短編 ほんのり怖い話

夜行バスの恐怖体験【ゆっくり朗読】4038-0107

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去年の夏に体験した話。俺は京都に住んでるんだが、俺と父と弟で、ディズニーランドに行くことになった。

2007/02/26(月) 00:22:25 ID:25H1WhNJ0

夜の十一時くらいに京都駅のバス停から夜行バスに乗った。

発車時刻になって、みんな寝る準備したりゲームしたりと過ごしてたわけ。

すると、発車して僅か数十秒後、急にバスが止まってみんな何事かとざわついてた。

変な男が、なんかぶつぶついいながら乗り込んできたんだ。

当然、みんな驚いてた。

乗員は、「もう発車したんだから乗れません」のようなことを言ったんだが、男は無理矢理乗り込んできてしまった。

仕方がないからそのまま発車した。

家族連れと思われた男性の隣に座ったその男は、席に着くやいなや一人で喋りだした。

どうやらかなり酔ってるようだった。

最初は何か怒ったような口調で「ええ加減にせいよ」とかぶつぶつ言ってたんで、隣の人と揉めてんのかなと思いながらずっとその男の言葉を聞いてた。

その時点で、みんな頭のおかしい男の登場に怯えてたんだがどうすることも出来なかった。

よくよく聞いてみると、隣の人は何も喋っていなくて、男が一人で喋ってることが分かった。

ついには、自分がどこかのヤクザの幹部で?今までに人を何人殺したとかなんとか、余りにも度が過ぎていた。

そこで一度乗員が「静かにしろ」と注意した。

男は「わかったわかった」と答えたので安心していたんだが、結局その後もぶつぶつ独り言を続けていた。

車内はこんな感じ

---- 前 ----
□□  □□
  □□
  
□空  □□

(□=他の乗客)

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余りの酷さに俺の父が見かねて、俺が弟の後ろの空席に、男の隣の人が俺のいた場所に移動して、その男は一人で二席を「占領」しやがった。

俺も少し基地外男から離れられたのでちょっと安心して寝ようとしたんだけど恐怖でなかなか寝られない。

何せいつ暴れ出すか分からないからね。

しまいには何故か泣き出してこの世に不満をぶちまけまくり、その間何度も何度も乗員が注意しに来た。

ちなみにその男の台詞には《実質》という単語が何度も出てきて、その度に後ろから笑いが聞こえた。

なんとか寝付き、途中インターチェンジでトイレに降りたりして、無事朝を迎えた。

なんと、男はまだ独り言を続けていた。

けど昨晩のようなのではなく、なんかキョンキョンがどうのとかいう話だった。

外も明るいのでそのころはもう恐怖は薄れてた。

それでまぁ無事に東京駅についてその後楽しく遊んだ。

けど、本当の恐怖はトイレに行くために降りたインターチェンジでのことだった。

あれは……養老インターだったか……トイレで疲労を絞り出し、父と共にバスに戻ろうとして、ふと駐まっているトラックとトラックの間に目をやった。

《全身白束の髪の長い女》が何もするでもなく、微塵も動かずにじっと佇んでいた。

俺は余りの恐怖に足早にその場から逃げ出した。

何故か父は見てなかったらしいが・……

今でもたまに思い出すけど、男よりこっちの方が何倍もこわかった。

(了)

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