俺が通ってた高校は、某宗教を崇拝する宗教学校だった。
そんで、なんやかんやあって、自分が高一の時に悪さして停学になった。
普通なら自宅謹慎なんだけど、その学校は所属教会の詰所?っていうのに停学期間中、住み込みで働かされる。
んで、停学なんだから罰として、その詰所内の部屋全部掃除。
信者が宗教の集まりとかで泊まりに来るから、結構大きい。
五階まであって、だいたい一フロアに部屋が二十。
その中でも各階一部屋は大広間になっている。
それで、一階から四階まで一部屋ずつ掃除していって、さあ、いざ五階へ!って、B`z歌いながら意気揚々とエレベーターに乗った。
でも、五階に着いてみると真っ暗。
まあ、その時は信者もいなくて使ってなかったから、電気が消えていて普通なんだけど、それまでの階に比べて異様に暗い。
時刻も真昼間。
けど、俺は無信心、目に見えないものは信じないわよお馬鹿さんタイプだったから、気にせずにギリギリチョップ熱唱していた。
それで、そそくさと部屋を掃除して、最後の大広間へ。
襖開けて、電気点けて、掃除機のコンセント挿しに行こうとしたら、子供の泣き声が聞こえた。
ちょっとちびった。
でも、よく見て近づいてみたら、詰所に住み込みで働いている夫婦の、次男坊だった。
端っこに積まれている布団の上にうずくまって泣いていた。
かなり上のほうまで積まれていて、登ったはいいけど降りられなくなったっぽいと判断。
まだ三歳で体もちっさかったから、難なくおろして掃除を再開。
けど、数分経ったらまた泣き声が聞こえる。
掃除機の電源を切って見てみると、また次男坊が山積み布団の上でうずくまって泣いている。
おかしいなと思いつつも、もう一回おろしてあげて掃除を再開。
でも、また数分後に泣き声。
予想がついていると思うけど、山積み布団の上で、次男坊すすり泣き。
その時は「ガキうぜえwww」って思いながらまたおろす。
結局、この繰り返しが八回続いた時点でさきに次男坊を一階におろして続きをしようと思い、次男坊を抱っこしてエレベーターに乗った。
そこで
「しん(次男坊の名前)何で、あんなことしてたん?」
て聞いた。
そしたら、
「兄やの後ろにいたおじちゃんがな、しんをな、上にのっけてん」
って言った。
当然、あの大広間には、俺と次男坊以外に人はいなかった。
それで、最初は俺に怒られると思って、嘘ついているんじゃないかと思った。
けど、よく考えれば俺の身長(百六十三cm)よりもっと高く積まれた布団に、その半分もない身長の次男坊が登れるはずないと考えると、納得したのと同時に、初めて幽霊に対する恐怖を覚えた。
その後は、最初よりも大きな声でウルトラソウル歌いながら五階に行って、真っ暗な中ダッシュで大広間に行って、大広間の電気全部点けて、掃除機取ってダッシュで一階に戻った。
ただ、今書いていて気付いたんだけど、電気は点けてたはずなのにね。
この経験+この停学が終わるまで+三回の停学に起こった経験のせいで、幽霊を信じるようにはなったwwww
後、子供は本当に見えるのな。
(了)