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★迷宮の一画:そこに住むと迷子になる理由

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前にうちの家族が住んでいた一画

89 :怖いお話ネット:2024/06/11(火) 14:35 ID:56HJRT1M

いわゆる区画整理で新しくできた駅、裏側を越えたあたりの元住宅街から外れた場所。そこには60坪くらいの土地に家が4軒並んでいた。道は入り組んでいないのに、なぜか誰もが迷子になりやすい場所だった。

小3の頃から住み始めて、最初の迷子は小5の頃。住み始めて2年近く経っているのに、いつもの塾の帰り道で迷ってしまった。偶然父親に会い、なんとか帰宅できた。次は中2の頃、今度は2軒隣のオバさんに助けられて無事に帰宅した。さらに高校3年生の時、明るい16時頃に学校からの帰り道で迷子に。途中で隣の小学生が泣いているのを見つけて一緒に歩き始めたら、なぜか一緒に家まで帰れた。

さすがにおかしいと思い親に話すと、父親も俺が小3の時に迷子になった時に同じく迷子だったと告白。母親も何度か迷子になり、住人に会うとすぅっと帰れるが、その住人も実は迷子だったという。誰も会わなかったらどうなるんだろう、と大人たちは話していたらしい。

それから程なくして、お隣が家を売って引っ越し。俺ら家族含め、残り3世帯も堰を切ったかのように家を売って引っ越してしまった。実は子供には黙っていたが、大人たちはあの一画がおかしいと感じていたようだ。もし誰にも会わなかったらどうなっていたのかと話していた。

隣の3学年上のお姉さんは一晩泣きながら彷徨って家に帰れず、朝出勤する父親が途中で偶然会って一緒に帰ってきたという話もあった。あんな土地を売るなんて、マジで許されない。

100 :怖いお話ネット:2024/06/11(火) 14:45 ID:78PKLM2Q

>>89
それは神隠しの一種かもしれない。昔から人が住まないところには理由があるんだよ。新しく開拓された区画には特に注意が必要だ。古代の神様が祀られていたとか、人が通る道から外れた場所を歩くと戻れなくなることがある。神社の参道の真ん中を歩くなと言われるのも同じ理由だろう。

105 :怖いお話ネット:2024/06/11(火) 15:10 ID:89QXLR3P

>>100
それを聞いてふと思い出した話がある。父方の実家が岩手の漆農村で、熊避けの鈴を付けて入山するんだが、ある区間だけは絶対に鈴を取って鳴らないようにする古い石の祠が並んでいる。鈴を鳴らすと熊より怖いものに連れて行かれると言われていた。後に神社の鈴は神様に来てもらうために鳴らすと聞いて、じいちゃんの話は神様が来て連れて行かれることを意味していたのかと思った。

110 :怖いお話ネット:2024/06/11(火) 15:35 ID:90FWLT3Q
北の方には迷い家伝説や山姥伝説がある。注文の多い料理店もそうだ。大昔、農作物が採れない時期に人を襲って食べたことが神隠しとして伝わっている。鈴を鳴らすと近付いてくる音で察知され、飢えた住人に襲われることがあった。山伏の持つ杖の鈴の音もそうだ。襲われた後に残った衣類や杖は天狗の落とし物とされ、山伏が天狗にされて消えたことにされた。祠が建てられ、神様として祀られたのもその名残だろう。鈴を鳴らすことで連れて行かれるのは、昔の飢えた住人たちの名残だ。

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