これは、中学時代の同級生から聞いた話だ。
490 ：本当にあった怖い名無し：2022/04/28(木) 03:53:25.65 ID:6p2wQZxR0.net
彼の家は少し変わっていて、周囲の家がすべて二階建てなのに対し、彼の家だけが三階建てだった。特にその三階の子供部屋は、彼と二人の弟が日々を過ごす場所だった。
20年以上前のこと。彼が6歳か7歳だった頃、弟たちとともにレンタルビデオを見ながら遊んでいた。時刻は夕方6時か7時頃、晩ご飯を食べ、風呂の順番を待っている間のことだった。
窓の外から突然、陽気な音楽が聞こえてきた。ミッキーマウスマーチのような明るい曲で、徐々に近づいてくる。
彼は最初、自分の耳が間違っているのかと思ったが、弟たちも同じように黙り込んだ。いつもは賑やかな部屋が急に静まり返り、音楽だけが響いていた。
彼が「今、何か聞こえた？」と尋ねると、弟Aは「何が？」と首をかしげ、弟Bは「聞こえた」と怯えて彼にしがみついた。Aは何度聞いてもキョトンとしたままだが、Bは確かに音を聞いたと言う。
しばらくすると、弟Aは再び遊び始め、Bもそれに続いた。彼も不思議に思いつつ、再び遊びに没頭した。
彼の家の窓の外に、あの音楽を流しながら近づいてくるものがいるのはどう考えてもおかしい。周囲の家々は二階建てで、彼の家だけが頭一つ抜け出している。それでも、陽気な音楽が近づいてくるのは不可解だった。
時が経ち、中学生になった彼は、その記憶をふと思い出した。そして再び、同じ陽気な音楽が聞こえてきた。今度は音源が頭上から聞こえてきて、彼は背筋が凍る思いをした。両親を呼び、部屋を調べてもらったが、音は消えていた。
ある日、彼の部屋で雨漏りが発生し、天井に染みができた。父親が屋根を点検し、天井裏を調べると、埃まみれの空間の中に、人形のようなものが見つかった。
それは針金に糸を巻きつけた不気味なもので、両親も彼もそれが何かはわからなかった。ただそれを処分し、天井の補修を行ったが、しばらくすると再び染みが現れた。
その後、彼は弟たちに「昔、子供部屋で変な音楽が聞こえたことはないか？」と尋ねたが、二人とも覚えていないと言った。彼はその不気味な経験を忘れられずにいたが、やがてそれは過去の出来事として彼の記憶に留まるだけになった。
彼の家は新築であり、前の住人が置いていったものでもない。天井裏にあの人形がどうやって置かれたのか、陽気な音楽が何だったのか、未だにわからない。彼は、陽気な音楽が聞こえてきたら気をつけるようにと語った。
あの陽気な音楽と不気味な人形に心当たりがある者はいないだろうか。彼の話を聞くたびに、背筋が寒くなる思いがする。
