147 ：本当にあった怖い名無し：2006/07/25(火) 16:01:23 ID
大学時代の友人、田中の部屋は夜11時になると、
押入れや風呂場、トイレから誰もいないはずの気配と水音が聞こえてくる、
言い争う声らしきものが響くといった怪奇現象が頻発していた。
田中は、
「男女二人の幽霊が一緒に住んでるんだ。
まぁ、その分家賃が安いから三人でシェアしてるみたいなもんだな」
なんて豪胆に笑い飛ばしていたが、次第に状況は悪化していった。
そこで、田中はコンパで知り合った自称霊感少女の佐藤に相談し、
その部屋の様子を見てもらうことになった。
佐藤を呼んで、友人たちと共に田中の部屋に泊まり込むことにした。
夜も更け、皆が酒を飲んでいると、トイレの水を流す音がした後、
以前よりも激しいラップ音と喧嘩するような声が始まった。
その場にいた全員が恐怖に震え、どうしようかと相談していると、
それまで黙っていた佐藤がいきなりケタケタと笑い出したのだ。
全員がヤバイと感じ、笑い続ける佐藤を置いて一目散に玄関から逃げ出した。
アパートの目の前の駐車場で「やばい」と言い合っていると、
10分ほどして佐藤から携帯に電話がかかってきた。
『もう大丈夫だから部屋に戻っておいで』
ビクビクしながら戻ると、佐藤は普通にテレビを見ながらビールを飲んでいた。
安心しつつも何が起こったのか尋ねると、佐藤は淡々と話し始めた。
「確かに男女二人の霊がこの部屋にいたわ。
どうやら付き合っているらしいけど、最近は喧嘩ばかりしているみたい」
佐藤が笑った理由は、女の霊が男の霊に
「トイレでうんちした後、なんで流さないの？」と本気で怒っていたからだという。
結局、佐藤が喧嘩の仲裁に入り、女の霊に
「あんな男とは別れてどこかへ行け」と言ったら女が消え、それを追うように男も消えたらしい。
以降、その部屋で怪奇現象は一切起こらなくなったが、
田中は「女を見捨てて逃げ出した最低な男」として、しばらく佐藤に虐められ続けた。
あの夜の出来事は、今も友人たちの間で語り草になっている。
