短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

小さいおじさん【ゆっくり朗読】1038

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誰に言っても信じてもらえない話

938 :本当にあった怖い名無し:2006/08/11(金) 16:12:50 ID:w6u7zBiw0

誰にもいってないけど。

小学三年のとき、よく遊んでた友人まっちゃんの部屋に、「小さいおじさんが出る」とのことだった。
誘われて見に行ったが、私が行くとでてこない。
でも何日か通った時、やっと会うことができた。
友人は小さいおじさんを「マクラさん」と呼び(由来不明)、私たちはよく三人で遊んだ。

ある日、私も自分の部屋に妖精が欲しくなり、マクラさんをスカウトしたが、
「○のうちにもいるはず。どこのうちにもいる。ただ、人間と話せる奴が少ないだけ。
長距離(といっても徒歩15分程度)移動は余り好ましくない」
と言われて断られた。
私もそんなもんかと諦めた。

ある日、まっちゃんのお誕生会をすることになった。
まっちゃんのお母さんは「クラスメイトを沢山呼ぼう」と言ったが、
マクラさんに来て欲しかった私たちは「二人でいい」と言って、
まっちゃんの部屋でマクラさんを招待して、三人でパーティーをした。記念撮影もした。

後日、まっちゃんが母親に写真が現像できたのかたずねたが、
「変なものが写っているのでみせられない。家は商売(米屋)をしているし、へんな噂がたつと大変困る」と断られた。

私たちが、
「それはマクラさんという、気心しれた友人だ。いつも仲良くしてるのだ。驚かないから見せて欲しい」
などいったが、「変なこといわないで」と取り合ってもらえなかった。

後日、またまっちゃん家で遊んでいると、まっちゃんが写真袋を見つけた。

私たちがワクワクしながら写真を見ると、マクラさんのいた場所に写っていたのは、
頭が二つあるでかいゴキブリだった。
私たちはパニックになりギャーギャー暴れまわり、裏庭でメンコしていたまっちゃんの弟に怒られた。

ちなみに、写真を見たまっちゃん母がまっちゃんの部屋でバルサンを炊きまくってから、マクラさんは行方不明らしい。
というか、呼び出すこと自体しなくなったそうだ。

わたしとまっちゃんもその後、マクラさんの事ばかりつづっていた交換日記を学校の焼却炉にいれ、
そのあとほどなく疎遠になった。

ゴキブリに恋愛相談したのは、私とまっちゃんぐらいだろうな。
他の人も見てる小さいおじさんの正体は、ゴキブリだとおもう。

940 :本当にあった怖い名無し:2006/08/11(金) 16:24:04 ID:9ESQnRTNO
>>939おっさんの顔と服装など kwsk

941 :本当にあった怖い名無し:2006/08/11(金) 16:30:06 ID:w6u7zBiw0
>>940
おっさんは逸見マサタカ?さんみたいなかんじでした。
服は自在にかえられるって。
私たちはよくリカちゃん人形で遊んでいたので、
「マモル?カケル?クンの服装になってー」とか頼んでいました。
最初に見たときは、まっちゃん父と同じような服装でした。

(了)

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