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短編 山にまつわる怖い話

命日を予言された【ゆっくり朗読】2400

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雷鳥一号さんの『カタリ』ってお話読んで思い出した。

私の曾祖父も山菜採り入った山で、大きな猿のような生き物に自分の命日を予言されたらしい。

その猿は「お前の命はxx年後の何月何日までなんだよ」とやけに親しげに言った後、ポカンとした曾祖父を尻目に大笑いしながら山奥に消えそうだ。

しかし猿も予想外だったろうと思うが、この曾祖父若い頃からもの凄い忘れっぽい人だった。

一週間もすると言われた日付が何年後の何月何日だったか、コロッと忘れてしまったらしい。

xx年後が結構長生きな年数だったし、大往生っぽいしまあ良いか、と気にしなかったそうな。

以上が存命中の曾祖父に聞いた話。

で、その曾祖父が10年程前に亡くなったんだ。ひ孫の私が13歳の時。

かくしゃくとした曾祖父だったが、さすがに晩年はボケちゃってよく近所を徘徊していた。
でも寝たきりになることも無く、日常生活はそこそこ送れる程度のまま風呂に呼びにいったら亡くなってたという、見事なピンピンコロリ。

大往生だった事もあり、葬儀で集まった親族一同も「猿の予言もあながち間違ってなかったなw」と、和やかな雰囲気だった。

しかし後日、遺品整理していた時に曾祖父の若い頃の日記を見つけた。

「一応忘れっぽいことを気にして日記を付けたこともあった。が、その日記をどこに置いたか忘れたw」

と曾祖父が言っていた事を思い出し、

「おじいちゃんwww」と一緒に片付けていた大叔父達とペラペラめくって笑っていたが、
(ちなみに日記は、なぜか押し入れに有った金属の弁当箱?の中に入っていた)

件の猿の予言の項を見つけてしまった。

以下大叔父による要約。

『ぜんまいを取りに山に入ったら岩の上にえらい大きな苔の生えた猿が居た。
俺はxx年後の何月何日に死ぬという。
ニヤニヤ笑いおってムカつく。妙に馴れ馴れしいのも腹立たしい。
なので絶対何月何日には死んでやらんことに決めた』

曾祖父が亡くなったのは、日記に書いてあった日の翌日。

忘れてたくせに意地は通したらしい、と未だに語りぐさになっています。

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