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短編 不動産・物件の怖い話

■401号室の闇

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私はマンションの管理会社に勤めてます。

749 :1/6 401号:2006/08/21(月) 18:30:23 ID

この仕事を長く続けていると、様々な部屋にまつわる不思議な話に遭遇するものです。今日はその中でも特に印象深い、401号室の話をしましょう。

私たちの会社は、築年数が古い競売物件を数多く所有しています。その中でも、特に問題の多い物件の一つがKマンションです。築25年の単身者向けワンルームマンションで、私たちの手に渡ったのは3年前のことでした。前オーナーが夜逃げしたため、物件資料の不備が多く、入居者の情報もほとんどわからない状態でした。それでも奇跡的にほとんどの部屋が埋まっていましたが、唯一401号室だけが長期間空室のままでした。

401号室は角部屋で日当たりも良好なはずなのに、なぜこんなにも長い間空いているのか不思議に思い、早速点検に向かいました。2つの空室はリフォーム済みだったのに対し、401号室は前オーナーが放置したままでした。

部屋に入ると、典型的なワンルームで、玄関から入ってユニットバスとキッチン、扉を開けると部屋が広がります。部屋の奥にはベランダがあり、窓が右手にありました。部屋には小さな箪笥や3段ボックス、そして2台のテレビがあり、押入れには布団とごちゃごちゃした小物が詰まっていて、まるで物置のようでした。

物を漁っていると、突然、霊感がほぼない私が人の視線を感じました。夜逃げした部屋にいるときに感じる違和感とは異なり、妙に気持ち悪い感じがしました。その視線がどこから来るのかと見回すと、どうやら壁に掛けられた古い姿見の鏡から感じるようでした。

鏡は壁に張り付けられており、移動することができませんでした。嫌な予感がしつつも、鏡を見ないようにして作業を続けました。最後に部屋の写真を撮り、会社に戻りました。

数日後、リフォーム会社の業者から電話がかかってきました。

「Sさん、ちょっと言いにくいんですが、あの部屋、なんかありますよ」と言われ、内心やっぱりなと思いました。
「どないしたんですか?」と尋ねると、
「今、職人と一緒に401号室にいるんで、来てくれませんか」とのことでした。

現地に行ってみると、問題の姿見の裏側を見せられました。そこには数枚のお札が貼られており、半分すすけているようでした。予想していたとはいえ、かなりびびってしまいました。さらに、職人の一人が急に頭痛を訴えて帰ってしまったとのことでした。

業者は「色んな現場を見てきたけど、ここは気味が悪い。実はさっき姿見を動かした時、鏡に人影が見えた」と言いました。

これは洒落にならないと感じ、以前別の件で供養をお願いしたことがあるお坊さんを呼びました。業者と職人、そして私でお経を唱えてもらい、なんとか無事に終わりました。

リフォームが完了し、入居者募集を開始しました。家賃を少し低く設定したおかげで、1ヶ月もしないうちに入居者が見つかりました。入居者は50代前半の女性で、長期入院を経て居住保護を受けている方でした。入居日は福祉関係者と一緒に来て、物腰の柔らかい感じのいいおばあちゃんでした。

数日が過ぎ、401号室のことをすっかり忘れたある日

402号室の女性から電話がありました。隣の部屋のばあちゃんが夜中にわけのわからないことを叫びながら壁を叩くとのことでした。夜中に廊下に出てきて、

「天井から出てきて見てる!」

「ここの住人は淫乱で男をたくさん連れ込んでる」

「監視だけじゃなく強要もされている」

などと叫んでいるそうです。夜中にベランダから同じようなことを叫ぶため、数回警察も呼ばれていました。

昼間、401号室を訪ねてみると、おばあちゃんはまるで別人のように変わり果てていました。目だけが異常に鋭く、話をすると
「朝から晩まで天井から監視されて眠れない」と言います。

ふと天井を見ると、直径30センチほどの穴が開いていました。話し合いの結果、おばあちゃんも部屋にいたくないとのことで、福祉に相談して強制入院と入居解約の手続きをとりました。

退去後、天井の穴の修繕を依頼した業者から再び電話がありました。
「Sさん、また401号室のことなんですが、天井裏にお札がいっぱいありました」とのことでした。以前の出来事を思い出しつつ、天井とハウスクリーニングだけを依頼しました。

その後、次の入居者もすぐに見つかり、20代後半の男性が入居しました。

定職もあり、保証人は親で、写真を見た感じでは好青年でした。入居後一度挨拶をしたときも、礼儀正しい青年でした。しかし、入居後3ヶ月ほど経ったある日、Aさんの親から連絡がありました。

Aさんと連絡が取れなくなったので、一度部屋を見たいとのことでした。家賃も当月分の振り込みがなく、最悪の事態を予感しました。

両親と一緒に部屋に到着し、呼び鈴を鳴らしても反応なし。合鍵で部屋に入ろうとすると、チェーンが掛かっていました。同時に物凄い悪臭が漂ってきました。両親の手前、えずいてしまうほどの悪臭でした。玄関は真っ暗でゴミ袋らしきものが見えました。

「○○さーん、居てますかー!管理会社です!」と呼びかけても返事はなし。

両親も必死に呼びかけましたが、反応はありませんでした。かすかにテレビの音だけが聞こえてきました。両親に
「車にチェーンカッターがあるので持ってきます」と言い、車に向かいました。

チェーンがようやく切れ、両親に「私が先に室内を見ます」と伝え、部屋に入りました。最悪な光景が広がっていました。玄関はゴミだらけ、室内は真っ暗でテレビが点いていました。

「○○さん、居ませんか?」と恐る恐る呼びかけると、ベッドの毛布に包まれて体育座りしているAさんがいました。驚いて声を上げると、両親も部屋に入ってきました。

「○○!大丈夫か!しっかりしろ!」と問いかけるも、無気力にうなだれるばかりでした。髪と髭が伸び、数ヶ月前の青年とは明らかに違っていました。

とりあえず暗いので電気を点けようとスイッチを押してみましたが、電気は点かず。テレビは点いているのにおかしいなと天井を見ると、黒いゴミ袋で覆われていました。よく見ると窓やベランダも全て黒のゴミ袋で覆われ、目張りまでされていました。

異常な光景でした。救急車を呼び、天井のゴミ袋を外してみると、シーリングライトは外され、その横にポッカリ穴が開いていました…。ようやく救急車が到着し、両親は泣きながら一緒に病院に向かいました。

数日後、Aさんの母親が会社に来て、Aさんは田舎で療養することになり、解約の手続きを進めることになりました。Aさんのことが心配でしたが、容態やいきさつを聞くことはできませんでした。

Aさんが退去してから約2年が経ちますが、401号室は今も空き部屋のままです。入居者募集は一時的に中止しており、詳しく調べることも避けています。事実、4階の住人たちの間では「401に入ると祟られる」との噂が広まっているのです。

管理会社としては、警察や知り合い、保証人より先に部屋に突入し、事後処理を行わなければならないため、様々な辛い体験をすることが多いです。その一方で、ある意味貴重な体験をしているのかもしれません。

最後に、以前401号室をデジカメで撮影した際、まったく記憶のない天井付近の画像が含まれていたことを思い出しました…。まるで何かがそこに存在しているかのように。

この話を聞いて、不思議な現象や奇妙な出来事に興味を持つ人もいるでしょう。しかし、現実に直面するとその恐怖は想像を超えるものです。401号室は、その一つの例と言えるでしょう。恐怖体験は決して楽しむものではなく、実際に起こり得ることを心に留めておいてください。

401号室の謎は、今も解き明かされないままです。次の入居者が現れる日が来るのか、そしてその時に再び何かが起こるのか…。それは誰にもわからないのです。

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