思いつつも、とりあえず出社した。

昼頃に友人からの返信

昼頃、送れなかったメールに対して友人から返信が来た。しかし、俺の携帯のメールは未送信のままだ。友人に聞いてみると、いつもの時間にメールが来たと言う。もう一度未送信メールを確認すると、文字化けしていた。ついさっきまでは読めていたのに。怖くて削除した。

思えば、その日の前日から何かが変だった。何もない所で転んだり、内窓にびっしりと水滴が付いていたり、電子レンジが何度やっても温まらなかったり、バナナが一本なくなっていたり。元カノからもらったサボテンに一斉に花が咲いたり。疲れていたので気にしなかったが、今考えると異常なことばかりだ。

その後、俺は普通に暮らしている。あの日、朝から会社に着くまでに起こった変化も特にない。ただ、強いて言えば子犬を拾って近所の神社に届けたくらいだ。神社では里親会や迷子探しを行っているので、俺も子供の頃に柴犬を飼っていたこともあり、放っておけなかった。

俺はリアルな夢を見ていた

夢の中で見た景色はあまりにも現実味を帯びていた。あの日の出来事を再び思い出し、時間が超越した感覚が再び甦った。夢の中で俺は、未来の自分と出会っていたのだ。未来の俺は、今の俺に何か重要なことを伝えようとしていた。しかし、その内容がはっきりしない。ただ、未来の自分は何か大きな決断を迫られているようだった。

起きてからもその夢のことが頭から離れない。まるで、何か重要なメッセージが隠されているような気がしてならなかった。時間が歪むという体験が現実に起こり得るのだろうか。それとも、ただの疲れによる錯覚なのだろうか。俺は、この謎を解くために、自分自身の生活を見直すことにした。

後日、俺は再び同じ道を通って出勤することにした。

今度は、時間をきちんと確認し、注意深く周囲を観察しながら歩いた。すると、あることに気づいた。通勤途中の道に、古い時計店があったのだ。普段は見過ごしていたが、その日はなぜかその店が目に留まった。好奇心に駆られて店内に入ると、そこには不思議な雰囲気が漂っていた。

店の奥にいる老人が、俺に声をかけてきた。「君、時間を超えたことがあるだろう?」驚きと共に、俺はその言葉に引き寄せられた。老人は、自分が時間の管理者だと言った。彼は、時間が歪むことが稀に起こる現象であり、その歪みを直す役割を担っているのだと説明した。

俺が体験した出来事も、その歪みの一部だった。老人は、俺にその歪みを修正するための手助けを求めてきた。彼によると、時間の歪みは過去と未来を繋ぐものであり、それを正すことができるのは、時間の流れを感じ取れる特別な能力を持った人間だけだという。

俺は、その話を聞いて心の中で決意した。この不思議な体験を通じて、自分には時間を超越する力があるかもしれないと感じたのだ。そして、その力を使って時間の歪みを修正し、人々の生活を守る役割を果たすことを決めた。

老人と共に、俺は時間の歪みを追い続けることになった。そして、時折、日常の中に潜む異変を感じ取るたびに、それがただの偶然ではないことを理解するようになった。時間の管理者としての使命を胸に、俺は新たな人生を歩み始めたのだ。

この経験を通じて、俺は時間の不思議さとその背後にある深遠な力に気づかされた。時間は単なる流れではなく、人々の運命を紡ぐ重要な要素であり、その管理には細心の注意と深い理解が必要なのだと。

そして、俺は再び同じ通勤路を歩くたびに、その道の途中にある時計店を見つめながら、未来に向けて一歩一歩進んでいくのであった。

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