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闇夜に浮かぶ友の影

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私がまだ生まれる前の話だ。

祖母が50歳手前くらいの頃のこと、祖母の親しい友人が亡くなった。まだ若く、50歳にも満たない年齢だったため、その死は早すぎた。祖母も友人が入院中に何度も見舞いに行っていたため、心を痛めていた。

その友人とは、祖母が若い頃からの親友であり、同じ町内に住んでいた。二人は子供の頃から一緒に遊び、成人してからも家族ぐるみの付き合いを続けていた。特に共に参加していた地元の祭りでは、毎年二人で屋台を巡り、時にはお囃子に合わせて踊り明かすこともあったという。

葬儀場も近く、通夜が終わった晩、祖母は自宅へ戻り、疲れた体をベッドに横たえた。深い眠りに落ちた頃、突然金縛りに襲われた。瞼がゆっくりと開き、自分の意思とは無関係に視線が動くのを感じた。視線の先には、通夜で着ていた喪服が衣紋掛けにかけられていた。

その喪服の襟の上に、亡くなった友人の首が乗っていた。まるで祖母の喪服を着ているかのようだった。友人の首は青白く、無表情だった。視線がかち合ったまま、どれだけ時間が経ったのか、祖母には分からなかった。ただ、友人の首がそこにあることだけが確かな現実だった。

しばらくして、祖母は自分の腹に力が入るのを感じた。そこで祖母は言った。「帰るところがわからなくなったのかい?」すると、友人の首はコクリと頷くように頭を項垂れ、その後すっと消えたという。

友人がこのような形で現れた意味や、祖母がかけた言葉が正しかったのかは今でも分からない。ただ、それ以降友人の霊は現れていないので、帰るべき場所に帰ったのだろうと祖母は語っていた。

この話を聞いたとき、私は恐怖に震えたが、同時に興味をそそられた。霊の存在を示す話は数多くあるが、こうした具体的なエピソードには特別な魅力がある。例えば、古代エジプトの「死者の書」には、亡者が迷わないように死後の世界を導くための呪文が記されている。これと同様に、祖母の言葉が友人を導いたのかもしれない。

また、他にも祖母から聞いた話がある。例えば「火の玉は本当は大きい」という話だ。一般的には火の玉は手のひらサイズと考えられているが、祖母によるとそれはジャングルジムくらいの大きさだという。また、「霊がいる部屋は赤く見える」という話もある。これらの話も興味深いが、やはり友人の首が現れた話が最も衝撃的だった。

今でも寝る時に目に見える場所に服をかけておくことは絶対にしないようにしている。服が何かを引き寄せるのではないかという漠然とした恐怖感があるのだ。

その後、祖母が亡くなった後、私は祖母の家を整理していると、一冊の古びた日記を見つけた。その日記には祖母とその友人の思い出が綴られており、彼女たちの友情の深さが伝わってきた。日記の中には、あの金縛りの夜のことも書かれていた。祖母はその後も何度か友人の霊と対話していたのだ。

ある晩、祖母は再び金縛りに襲われ、友人の霊が現れたという。

しかし、その時の友人の表情は穏やかで、微笑んでいた。祖母はその姿に安堵し、「もう迷うことはないのね」と声をかけると、友人の霊は静かに消えていった。

さらに、日記の最後のページには驚くべきことが書かれていた。祖母は、自分が死んだ後も友人と再会することを望んでいたのだ。そして、そのための方法を詳しく記していた。古代から伝わる霊媒の儀式や、特定の場所で行う祈りの方法などが書かれており、祖母の信念の強さが伺えた。

私はその内容に衝撃を受けたが、同時に祖母の強い絆に感動した。彼女たちの友情は死を超えて続いていたのだ。日記を読み終えた後、私は祖母の望みを叶えるため、彼女が書いた儀式を行うことを決意した。

ある夜、祖母の日記に従って儀式を行った。

静かな部屋の中で祈りを捧げると、不思議なことが起こった。部屋の空気が変わり、まるで誰かがそこにいるかのような気配を感じた。私は目を閉じ、心の中で祖母と友人の再会を願った。

その瞬間、柔らかな光が部屋を包み込み、ふと気がつくと、祖母とその友人が並んで微笑んでいる姿が見えた。それは一瞬の出来事だったが、確かに二人の霊がそこにいたのだ。私はその光景に涙を流しながら、二人の再会を祝った。

この体験を通じて、私は霊の存在や死後の世界について考えさせられた。祖母とその友人の絆は、物理的な世界を超えて存在していたのだ。彼女たちの物語は、私にとっても大切な教訓となった。

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