短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

共通の友達

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午前中の出来事。俺は夏休みも残り一週間ということで遅まきながら帰省してた。

678 本当にあった怖い名無し 2011/09/24(土) 17:02:13.72 ID:XCu24LgT0

昼前に米田と飯でも食いに行こうということで一緒に歩いてたら、道路の向こうで米田と共通の友達の深沢が手を振ってた。

「おー!設楽と米田じゃん何してんのー?」

俺もすごく久しぶりに深沢にあったもんだから嬉しくなって

「おー!深沢じゃん、久しぶりー。お前もこれから飯食いに行かねー?」

って言いながら深沢のいる方に渡ってこうとした。

したらいきなり米田が俺の肩つかんで

「待って。あれ、誰?」とか言ってんの。

「はあ?何言ってんの?深沢じゃん」

って言って振り向こうとした瞬間!

米田が止めなきゃ俺がいたであろう場所を車がかなりのスピードで横切って行った。

さっきまで車の気配も音も感じなかったし、突然現れたように見えた。

クラクションも鳴らされなかった。

めっちゃビビって冷や汗出た。

米田が変なこと言って止めてくれなきゃ確実に轢かれてた。

と、当時にさっきの米田の質問を思い出した。

「あれ、深沢って誰だ?」

俺にも米田にも深沢なんて友達はいなかった。

なんで俺はさっきあの男を共通の友達だと思ったんだ。

気味が悪くなって道路の向こうを見たら、その男はまだそこにいて、笑っても怒ってもいない、無表情とも言えない変な顔で俺たちのことジロジロ見てた。

(了)

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