短編 家系にまつわる怖い話

霊能家系の憂鬱【ゆっくり朗読】

更新日:

Sponsord Link

私の母は昔から不思議な体験をすることが多かったようです。

2003/11/05 18:27

その中でも初めての体験を書き込ませていただきます。

母の初めての霊的体験は中学二年生の夏休み。

母は一階の洋間のソファーの上で部活で疲れて眠っていたそうです。

漁師をしていた祖父は昼間から夕方まで自分の部屋で仲間と飲んでいるし、祖母はお華の先生だったので部屋には一人きり。

夕方、目が覚めてもまだウトウトしていた母の耳にガラガラッと勢いよく玄関を開ける音が聞こえました。

当時の田舎は近所の子供が入ってきても文句を言ったりはしなかったので、母はお姉ちゃんの友達か誰かだろう、と狸寝入りを決め込みました。

ところが玄関を開けた人は「おーい」とか声をかけるでもなく黙っている。

少し不安になった母は様子を見ようかな……

と、体をごそごそ動かしまして、一度ソファーに座る体勢になりました。

その時です。

突然ドカドカという廊下を走る音がしたかと思うと、洋間のドアが思いっきり開け放たれました。

驚いた母は「誰?」と聞こうと思ったのですが、間髪いれずに

「あはぁ、はは、ははははぁ、ははははははは、ははははははははははは!」

という子供の狂ったような笑い声が聞こえ、体が動かなくなりました。

その子供は物凄い勢いで母のところまで走って来て、ソファーに座っている母の肩を掴んでガクガクと前後に揺さぶったそうです。

顔と顔がぶつかるくらいの至近距離に子供の顔がきて、女の子だとわかったそうです。

その顔はとても言い表せない顔で、目はあり得ないほどに血走り剥いていて、歯を剥きだしにしてゲラゲラと笑う様は頭がおかしくなるほど恐ろしかったと言っていました。

凄まじい恐怖に母は失神、次に気がついたときにはすでにその女の子の姿はなかったそうです。

あまりの恐怖に、しばらく母は不眠症のようになってしまい、この出来事がきっかけで不思議な体験をするようになったようです。

今現在、私の家族はこの母の実家に住んでいますが、不思議なことに私も弟も『子供の女の子』もしくは『子供』に関する不思議な体験をしています。

母はこの他にも不思議な体験をしています。

祖母が近所で有名な『無くし物を見つける人』だったようで、母方の親戚には不思議な体験をする人や能力を持つ人が多いみたいです。

なので、父はこういった体験をしていません。

(了)

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, 家系にまつわる怖い話

Copyright© 怖いお話.net【厳選まとめ】 , 2024 All Rights Reserved.