短編 後味の悪い話

神社に灯油まいて放火【ゆっくり朗読】4700

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地元の神社はさびれてはいたが、まだ地元商工会支援のもと、村祭りがとり行われたりしていた。

2012/07/27(金) 11:35:48.66 ID:j8LRtRZa0

ただ過疎化を食い止める事は難しく、年を追うごとに祭りも貧相な物になっていったんだ。

神主もいない村の鎮守の神様だし、いっそつぶして公民館にでもするかという意見も出たが、そうした商工会の若手からの意見は、村の古老が反対して結局通らなかった。

町議会議員の息子、地元一の秀才で、東京の私大の歯学部を出て地元に戻って来て、歯医者を開業していた奴が、同じ中学の2コ下の後輩だったんだが、こいつが神社のそばに住んでいた。

公民館になればテニスコートを使いたい放題だって考えた(公民館に併設されるテニスコート)

で、別の宗教を信じてるもんだから、罰が当たるなんて考えもしないんで、誰のためにもならないボロ社なんかなくなった方が町のためだ、ぐらいに考えたのか、不審火起こして燃やしちゃえって思っちゃったんじゃないのかな。

同級生で、中学時代は一緒に悪さしてた地元土建屋の息子と組んで、灯油をまいて火つけたらしいんだよ。

らしいっていうのは目撃者が誰もいないから。

ただ、駆けつけた消防団の奴が言うには、消火活動する間もなく一瞬で燃えてすぐに灰になってたらしい。灯油臭かったって。

無知って怖いよな。土建屋の息子がその直後に飲酒運転、自損事故で死亡。

自慢のSUVがガードレールに突っ込んでた。

シートベルトなんてしない奴だったためか、フロントガラスを突き破って車外の崖下に投げ出されてた。

あー、これ祟りだよな。じゃあやっぱりこいつが火をつけたんだ、ってみんな思ったんだ。ホント直後だったしね……

でも歯医者本人の方はほら、鳥居とかくぐれない奴だったんで、神罰なんて考えもせずに暮らしてたんだよ。

で、確か奥さんが三人目を妊娠した頃だったか、同じようにSUVに乗ってガードレールを突き破って落ちて、崖下で死んでるのが発見された。

やっぱそうだよなってみんな思ってた。

だってそのSUVはもともと死んだ息子の物なんだよ。

事故車を形見わけしてもらって「外車は丈夫だから修理すれば乗れる!」って、そりゃむちゃだよお前。

商工会で金出しあって、お社再建したった。

古老に言わせると、祟ることはあっても恵みはくれない神様らしい。

(了)

2000年6月17日、山口県下関市内の安倍晋三衆議院議員(正確には選挙期間中で衆議院議員候補者)の自宅に火炎びんが投げ込まれるという放火未遂事件が発生した。さらに、6月28日に下関市内の安倍議員の後援会事務所、8月14日に自宅と後援会事務所に火炎びんが投げ込まれ、放火未遂事件は続いた。一連の放火未遂事件の真相から見えてきたものとは――。

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