短編 都市伝説

イカ釣りの夜#1111

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先日、祖父の一回忌の時に叔父から聞いた叔父の体験談。

叔父はイカ釣りが好きで、よく釣りに行っては沢山釣り上げて、俺もそのたびに何杯か分けてもらって食ってたりしてた。

んで何気なしに叔父に最近釣りどうなの?て聞いてみたんだ。

そしたら叔父の顔がちょっと変わって、こんな事を話し出した。

叔父には自分だけのイカが集まる釣りポイントがあるらしく、夜中のうちにソコに行っては日の出まで釣るというスタイルで、そのポイントは人目につきにくい、山を下ったゴロゴロした瀬の間だったそうだ。

いつもの様に瀬に座って釣りを始めるが、その日は一杯も上がらない。

イカがよってない日もたまにはあるらしく、あー今日はダメかと諦めかけていると、後ろの山の方で暗闇の中、光るモノが見えたそうだ。

釣り人が来たのかとも思ったが、このポイントを知ってる人がはたしているのか。

じっと見てると、その光るモノは輪郭がハッキリするところまで近づいてきた。

それは女だったそうだ。

異様に細長い、2メートルはあろうかという長身の若い女。

目は細めで髪の長く、背が高いと言うよりは普通の寸借で上下に引き伸ばしたような、そんな感じの細長い女が、淡く発光しながらスーっと近づいてきたらしい。

驚いた叔父は釣り道具も放り出して元来た山を駆け上がった。

後ろを振り返ると女は細長い体をグニグニとさせながらスーっと追いかけてきている。

ただでさえ歩きにくい山を死ぬほど走りきり、止めてあった車に飛び乗ると急発進させた。

少し離れた所でバックミラーを見ると追いかけるのをやめたのか、女は車の止まってた所に立っていてグニグニと揺れていたそうだ。

以来、イカ釣りは日のあるうちに近くに民家のある堤防でやるようにしたとの事。

釣れる量は激減したが、もうあの場所は二度と行かんし、夜釣りもせんって言ってた。

(了)

[出典:http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1253459440]

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