今日、不可解な事を目の当たりにしたので報告します。
851 :本当にあった怖い名無し:2008/06/14(土) 13:44:13 ID:ORrK0zpY0
事の発端はオレの弟が、家(裏庭)でちょくちょく霊を目撃しはじめた事からだった。
もともと、ウチの家族に霊感の強い人間は一人もいなかったのだが、弟だけは、ここ数年でよく霊的現象を体験するような体質に変わったらしい。
んで、その弟が自分の部屋、正確には部屋の外(裏庭)で窓越しに黒い大きな人影(2.5m)を見たとか、首だけで浮遊する白い人間の首を見たとか。
特定の場所で度々、霊的現象を体験したので、母ちゃんの知り合いの見習い霊能者にみてもらったところ、どうやら、害はないが、成仏させといた方がいい霊がいる、との診断結果が出たのでその儀式を行う事となった。
方法は、団子と酒を庭に御供えするという簡単なものだった。
昨日の午前中に母ちゃんが団子作って、酒と一緒に御供えした。
その日の夕方までは何ともなかったのだが、今日、朝になって見てみたら、四個供えた団子のうち、一個の団子にくっきりとかじったあとが付いていたのだ。
その見習い霊能者いわく、「今までこんなにハッキリと食べた痕跡が出たのは初めて」だそうな。
もう一つ、一緒に供えてあった無職透明な酒も、薄茶色に変色していた。
これは、霊が体験した苦しみなどを表したものらしい。
その後、儀式の仕上げとして、団子を裏の小川に流し、霊も無事成仏してくれ、この件は解決となった。
霊の正体はハッキリわからないらしいが、戦時中、空襲をうけて、家にお茶摘みにきていたお手伝いさんが、何人か爆弾で死んでいるので、それと何らかの関連があるのかもしれない。
ここでオレなりに分析してみた。
オレの家は結構な山の中なので、最初は野良ネコやタヌキがかじったんじゃねーの?とも思ったが、もし、その手の動物が食べたのなら、密着させた状態で皿の上に乗っていた他の団子が皿から落ちて然るべきだし、少しだけかじったならともかく、卓球のピンポン球ほどの大きさの団子の1/3をかじってあったのだから、皿から落ちないとしても、少しくらいは動いてなければおかしい。
直径10cm弱の小皿に密着した状態で乗った直径4cm程度の団子他の団子を動かさずに、一つだけ1/3かじるという行為が、動物に出来たとは考え難い。
供えた場所が庭石の上という不安定な場所だから尚更だ。
さらに、団子は数回に分けてかじったというものではなく、どう見ても一噛みでかじった状態だったのだ。
オマケに歯形までバッチリ付いていた。
歯の大きさをウチのネコと比べても明らかに違う。
これはタヌキなどの他の動物と比べても同じ事が言えるだろう。
少なくともこの歯形に関しては、人間が一つ手にとって、かじってまた戻した、と見る方が自然だし説明がつく。
酒の変色については、どう考えても、どのような現象が起こったかを説明できる答えが出せなかった。
いずれにせよ、科学的に満足のいく答えは何一つ出ませんでした(笑)
オレが警察関係者なら、団子と酒を鑑識に回して、歯形を照合して、唾液や変色した色素までとことん調べてもらうところなのに(笑)
一つだけハッキリしてる事は、昨晩のうちに、科学的に説明のつかない現象が庭で起きた、という事だけです。
(了)
文豪山怪奇譚 山の怪談名作選/東雅夫