短編 山にまつわる怖い話

カタリ【ゆっくり朗読】3100

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山仲間の話。

36 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/07/19(日) 20:25:13 ID:vOrrc8SA0

とある山に一緒に入っている時、その山に伝わる四方山話をしてくれた。

「ここの奥の森でさ、ブツブツと呟く声が聞こえてくることがあるんだって。
誰か居るのかと踏み込んでみると、ボロボロのシャレコウベが落ちているんだと。
そしてその髑髏の内側で、紫の蛇みたいな物がのたうっているとか」

「更に近よってみると、それって実は蛇じゃなく、太くヌラヌラした舌なんだと。
で、それほど側によると、髑髏が何をくっちゃべっているのか聞き取れるとか。
何でも、これから起こる色々な悪い出来事を予言しているっていう話だ。
爺様連中はカタリって呼んでるらしい。
とんだ語り部が居たモンだ」

「上手く使えば、これからの災難を避けて通ることが出来るそうなんだが、
これが聞き続けていると、最後にあることを述べてから押し黙っちゃうんだとか。
そうなると、もう髑髏は何も喋らない。
あっという間に崩れて失くなる。
見掛けたら避けろ関わるなって、散々そう聞かされたモンだよ」

カタリが最後に述べる事柄って一体何なんだい?気になって聞いてみた。

「運悪くそこに居合わせた奴の、命日だってさ」

辟易とした顔でそう教えてくれた。

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