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短編 怪談

オギソ【ゆっくり朗読】2500

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小学生の頃

935:本当にあった怖い名無し[sage]2007/07/31(火)17:37:57(1/6)

俺は親友のケンタ、マサキとともに農業学校で肝試しをやったことがある。

俺とマサキは凡人だったが、ケンタは霊感があったようだし、可愛い幼馴染がいたりで只者ではなかった。

彼は率先して怪奇現象に関わるような気質があって、今回話す事と別の事件で小学校で怖い目にあったりもした。

農業学校は広大だった。

田舎とはいえ、近くには駅とか住宅街もあったんだが、その学校の周りだけは妙に森深く、特に実習用の畑の真中にいるとまるで北海道かどっかの草原にいるように思えた。

恐らく、まだ町が開発され始めたばかりの頃に開校したんだと思う。

学校の帰り道に近道として大学を突っ切る事もあったが、暗く、人気の無い、背丈までもある雑草に覆われた畑を通る事は当時の俺にも恐ろしかった。

ケンタが肝試しの場に選んだのは農業学校の中にある古びたコンクリート造りの建物だった。

学舎や学生寮からはグラウンドを隔てて、実習畑の近くの森の中に立地していた。

用途はわからない。正面ドアのところに木の札が合ったが字が風化して読めなかった。

ガラスは所々割れ、そこには合板が張り付けられていた。たまに開いたそこからは暗い中が少し覗けるだけだった。

俺たちはケンタの家に泊まり、夜中に出発する事にした。

ケンタの家族はこの馬鹿な行動を容認してくれた。今思えば阻止してくれれば良かったと思う

俺たちは小学校脇から森に入り、沢を渡って実習畑に入った。

灯りはケンタが持ってる懐中電灯しかなかったが、満月な夜だった。

草むらを踏み分け、馬鹿な話をしつつ、建物に向かう途中、一度ケンタが「誰かにつけられてる?」と言った。

立ち止まって周りを見回したが草むらの中には誰も見えなかった。

こんな学校の中で追跡してくる奴なんているはずないし、野良猫かなんかだろうと納得したが、俺も森の中に緑色の不可解な光を見たような気がしていた。

怖がってると思われるのがイヤで言わなかったが。そんなこんなで一応、無事に建物には着いた。

正面ドアは封鎖されていたし、窓は合板に覆われていたので、どうするのかと思ったが、俺たちはケンタに促されて裏側に回った。そこには非常階段があった。

登ると、建物の屋上に出た。そこには二つの非常口があって、片方は鍵が開き、半ば開いていた。

中にはいるとちょっと自分達が建物の二階にいることが分かった。

二階は講堂を見下ろすような場所だった。

どうやら建物は5つのフロアに分かれているらしく、講堂とその二階、中央に玄関、そしてもう一つの部屋とその二階があるらしい。

俺たちは下に降り、パイプ椅子が散乱する講堂を調べたが、あまり面白いものは無かった。

俺たちは強がって「大したことないなぁ」などと笑っていたが、中央玄関への扉があいている事に気付いた。なんでも前に来た時は開いてなかったらしい。

そこで、ケンタもまだ行っていない奥のフロアに行ってみようという事になった。

玄関ホールは下駄箱くらいしかなかった。奥に進むと、机が大量に置かれている部屋があった。

置かれているというか、学校の教室掃除の際に机を後ろに動かすのを乱雑にした感じで、部屋の中央に机が無ければ言いといった感じで滅茶苦茶になっていた。

そして部屋中にはエロ本が散乱していて、悪臭が漂っていた

本は無修正の裏モノばかりで、今思えば”ロリ”ものばかりだった。

俺とケンタはマセガキだったので当初の目的を忘れ、喜んで読み始めた。

そういうものにあまり興味の無いマサキだけは懐中電灯の周りを退屈そうにうろついていた。

何分ほどたった頃だったか。

マサキが帰ることを促し始めた頃、遠くから不気味な、唸り声のようなものが聞こえてきた。

マサキが「オギソだ!」と言った。

当時の俺にはバケモノの名前にしか聞こえなかったが、実際には小木曽という地元では有名な障害者の名前だったらしい。

俺はオギソなる人物の詳細は知らなかったが、声からしてヤバいのは子供ながら理解できた。

だが、俺たちは建物の中にいたのでビビりつつも、少し余裕はあった。

「オギソがいなくなるまでエロ本読んでいようぜ」とマサキにエロ本を読みつづける口実を与える事も出来た。

だが、状況は予想より悪かった。

オギソの声は全く遠くなることはなかった。

それどころか少しずつ近付いてきた。

そして、あろうことか我々の頭上からドアノブを回す音が聞こえてきた。

鍵が開いてなかったもう一つの扉を開けようとしていたのだ。

俺たちは完全に萎縮して、懐中電灯を消して黙り込むくらいのことしか出来なかった。

幸い、彼も鍵を持っているわけではないらしく、ドアは開かなかった。

だが、奇声は止まなかった。そう、俺たちが侵入したもう一つの扉は開いているのだ。

俺たちは息を潜め、隠れる場所を探した。こうなった以上、講堂から逃げることは出来ない。

散乱している机の中にも隠れるような場所は無い。この階の二階に隠れるしかなかった。
講堂と同じく、二階は下の机が散乱した部屋を見下せる構造になっていた。

逃げようと思ったが、オギソが開けようとしていたドアは大量のガラクタに塞がれて開かなかった。

俺たちは息を潜めてガラクタの隅で小さくなっていた。

二階には隠れられそうな物陰も無く、覗き込まれたら即座にアウトだった。

やがて、奴の声が遂に部屋の中に侵入してきた。

天井に懐中電灯の光が映るのが見えた。

もちろん俺たちのものではない。オギソの懐中電灯だった。

俺たちを探しに来たのか?と思う。俺たちは既に半泣きだった。

ただ、声は出さず、息も最低限に抑えていた。

下でオギソはなにやら作業をしているようだった。

椅子を激しく蹴り飛ばす音や、何かをする音が聞こえていた。

突然、オギソとは違う叫びが響いた。その声は女、しかも俺たちと同じ年頃くらいの声だった。

ぎゃーぎゃーと、泣き声で、今思えば「痛い」とか「助けて」とか叫んでいたように思える。

下で何か、蹴ったり叩いたり、それだけではない不気味な音が沢山聞こえたような気がした。

だが俺たちは萎縮しきっていてそれを確かめる事は出来なかった。

そのまま、何時間もオギソと、その女の声を聞き続けることしか出来なかった。

女の声は途中で止んだように思えた。

女の声が止んでからどれだけ経ったか、オギソがようやく動き始めた。

行きと同じく、机を蹴り飛ばしながら、ドアノブを滅茶苦茶に回しながら。

声は少しずつ遠ざかりながら、そして俺たちの隠れている二階の近くの屋上を通って、そしてまた遠ざかっていった。

最初、俺たちは動かなかった。罠に思えたのだ、そのまま何時間もそこにいた。

そしてやがて、眠っていた。

眼を覚ますと、窓に打ち付けられた合板の隙間から光が見えた。もう朝だということが分かった。

オギソの声ももう聞こえなかった。俺たちはようやく立ち上がると、一階に降りた。

そこには血と、大量の汚物が転がっていた。それだけだった。

女がどこにいったのかは分からなかった俺たちは皆、そこで吐いた。

そして、何か悪い事をしたような後味の悪さに襲われていた。

結局、俺たちは無事に家に帰ることが出来た。ケンタの親にも何も言われる事は無かった。

オギソを見たという話もあまり聞かなくなり、俺は一度もオギソを見ることは無かった
だから、俺たちはあれを秘密にすることにした。

一つだけ忘れられないTV番組がある。

それは他愛も無い番組間の地方ニュースだった。

アナウンサーが俺たちの住む町の近くで同年代の女の子が行方不明になったことを知らせていた。

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