短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

秋葉原の歩行者天国【ゆっくり朗読】

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あんまり怖くないかもしれないけど不思議な話を一つ

372 :本当にあった怖い名無し:2023/08/11(金) 18:50:01.01 ID:fIb3W3d80
私が中学生のとき、実家に母方の叔父が居候してたんだけど、その叔父が今週の日曜日に秋葉原へカーナビ買いに行くから、一緒に行かないか?と誘って来た。

実家は下町の方なので秋葉は近い部類だったが限られた小遣いで頻繁に行ける場所ではなく、当時アニメとかゲームにハマってた私と弟は狂喜乱舞して、二つ返事でOKをした。

母も誘ってみたところ、歩行者天国に前から興味があったらしく、結局叔父と母、私と弟が行くことに。

混雑する日曜日ともなると、駐車できる場所が少なくなるため、当日は午前の早い時間帯に出ることで決まった。

待ちに待った当日、叔父と私と弟は早起きして出発する準備を着々と進めていたが、母がしきりに「気分が乗らない」と言う。

母は、出掛けの準備に時間がかかるタイプで、母以外の3人はまたやってるよみたいな感じで母を急かしたが、
全く動こうとせず、挙句の果てには「午後から行かない?」と言い出したのには、みんな呆れ果てたが、あまりにも言うので渋々従うことにした。

とはいえ、母以外は準備が完了していたので、母の気が乗るまでテレビを見て暇を潰すことにした。

12時を過ぎた頃だったかな、突然ニュース速報で「秋葉原の歩行者天国でトラックが突っ込み怪我人多数」というテロップが流れた。

そう、その日というのが2008年6月8日(日)だったんだ。
秋葉原通り魔殺人事件があったあの日。

もし、時間通りに出発してたらどうなっていたか、想像すると今でも鳥肌が立つ。

母に当時のことを聞いて見たところ、なんだか朝から気分が乗らず、行って見たかった秋葉原にどうしても行きたくなくなったと言っていた。

ただ当時のことを思い出そうとすると頭にモヤがかかったみたいになって、あまり詳細を覚えていないとのこと。

うちの母親にはこういう話が多くある。

例えば中学2年生のとき、母と高校見学しに行ったところ、校門から出てきた制服を着た生徒を見て母親がふと「あなたこの高校通うことになると思う」と変なことを言う。

詳しく聞いてみると、今の制服着た生徒を見て、同じ制服を着て学校に行く私のイメージが突然湧いたのだという。

件の高校は、別に志望度が高い訳ではなかったので、何言ってるんだか、とスルーしたのだが、高校受験の結果、その高校以外に全て落ちたため、母の予言通りにその高校に通うことになった、とか。

虫の知らせって本当にあるのかなと思う。
以上、取り留めのない話ですまん。

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