短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

心霊スポットの旧トンネル【ゆっくり朗読】

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爺ちゃんから聞いた話

704 :本当にあった怖い名無し:2023/06/29(木) 10:21:59.59 ID:CdMuKSP10.net

最近釣りを初めてハゼクランクにハマって爺ちゃんと話してたら、爺ちゃんが小さい頃に良く釣ってた川があるとの事で隣町まで連れてってくれた。

爺ちゃんはルアーで釣りをした事がなかったから

「こんなもんで釣れるんか、ハゼもあほうだな」

とか言って2人で釣りを楽しんだ。

晩酌のツマミにするには十分過ぎるほど釣った帰り道、峠に続く道路を軽トラで走ってた時に爺ちゃんが話し始めた。

「お前、ここの怖い話教えてやろか」

この峠には有名な心霊スポットの旧トンネルがある。ネットで調べたら色んなサイトで紹介されてるなかなかの所だ、トンネルの中で車を停めてライトを消すと幽霊が出るとか言われている所。

「あの幽霊が出るとか言うトンネル?」

と爺ちゃんに聞くとそんなんは知らんと言って首を横に振る。

話を聞くと昔この辺りは部落だったらしく、爺ちゃんが小さい頃によく遊ぶ友達が居たんだと話してくれた。

「ガキん頃にめくらの男に道を聞かれて、イタズラしてやろうと峠に入る道を教えたんだと」(今で言う視覚障害者らしい)

子供のイタズラとは言えど、昔の道すら整備されていない山に視覚障害者の方を単身で放り込むなど酷い話だ。

「ほいでそのイタズラがしばらくしてバレよって、皆で探しに行った、ほしたら犬だか猿だかに襲われて食われとった、あんまりだで皆で墓を立ててやった」

思わずその光景を想像して気持ち悪くなった。

「酷いだろ、ほんでそのバカの家がここだ」

と言ってウインカーを出して人の家の庭に車を入れる。

困惑してたら「はよハゼ持ってこい」

と車をおりて玄関に向かってた爺ちゃんが急かしてくる。

玄関から出てきた爺さんは左の目が真っ白だった、俺の爺ちゃんはハゼがよう釣れたで分けてやる、と言ってその爺さんにいくつか分けてやって二言三言話てから車を出した。

「顔みたろ?あのバカはもう片目が使いもんならんで、息子も孫もみんな目が悪い。あの町の子らは皆目を悪くするか怪我するでメガネ屋が多い」

確かに言われてみると至る所にメガネ屋があってゾッとした。

「まあ心配せんでも長く住んどらんけりゃ大丈夫だで気にしんでええ、墓でも見に行くか?」

といって旧トンネルへ続く道にウインカーを出して曲がるフリをしてからかわれた、ぶん殴ってやろうかと思った。

「悪い事しとると誰かが見とるで、バチが当たる、お前もあんまり悪い事はしちゃいかんぞ」

爺ちゃんの癖に上手いことまとめやがってちょっとイラッとした。

後に調べてみると本当にそのトンネルの近くに墓があるらしく、意外な人から心霊スポットの元となった話?ぽいものを聞けて不思議な気持ちになった。

ハゼは唐揚げにした、美味かった。

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