昔駅員してたときに……
87 :駅員:2022/10/15(土) 02:40:44.24 ID:/KldUwe10.net
将来運転士になってくれる人を増やすため、宿直勤務明けの時間で添乗できるというイベントに参加したんだよね。
今はもうない、トワイライトエクスプレスに行きは乗車して、
帰りは新快速に乗車するという体験は中々出来ないだろうから喜んで申込みをして、
希望者が多かったら抽選とか聞いていたんだけど、まさかの定員割れで俺しかいなかった。
こんないい機会ないんだけどなぁ。
と思いながら添乗員してたんだけど、新快速乗ってるときにまさかの、飛び降り自○した女性がいたんだよ。
目が合うってのはマジで、一瞬俺と目が合ったと思ったらそのままその人は電車の下に巻き込まれていった。
電車は勿論急ブレーキからの急停車したんだけど、体すべてが下に潜り込んだんかな?って思ってたら頭だけ前に弾き飛ばされてたみたいで、よく見たら20メートルくらい先に転がってたのよ。
それを俺が見てしまって「うわっ」って声を出しそうになったけど、その時瞬きしたような気がして「え?」とか思ってたのね。
夜勤明け&トワイライトエクスプレス添乗できた興奮と人身事故を目の当たりにした興奮で見間違いかと思って目を擦ったら頭はあったんだけど、さっきまでこっち向いていたのが反対向いてたんだ。
それから電車止まったから添乗とかそんなレベルじゃなくて、それどころか勤務したことない駅で人身事故対応業務をさせられてバタバタしてて、落ち着いた頃にはもう死にかけてた。
クタクタになりながら、帰宅する。
当時一人暮らしだったんだけど、男のひとり暮らしなもんで、家の中は荒れた汚部屋。
けど、入ったら家の中は片付いていて、そのときは「母親が勝手に入って家片付けたんやろ。」って思って、疲れてたこともあってベッドの上に寝転んで速攻寝入ったんだ。
そのときの夢では何回のあの女性の生首が飛んでいくような夢を繰り返し見てて、嫌だなぁって思ってたら急に頬を叩かれて起きた。
そこには当時隣に住んでいた同僚で、何故か俺はベランダに居た。
同僚曰く、外に出るガラス戸を叩く音が煩くて、何度かベランダから声をかけてみたが、反応がなく。
急に外に出てきたなと思ったらは柵を持って腰を動かし出して、今にも飛び降りそうだったから、隔てている板を蹴破って俺の部屋のベランダに行き、
柵から引き剥がし、頬を思いっきり叩いたそうだ。
そこまで疲れて自○しようとするほど馬鹿じゃないと思っているから、これはなんかあるんじゃないかなと思ってたんだけど、その時は友人と一緒に友人の部屋で寝た。
それから友人には何度かお世話になっていたんだが、人身事故に合ったということで長期休暇をもらっていたということもあって、家の近くの繁華街をぶらつくことにした。
すると、あの人身事故の女性がこっち見てたんだよ。
101 :駅員:2022/10/15(土) 22:04:06.36 ID:/KldUwe10.net
すまん。
マジでやばいことになって今日急遽帰郷した。
その関係で続きを書けていなくてすまない。
続きです。
まず、繁華街っていうのが新世界という大阪の難波より南側にある、通天閣の麓なんだけど、
当時その近辺に住んでいたということもあって、一人暮らしで料理はたまにしかしなかった為か、
新世界の飲食店で夜外食するか、勤務駅は貨物列車だけ通過する、回送列車すら停車するような大きな駅だったから、
駅ナカの飲食店で済ませる生活してた。
休暇中も新世界にある定食屋の夜営業の時に行く感じで、新世界のアーケード商店街にあの女性がいたんだ。
最初は気にも止めなかったんだけど、脳裏にあのときの生首の目が蘇ってきて、無意識に視線を追ったら完全に同じ目がこっち見てたんだよ。
その目線は怒ってるとか笑ってるとかじゃなくて「無」、あのときの生首と同じ目をしてて、更に恐怖したわけよ。
で、あの辺りを知っている人はわかると思うんやが、変人が多いもんで、他人の空似がたまたま俺の方向見てただけと思って気にせず進もうとしたら、目線は俺を追ってくるわけよ。
本能?
なのかわからないけど、無意識にこれはやべぇって思って、立ち止まった。
後ずさりしたり、前に進んでみたり、周りから見たら何してんねんこいつって行動を数回繰り返しても、目線はずっと俺を追っていて、目で追いきれない場合は顔や身体もこっちに向いてくる。
見たら分かる。
これ生きてる人でも本格的にあかんやつやん。
ってなって、俺は家に引き返そうとしたんだけど、もしかしたら付いてくるかもしれないと思ってわざと家を通り過ぎたんだ。
その時、嫌な予感がして、後ろを振り向いたら、案の定付いてきていて、俺の住んでいたアパートの前に立ち止まってそれ以上動こうとしていなかったんだ。
で、その時は俺を見ているわけじゃなくて、住んでたアパートをじっと見てるのよ。
あれ、これもしかして私の家知ってるんじゃね?
と思ったけど、それならなおさら帰るのが怖くなったんで、実家に帰ることにしたんだ。
でも、実家に帰るのも怖いだろ?
このまま付いてきて実家まで特定されるのは嫌だったもんで、社員証で電車乗り放題の俺は色々な路線を乗り継いで巻こうと考えたんだ。
そこで、女性が見えなくなったら実家に向かおうと考えた。
でも、それは案外心配しなくてよかったみたいで、天王寺駅まで歩いたんだけど、一本道だったから坂に差し掛かるまでアパートの前に居る女性を見てて、動く気配がなかったんだ。
わざと京都の辺鄙な住宅街に降りてみたり、神戸に行ってみたりと、何個か適当な駅に降りてみたけど女性は周りにいなかった。
だから、安心して実家に帰ることにして、その日は母の作る料理の味と共に眠ることにした。
その日、3日くらいぶりにあの時の生首がなんども飛んで行く夢を見た。
今でも夢なのにはっきり覚えているんだが、何回飛んで行って、何回運転室で指差し確認をしたのかわからなくなってきた辺りに、急に回りが暗くなって知らない女性の声で
「なんで私を見たの?」って聞こえて飛び起きた。
勿論、起き上がったのは実家で、俺が幼少期から使っていた自分の部屋の光景しか見えていない。
でも、ちょっと違うなと思っていたのは今まで交際していた女性から貰ったプレゼントを捨てずに保管している箱があるんだが、その蓋はいつも閉まっていて、開けるものでもないからずっとそのままなんだけど、学習机の上にあるその箱の蓋が開いてて、蓋は学習机に放置されてた。
これは母親も父親も息子の歴代の彼女から貰ったプレゼントを仕舞っている箱とかいう痛いアイテムに手を付けるようなことをしないから、ちょっと不思議に思っていた。
中身を確認してみても、なにか無くなっているとかいうものでもないし、特に気にせず、眠気がまた来たので耐えきれずに寝てしまった。
その後は夢を見ずに、朝を迎えることができ、それから2日後の出勤日まで実家で過ごしていたので、特に問題なく生活できた。
ただ、出勤するときは必要なものを自宅に取りに行かないといけないので、新今宮の自宅に帰宅することになる。
夜は怖かったので、出勤当日の朝、始発に乗って新今宮で降りて、自宅から荷物だけ持って帰ろうと思って、そのまま荷物をまとめて出勤することにした。
もしまだいたらどうしようとか、家のなかで待っていて呪い殺されたらどうしようとかビビリ散らかしてたんだが、特になにもなく、安心して出勤したんだけど、駅事務室に到着した途端、上司である駅助役という役職の人に手招きされた。
「俺君、大変やったね。なんや、女性の顔と目が合ったんやって?」
「そうなんすよ。マジで怖かったすわ。」
「お祓い行った?」
「え?」
「A駅管区(人身事故があった駅を管理している管理区域の代表駅)の駅長にその話しした時、お祓い行けとか言われてへんの?」
「言われてないっすね。」
「あー。何もないとええね。」
とか言われてしまった。
いや、怖すぎやろって思ってたんだけど、何もないとええね。
って言葉に関して心のなかで「もう既にありましたけどね。」とか突っ込ん出たんだけど、変な目で見られるのもいやだったもんで「いやぁ、マジで勘弁してくださいよ。」とか言ってそそくさと改札業務に入ったんだ。
改札に行っても、同僚とか先輩とか、契約社員の方とか色んな人から人身事故を目の当たりにした話で持ち切りになる。
質問の種類としては、
・女性と目が合うたってマジ?
・顔可愛かった?
・特別休暇なにしてた?
という、不謹慎なものから真面目な感じのやつまであった。
で、一人の先輩(契約社員、以後Aとする)が
「で、あそこにおる女の人だれなん?」って質問してきた。
関西人特有の冗談かと思って「ふざけないでくださいよ笑」って笑い混じりに言ったんだけど。
彼は「いやいや真面目に誰?出札(みどりの窓口)からお前の事ずっと見てるで?」と真面目な顔をする。
「え?ホンマに言うてます?」
「ほんま。」
その時。タイムテーブル上Aと俺だけでその改札を担当していたから、他の駅員がいなくて、他の人に聞くことができなかった為、俺が恐る恐る後ろを向くことにしたんだ。
振り返ってみたら誰もいなくて、マジでAの冗談かと思って「マジでふざけないでくださいよ!」って怒り気味に言ったら
A「ハ?ふざけてへんけど。お前見えてへんねんやったら憑かれとんで。」
とマジギレで言ってきた。
その声のトーンにふざけてる感じはしなかった俺は、ビビりながら「さっき助役にもお祓いでしてこいと言われたんですけど、どういうことですか?」と聞いた。
するとAは「ジンクスや。」と言ってきた。
このジンクスってのは本当にあるのか知らないけど、Aは当時40代前半で、JRに入社する前は高卒で阪○に新卒で入社して、頭の血管切れて倒れてから療養の後南○電鉄に契約社員で入社、なんか違うとかいう理由で関東の小田○に契約社員で入社して、やっぱ関西やなってことでJR西の契約社員をやってるという人生の半分を駅員に捧げてるとかいう人だった。
そんな鉄道業界しか知らないAが言うには、飛び込み自○する人と目が合ったら9割の確率で取り憑かれる。
というジンクスが有るらしい。
実際、気になって添乗した時案内してくれた運輸助役に電話をして確認したところ、そのときの運転士も運輸助役も、目は合ってないけどお祓いはした。
と言う。
数日前のこともあり、真面目に怖くなった俺は、Aにどうしたら良いか聞いた。
するとAは「見に覚えがあるんやな?」と言ってくる。
俺が頷いたら「それは目線を合わせてくるか?」と聞いてきた。
ところどころお客さんの対応をしながら、Aの質問に回答していくと、Aは「完全にやられてるなぁ。」とだけつぶやいた。
そうこうしている間に俺の休憩時間が来たので、後任と交代して、Aは別業務へ、俺は休憩室へ行くことにする。
外で食べる気にもなれなかったので、色々駅ナカで買い物をして休憩室で食事をしようと思い、休憩室へ行くと、朝話をしていた助役が同じ時間に休憩だったみたいで(助役も人によってシフトパターンが違う)顔を合わせたんだ。
すると彼は「お前今日は帰るか?」と言ってきた。
正直精神的にやられていたのは認めるけど、帰るほどのものじゃなかったから
「え?なんでですか?」と返した。
助役「首めっちゃ赤いで。」
そう言われて初めて休憩室にある洗面台の鏡の前に立ったら、マジで首が赤く、痛みはないものの痛々しく腫れていた。
これは病院行った方がいいということになって、俺は買ってきた食事を一気にかき込んで終わらせると、そのまま助役の許可を貰って近くの病院に行くことにした。
病院では、ウイルス性の炎症だと思う。と言われたものの、遠回しに原因不明みたいな感じだった。
痛みがないのであれば、今は炎症を抑える薬を出すから、仕事できるならしていいよと言われて、正直家で一人ぼっちなのも嫌だったので、俺はそのまま駅業務に戻ることにしたんだ。
首の腫れが気になる以外、その日はなんにもなく、仮眠の時間になったので、駅に備え付けられている風呂に入って、割り当てられた仮眠室へ向かって眠りにつく。
知っている人もいるかもしれないが、仮眠室のベッドには時間になると膨らんで起こしてくれる装置があって、その起動時間を確認する作業とすると、色々と疲れていたからかすぐに寝てしまった。
その時、また例の添乗中の電車から始まる夢を見る。
夢の中では、ずっと女性の目線だけが映ってる感じだった。
過去二回の夢では、首吹っ飛びエンドレスなのに、今回は飛んだあとの目と見つめ合ってる映像だけ。
どれくらい見つめてたかわからないくらいになったとき、それが現実ではありえないくらいの声量で俺に言うのよ。
「なんで話をしたんだ!私達だけなのに!」
そこで、俺の体が浮いた。
もうどうしようもないくらい怖い感覚で、夢とはわかっていたけど、ビビリ過ぎてどうすればいいのかわからなかった。
彼女は壊れたように、なんで話をしたのかとか私達だけ!邪魔するのは排除!と繰り返している。
その間も俺の体は浮いてる。
ふと、iPhoneのアラームもかけていたので、その音で目が覚めた。
体が浮いていた感覚は起床装置のせいだと分かったんだけど、あの夢のせいで汗だくになったまま、朝の勤務を始めることになる。
朝7時に朝食のための休憩が始まるから、いつも朝からやってる駅ナカのうどん屋さんへ行くことにした。
うどんを食べていると、Aも隣に座ってきた。
その日はAと一緒に朝の休憩が被る日なので、隣に来ること自体は不思議ではなかったが、Aが俺に話かけてくるのは珍しかった。
「お前、添乗すること友達に言うたやろ?」
「え?あぁ、まぁ。仕事の話をしたときに、今度社内レクリエーションでそういうのがあるという話を数人にしました。」
「その中に女性の人は?」
「いや、最近女の子と話をしてないので、ないと思います。」
「じゃあ、イケメンはおるか?」
「あ、いますね。1人。」
「そいつストーカー被害にあってへんか?」
「え?Aさん預言者なんですか?」
俺は添乗員体験してくることを地元の友人数人に話をしていたことがある。
その中にBという超絶イケメンがいるんだが、やつは2年くらい面識のない女性からストーキング行為をされていて、困っていると言う話をしていた。
なんなら、その添乗員の話をしていたのが居酒屋なんだが、その居酒屋でもストーカー行為がまだ治まっていない、寧ろ酷くなっている時があると話をしていた。
そこで、Aは衝撃的なことを口にする。
「俺の実家和泉の方にあるお寺なんよな。だから昔からそう言うのはよく聞く話で、お前に憑いている投身自○した女性がお前にぶつぶつ言ってるのを聞いてもうてん。」
Aがお寺出身とか女性の話を聞いたとか言うもんで、当時俺はちょっとビビってしまって、「なんて言っていたんですか?」と思わず返したしまったわけだ。
すると、Aは「そのイケメン、Bって名前か?」とか聞いてくるわけ。
背筋がキンキンになりながら静かに頷くと「やっぱりな。」とか言うわけよ。
「だって、『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』『Bくんは私のもの誰にも渡さない。』」
「やめてください怖いです。」
「いや、マジで今もお前の後ろで言ってるから。」
「俺には見えてないし聞こえてないんですけど、新世界で見えたのはなんでなんすか?」
「それはしらん。今日の非番そのまま実家くるか?親父に見てもらった方がええとおもう。」
という感じの会話をした。
てっきり怖くなったんで、うどん食べて休憩室へ行き、すぐにBへ電話した。
「もしもし?朝からなに?」
「いや、お前最近どうなん?」
「せやせや!お前に言おうと思っててんけど、ここ最近毎日ひどかったストーカーおらんくなってん。」
神様は残酷やなぁって思った。
Aの話が本当なのであれば、Bのストーカー女が俺の添乗していた電車に飛び降り自○したってことになる。
これはあくまで俺の憶測の域を出ないんだが、ストーカー女が俺の添乗していた電車に飛び込んできたのはこういう理由だと思う。
1:Bと俺が仲良くしすぎて嫉妬している。
2:あの日、添乗することを言ってた居酒屋にストーカー女はいた。
3:その時Bに「どの列車に乗るの?行けたら先頭車両でお前の勇姿を見るわ笑」と言われたのでトワイライトエクスプレスは運転席見れないから、新快速の京都駅発車時刻を伝えた。
結局Bは予定会わなくて乗れなかった。
4:そこで、俺がその列車に添乗することをストーカー女は知ることになる。
5:Bに振り向いてもらえない辛さから、ストーカー女は自殺願望があり、俺にトラウマを植え付けさせようと居酒屋で決意、ガッツリ俺だけを見ながら飛び降り。
6:生首が見ていたと思ったのはガッツリ俺を見たストーカー女の顔が印象的だったから、生首がこっち向いていると思っただけで、本当は生首になってから俺をみたんじゃなかった。
という結論になったんだ。
こうなってしまってはお祓いしてもらって、安らかに成仏してもらいたい。
そう思って、休憩終わり、中央改札で一緒になったAにお願いをしたんだ。
すると、急にAは「お前の実家にある気色悪い趣味してる箱もってこい。」って言ってきた。
明らかに歴代の彼女からのプレゼントの事言ってると思ったから「あれ、そんな話したことないですよね?」と聞く。
すると、Aは「多分やけど、このストーカー女お前にBを取られると思ってたんとちゃうか。だから呪い56そうと思って出てきたんやろ。」と言ってきた。
「新世界の話ですか?」
Aそう。さっきはわからんって言うたけど、このストーカーが持ってるスマホケースの裏側にきっしょい文字で『俺君大好き』って書いてるから、その横に報告書で見たことのある字で『H○年、○月○日破局、箱行き』って書いてるから。コレクションとかしてんねやろ。お前の家か実家にあるんやろうけど、新世界でこのストーカーにあった時は実家に逃げた言うてたから実家かなって思ったんや。」
「名推理ですね。」
「その箱の中身をもってるということは、歴代の彼女も危ない可能性あるし、箱ごともってこい。特に、このスマホケースは祓っとかんといけん。」
「わかりました。」
という感じの話をしたの覚えてる。
で、8時30分に交代が来て、終礼をして、Aと二人で更衣室に向かってる時に言われたのが
「お前のきっしょい趣味のおかげで生き残れてよかったな。」
「え?。なんでなんすか。」
「お前がBとくっつくということを想像してる様子やぞ。お前が男じゃなくて女に気があるということの証明になって躊躇ってる感じやろな。」
その時、血の気が引いた。
つまり、あの時俺が実家に帰らず自宅で寝ていたら今度こそ柵に腰を振って飛び降りてた可能性もあり、歴代の彼女のプレゼントを置いていなければ、ホモ認定で実家で呪い56されてたってことだ。
和泉市へ行く前に実家に寄って例の箱を持っていき、A実家へ行く。
当時車の免許を持ってなかった俺は、Aにレンタカー代だけ払って、実家近くから車で行くことにした。
というのも、電車行くのも何度か乗り換えしなければならない上に、A実家最寄りのバス停から20分歩くという立地だからだ。
寺に入るとAとA父が何やら話をしていた。
A父「お前変なもん連れてくんなや。」
A「可愛い後輩が困ってるから、なんとかしたってや。」
というような会話をしていた記憶がある。
そこから、60超えたくらいの住職であるA父に案内されるがまま、お祓いがスタート。
非番はいつもこの時間に昼寝するから、疲れ切っていた俺はウトウトとしてしまう。
A父に怒られると思いつつも、お経が子守唄になって睡魔に勝てなくなってきた。
そこで、例の夢を見始める。しかし、いつもと違うのは生首じゃなくて、その女が運転席で俺と対峙しているところだった。
女「私達だけなのに。なんで言ったんだ。」
俺「なんのことですか?」
女「私達の関係、壊す、許さない。」
俺「Bと君のこと?」
女「お前と私。関係、壊すの許さない。」
俺「え?」
女「好きだったのに、B、好きだったのに。なんで言った。なんで言った、」
ということを聞かされた辺りでA父に肩を叩かれて目が覚める。
A父「はい、お疲れさん。悪霊って感じでもないし、簡単に祓えたわ。」
とのこと。
ストーカー女はもう俺には付き纏うことは無いだろうということで、安心した上に、案外あっさりだったので気が抜けてしまう。
和泉市から車で帰る時、Aは俺に「良かったな。」と言ってきた。
俺も「はい。今日から安心して寝れます。」と言って話をしていた。
俺の悪い癖で、人の運転士ている車だとついつい寝てしまうもんで、行きしなはちょっと気を張っていたからそんな事なかったんだが、帰りは安心からか寝てしまったんだ。
そこで絶望したのはまたあの夢。
しかも最初に見たような生首エンドレスリピート。
リピートから急に回りが暗くなったと思って、しばらく。
「俺さん、俺さん。」という声と共に、身体がなにかに乗せられて運ばれてるのに気づく。
帰りの車が事故ったそうだ。
起きたときは救急車の担架に乗せられている時で、救急隊員が俺の荷物から保険証を見つけて名前を呼んだらしい。
病室で落ち着いてから警察から聞いた話だが、Aは即死、首が吹っ飛んだそうだ。
でも、俺は右足骨折だけで済み、なぜか首の腫れも無くなっていた。
事故になるときの状況で聞きたいことがあるんだが、辛いかも知れないけどドラレコの様子を見てくれないか?と警察に言われて、ドラレコを見ることになる。
グロ表現が怖い人は飛ばしてくれ。
そこには、国道を走っている風景が映っていて、なんの変哲もなく車は走行してた。
大きな道で、連続してバイパスやアンダーパスがあって信号が殆どないところを走っている時、Aが急に叫びだした。
A「おい!なんでおんねん!なぁ!お前まだ、いた、いたたた!やめ……やめろ!おい!俺!俺君!おい!おきろ!起きてくれ!俺、俺君!おきろぉ!」
と、俺を起こそうと叫んでいると、急にカメラが真っ赤になったんだ。
真っ赤になったと思ったらタイヤが擦れる音と共に、車はどこかに激突して、大きなクラクションの音だけが鳴り響いていた。
警察「他に誰か乗ってたの?」
俺「いえ、乗ってません。」
警察「大体、こういう事故って身体が圧迫されて死ぬんだけど、Aさんの場合きれいに首が切れてるのよ。車は前方がぺしゃんこで君の足を骨折させる程度にはなってるけど、首切れる様な状況じゃないのね。」
俺「え、俺を疑ってるんですか?」
警察「いや、君を起こそうとしてるから、君がやってたらAさんの言葉がおかしいでしょ。」
という感じの話をしていた気がする。
俺はA父がポンコツなんか?とか思ってたが、警察が去ってから見舞いに来た人の顔を見て驚愕する。
その人はCという小学生の時に引っ越しをした幼馴染の女の子で、このお見舞いが15年ぶりとかそんなレベルだった。
俺「え、え?!」
彼女を顔を見た瞬間、Cってことは分かったんだが、なんで15年も経って今更やってきたのかという以前に、Cの成長したときの顔を見てビビリ散らかした。
あの列車投身自○した女性と瓜二つなんだ。
C「私のこと忘れてたでしょ?」
俺「いや、そんなことないよ。見た瞬間お前って分かったで。」
C「ほんまに?!嬉しいわぁ。覚えてへんかったらショックでしばくところやった。」
俺「めっちゃ久々やん。なんで俺が入院してるってわかったん?」
C「Bくんから聞いてん!最近うちのお姉ちゃんが自○したから、Bくんうちに優しくしてくれてて。」
俺「え?」
C「俺くんは、今まで私達のこと忘れてたみたいですけど、Bくんはずっと連絡とってくれてたよ?」
俺「いや、まてまて。お前の姉ちゃん自○っていつよ。」
C「そんなん、俺くんが添乗員してた時やんか。」
俺「なんでお前それを知ってるんや。」
C「だって、お姉ちゃんから聞いたもん。俺くんが添乗員している電車になら本望だって。」
俺「ハァ?」
という感じの話をされた。
話がややこし過ぎて見えてこなかったんだが、彼女の話をまとめると俺の憶測は間違っていたようだ。
まず、俺が最初に推測していたのは、こうだ。
1:Bと俺が仲良くしすぎて嫉妬している。
2:あの日、添乗することを言ってた居酒屋にストーカー女はいた。
3:その時Bに「どの列車に乗るの?行けたら先頭車両でお前の勇姿を見るわ笑」と言われたのでトワイライトエクスプレスは運転席見れないから、新快速の京都駅発車時刻を伝えた。
結局Bは予定会わなくて乗れなかった。
4:そこで、俺がその列車に添乗することをストーカー女は知ることになる。
5:Bに振り向いてもらえない辛さから、ストーカー女は自殺願望があり、俺にトラウマを植え付けさせようと居酒屋で決意、ガッツリ俺だけを見ながら飛び降り。
6:生首が見ていたと思ったのはガッツリ俺を見たストーカー女の顔が印象的だったから、生首がこっち向いていると思っただけで、本当は生首になってから俺をみたんじゃなかった。
だが実際にはこうだったらしい。
1:CとC姉(ストーカー女)は俺が昔から好きだったようだ。
2:だが、C家が引っ越しをする事になったのは俺があることを親にちくったせい。
3:俺とBが仲良かったから、Bに状況を探っていた。
4:Bが俺のプライベートな部分は流石に教えられないと、Cを拒絶するようになってきた。
5:その辺りからC姉が登場、C姉はCからBを経由した俺の情報を貰えないと思い逆上、それもこれもBのせいだ!というバグが発生してBに嫌がらせする。
この嫌がらせをストーカー行為とBが認識
6:居酒屋までBをストーカーしてたら俺がいた。
7:添乗員の話を聞く→俺が添乗する列車で死ねるなら本望
8:(これは憶測だが)俺君見て!私が死ぬところ!という思考回路で俺ガン見。
この話を聞かされた時、正直漏らすかと思った。
最後の夢に出てきた、C姉の「好きだったのに、B、好きだったのに。なんで言った。なんで言った、」という言葉。
Cの話からして、この言葉は理解できた。
俺が親にちくったというある事というのはBにも密接に関わっていて、おそらくその話だし、なんで言った。という言葉はちくった話のことだろう。
次に、Cは衝撃的なことを言い出した。
「けど、これで私が俺君と会えることはないなぁ。」
「え?」
「まぁ、捕まることは無いかもしれんけど、俺くんと警察の無能さを信じて言うわ。」
「なに?」
「あの車の後ろに私乗ってました!後部座席が無傷で良かったぁ。」
「ハ?、え?」
という感じのことを言ってきた。
「まぁ、打ち身はすごいし体中バキバキやけど、お姉ちゃん成仏させるのが悪いんよね。」
何をいってるんだこいつは?って思ってたが、怖くて声が出なかった。
「だって、お姉ちゃん、今まで振り向いてくれなかったから成仏する前に絶対俺君を連れて行くって言うてたもん。でも、一週間経っても俺君生きてるし、私としてはそれでも良かったんだけど、なんでかなぁって思ってたらこれだったんだね!」
そう言って、彼女は歴代の彼女のプレゼントボックスを病室の机の上に置いた。
「これ見てショックやったんだろうなぁ。ただ呪い56すだけじゃ気がすまなくて、どうしようか考えてたらお祓いされたんだろうなぁ。それもこれもあのおっさん(おそらくAのこと)のせいやん?」
「あ、私いつでも見てるから。」
そう言って、彼女は歴代の彼女のプレゼントボックスを持って帰って、高笑いしながら去っていった。
それが怖くて、駅員なんて公共の場所で働く仕事してたらいつか56されてしまう。
Aさんを56したとCは直接的に言っていなかったが、文脈からしてそうとしか考えられないし、事故現場から俺の所持物として渡された中になかったプレゼントボックスを彼女が持っていたことから、車の中に潜んでいたことは間違いなさそうだ。
どうやって潜んでいたか、どうやってAさんに手をかけたのか、そもそも本当にAさんに手を出しのかわからないが、Cが怖くて駅員を退職、本人は悪気ないだろうけど、Bとの関係はちょっとだけ距離を置くために、関東へ引っ越しをした。
BにはCへ俺のことを言うなと言う話をした上で、俺が東北へ引っ越しをするということを伝えた。
それから約10年が経とうとしていた今。
Bが死んだってことを3日前に共通の友人から連絡をもらい、思い出したんでオカルト板にのこのスレにかき込んだって経緯。
今、そのBの葬式やらなんやらを仕事しながらやってる感じでドタドタしてて書き込みが遅くなってしまった。
ここまで付き合ってくれた人ありがとう。
拙い文章なのと、無理やり思い出した部分もあるんで、ご愛嬌なところはあるかもしれない。
ちなみに、東北に逝くというのはBに言っただけで実際は関東。
Bの死因は正直俺も聞かれてないんだ。
Cが葬式に来ないことも分かっていたし。
後日談あるけど、オカルトな話じゃないからやめとく……