定期的に急に思い出す昔の話。
245:本当にあった怖い名無し:2012/12/09(日)08:56:21 ID:Tp2a13O
近所にヤブとツタだらけの家があって、近寄るなと言われてた。
でも目の前にあるし気になるし、行きたくて仕方なかった。
ちなみに女の幽霊が出るとか言われてた。
ガキの自分はピンポンダッシュして遊んでた(数分後にお手伝いさんが出てくる)
ある日おねーさんが出てきて「だめよ?」って言われた。
綺麗な服を着てた。
「お化け屋敷なの?中みたいな?」って言ったら、笑いながら案内してくれた。
今ならわかるがドクダミがアホほどあって「底無し沼だ~」ってふかふかした土を踏んでだ。
おねーさんは笑ってた。お手伝いさんがきて怒ってた。
おねーさんはお手伝いさんに「お友だちなの」って言って家の中に呼んでくれた。
映画で見るような長いテーブルだった。
その時、私をふくめて四~五人いたのに家に入ったのは三人だった(他はビビったらしい)
お茶を飲んだあと、おねーさんに家の中を案内してもらって
「お化け屋敷じゃないでしょ?(笑)」と笑われた。
綺麗だった。でもお手伝いがずっといた。
皆は嫌がるけど私はおねーさんがすきだったので、親に怒られたけど何回もいった。
当時はわからなかった。
「お父さんがね……触るの……」
「お父さんがね……お風呂を……」
子供だからわからなかった。
「好きだからだよ!」
「私も入るよ!」
今ならわかる。
一ヶ月もしないで親にバレて怒られた。
たまに塀のまぎわきに手紙を置いてたら返事があった。
『大丈夫、ありがとう』みたいな内容。
しばらくしたら敷地内に犬がたくさんいた(何匹かは手なずけた)
犬が吠えるとテーブルにいたおじさん(お父さん?)が走って怒鳴りにきた。
だいぶあとに女性の遺体が……と話題になった。
だれもみな知らないと言ってた。
親に「おねーさんは?」って聞いたら忘れるように言われた。
当時は四歳くらいだったので、親も忘れてるかも……
私はもう引っ越しをしてるので、今ではあまりそこを通らない。
でも未だに白いワンピースの女性が出るらしい。
出る場所は、私とおねーさんが約束して手紙の交換をしていた場所。
バレたら大変だから!と手紙を埋めてた。
でも、そのうち敷地内はドーベルマンでいっぱいになった……
おねーさんと金網(裏口)ごしでも会えなくなった。
確か奥さん早く死んだんだよな。
おねーさん綺麗だったな。
子供の時には想像もできなかった世界があったんだと思う。
でも数年前に通ったら白いのが裏口をうろうろしてた。
「あ……おねーさん……」とは思ったけど何もできないままだった。
今は本当のお化け屋敷。
奥におっさんもいる。
ちなみに、まだ死んだ(殺された)ことを知らないとき、おねーさんが塀の側に寄りそって歩いてた。
「あ!おねーさんどこいくの?一緒にあるこ!」
「いいよ、そこまでね」
「そこのコンビニいこうよ!」
「ごめんね……まってるよ」
アイスかって渡した。
離れられないのかもしれない。
でも一緒に歩いたよ(途中で消えちゃうけど)通ったら「さっちゃん」っていってくれたよ。やっぱり途中で消えたけど。
おねーさんは優しかった。
それを思い出したので書いてみた。
(了)