不思議な話を聞いた。
124 :怖いお話ネット:2024年6月20日(木) 08:32 ID:72k9Y8m6
Y夫婦は不妊治療を受けていたが、医者からは手術が必要だと言われていた。
しかし、治療をやめて酒を飲むと、何と妊娠してしまった。酒は治療中禁止だったので、医者から「リラックスが良かったんだね」と笑われる始末。
現在、一歳半の子どもの子育てに奮闘している
この夫婦が体験した妊娠前の出来事だ。
不妊治療中のある夜、二人は近所のコインランドリーで洗濯をしていた。
暗い気持ちで洗濯機を回しながら、治療費のことやマイホームの夢を諦める話をしていた。旦那はふと、亡くなったおじの話を始めた。
そのおじは会社を経営し成功していたが、脳溢血で倒れ、半身不随で十年近く寝たきりのまま亡くなった。旦那は「さぞ無念だっただろう」としんみり言った。
実は、夫婦が旦那の実家に泊まった時、おじが生前使っていた部屋に泊まることになった。その夜、午前三時頃、目を覚ました妻が見たのは、壁に飾られたおじの学位証明書が、ありえないほど明るい月明かりのような光に照らされている光景だった。
部屋には月明かりが入るような窓はなかったのに。
妻は驚いて旦那を起こしたが、旦那は寝ぼけて相手にしてくれない。
その瞬間、妻の頭の中に「こんなに頑張ったのに無駄だった」という声が聞こえた。
おじは若い頃から勉強に励み、留学までしていたが、志半ばで病に倒れた悔しさが伝わってくるようだった。
旦那の妹も同じ部屋でおじの幽霊を見て、同じことを言われたという。
その話をコインランドリーで話していると、妻は突然意識が飛ぶような感覚に襲われ、
「そんなに悔しかったら赤ちゃんになって戻ってくればいい。私が生んであげるから!」と口走ってしまった。
自分でもなぜそんなことを言っているのかわからないが、止められなかった。
すると、車から突然「ドスン」と音がし、盗難防止装置が作動し、クラクションが鳴り出した。
旦那は「なにこれ怖い」と小さくつぶやき、警報を止めに行ったが、誰も車を触っていなかった。
夫婦はあの夜の出来事を、おじが「よし、生まれ変わって下界に戻るよ!」という合図だったと思っている。そして無事に子供が生まれ、旦那の実家に赤ちゃんを見せに行くと、「おじさんにそっくりね!」と言われた。
おじさん、今度は赤ちゃんとして頑張って育てるよ。
洗濯機はまだ買えずコインランドリー通いだけど、貧乏でも、あなたが生前に果たせなかった夢を応援するからね。おじさんが降りてきてくれたことに感謝しているよ。この子はすごく元気で全然寝なくて暴れん坊だけど、頑張るよ。
旦那の言葉を信じ、夫婦は赤ちゃんを育てていくことを決意した。
赤ちゃんの笑顔を見るたびに、おじさんの魂が再びこの世に戻ってきたような気がしてならないのだという。