中編 ちょっといい話♪

ドールカスタム嫁【ゆっくり朗読】1200

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姑のトメにしてすっきりしたDQ返し(※DQNな仕返し)。

893 :名無しさん@HOME:2008/05/01(木) 21:34:20 0

トメは小学生の娘を病気で亡くしていて、
生きていれば私が同い年である事もあってか、やたらと私のする事が気に障るようで、
「どんな風に育ったのかしら?」
「私の娘ならもっと……」
「自分の趣味なんて主婦になったのにおかしい」
みたいな感じでチマチマ嫌味を言ってくる。

物凄く悪い人でも無い事は解かっていて、ポロっと口に出した後で自分でもたまにしまったという顔をするので、無意識に私と死んだ娘を比較してまうようで、私の存在が気に障るようだった。

そんなトメが密かに大切にしている物は、亡くなった娘の遺品の人形。

トメの娘さんが入院してからずっと毎日手を握っていたという曰く物で、
娘さんが亡くなって3年ぐらい、トメは精神を少し病んでいた時期があって、
その間毎日肌身離さず持って歩いていた人形だった。

子供が遊び倒し、その後トメが持ち歩いた物なので、はっきり言ってボロ。

髪はぐちゃぐちゃ、目は少し薄くなってて全体的に白っぽくなってる。

体や顔も染み付いた手垢で汚く、はっきり言って気持ち悪いし表情も暗い。

トメも気にはなっているみたいで、石鹸で洗ったり髪を櫛で梳かしたりしてたけど、ボロいものはボロいいんだ。

汚いしボロイし、着てる物もボロだし、本当に気持ち悪いんだその人形。

でもそれがどうやらトメの中では娘の身代わりのような物らしく、
その汚い人形を出して、孫に「OOちゃんよ(トメの亡くなった娘の名前)、仲良くしてね」と持ってきて、私の娘を「怖いー!」と泣かせたりしていた。

孫に泣かれて切れるトメをウト(※舅)と旦那が〆てくれたが、トメは不服らしく、
その後も私や孫にぶちぶち文句を言っていた。

ずっと我慢していたんだけど、いい加減うんざりしてきたので、
トメとウトが3泊4日の旅行に言った際、トメが大切にしていた人形を見る影も無い状態にしてやった。

あ~!すっきり!この人形ボロだから見るのも嫌だったんだよね。

帰ってきて人形を見たトメ絶句……
人形を手にとってわんわん泣き始めた。

旦那が「嫁子(※投稿主)がやったんだよ」と言うと、
トメ涙目で「ありがとう、ごめんなさい嫁子さん……」と平謝り。

ははは、まいったか。

実は私は趣味の一つでドールカスタムをしている。

長くやっているので、自分で言うのもなんだが、かなり上手い。

持てる技術を駆使してボロっ子を再生してみた。

髪はよく似た色のサランを買ってきて植毛。

体と顔の汚れを取って、剥げかけたアイプリ(※人形の瞳のプリント)はリペイント。

白っぽくなった顔は、ほんのりパステルでオーバーメイク。

仕上げは当時のアルバムを参考に、亡くなった娘が気に入って着ていた服をドールサイズで作って着せてみた。

自分が人形好きだから、汚い状態の人形が気になってたんだよね。

頑張ったかいあって見違える程綺麗になった人形は、前の暗い表情ではなく明るく笑っているように見えた。

トメはすごく喜んでいて、
実はずっと人形がボロになっていたのを気にしていたけど、どうしていいか判らなかったらしい。

人形が汚くなって娘が古くなっていくようで、
私が来たことも孫が出来た事も嬉しかったけど、
どんどん亡くなった娘さんがみんなに忘れられていくようで悲しかった事。

私と娘に微妙に似ている所があって、それで余計辛くて、意地悪をしてしまっていた事。

本当は八つ当たりだと解かっていたので謝りたかった、
でも、顔を見るとどうしても苛立ってしょうがなかった事などを、泣きながら話してくれた。

私もトメが心の中で抱えていた事を聞いて少しもらい泣きしてしまった。

それ以来、趣味も技術があれば無駄な物じゃないみたいな感じで文句を言わなくなったし、
遊びに行くと大喜びという感じではないけど、さりげなく私の好きなお菓子が買ってあったり、
トメがぎこちないけど歩み寄ろうとしてくれているのが見えるようになった。

ついでにこの前行ったら、人形が100均の椅子に座って、やっぱり100均のミニベア抱いてた。

そしてトメがこそっと、
「嫁子さん、この子の服、嫁子さんの手作りですってね。
それであの、私も娘に作ってみたいんだけど・・・」
と言ってきたので、今度型紙の載った本を貸す予定。

多分、少しづつ仲良くなっていくんだろうな。

結果オーライですが、勝手にトメの大切な物を持ち出した所がDQと言うことで。

365 :名無しさん@HOME:2008/05/06(火) 16:06:03 0

トメの亡くなった娘の人形を勝手にカスタムした者です。

ゴールデンウイークに義実家に行きました。

そうしたら何故か、3万円の商品券の入った封筒をトメから手渡されました。

「母の日のプレゼントを渡しに来たのに、もらえない」と言った所、なんとそれはウトから。

ウトは孫(うちの娘)が人形を怖がった時も、一緒にトメを〆てくれて、
「そんな汚い人形怖くて当たり前だろう!」と言っていたし、
特に人形を触るような事もなかったので、興味がないのかと思っていたら、実際はとても気にしていたそうです。

娘の遺品だし、大切にしなければいけないと言う気持ちと、
トメの執着ぶり、何よりボロボロの人形が怖くて触るに触れなかった事、
亡くなった娘が大切にしていた物を怖いと思う事への罪悪感と、男としてのプライドもあって、トメが何かと人形の話を振る度に、無視してしまっていたそうです。

それがトメさんの中でウトさんへの不信感になり、ずっと夫婦仲がぎくしゃくしていたそうです。

前回、私がカスタムして綺麗になった人形を見て、怖いと思う気持ちが薄れて、
ウトさんが100均で人形サイズのイスとテディベアを買ってきた事で、
トメさんとウトさんの中で蟠りが少し解けたようです。

何となくトメとウトの雰囲気が違うなぁと前回思ったのは、気のせいではなかったようです。

ウトは昔ながらの頑固オヤジというタイプの人なので、
綺麗になった人形を見ても眉一つ動かさず、私にも一切礼は言わなかったので、
正直それ程気に病んでいたとは思わず驚きました。

「本当は嫁子さんに何かプレゼントを買いたかったらしいけど、何を買っていいか判らなかったらしいから」
そうトメさんが言っているのを聞いて、商品券はそのまま受け取る事にしました。

そして一つ、不思議な話があって
綺麗にした人形をトメに見せた後で、夢をみました。

おかっぱの白いワンピースの女の子が出てきて、何か私にごにょごにょ言っているのです。

よく聞こえませんでしたが、「ありがとう」「ほっとした」というような事を言っていました。

最後に、白いワンピースの左右の裾を両手で摘んで頭をぺこっと下げる、お姫様がするようなお辞儀をして、
女の子は消えていきました。

夢から覚めた私は、亡くなったトメの娘さんの写真をアルバムで見ていたので、
すぐにあれがトメの娘さんだと気がつきましたが、
霊感ゼロ、ドール用語で言えばドライ(※人形に対して物としての認識が強い)な私は、
「あ~、影響されてるわ。
あんな夢なんか見ちゃって、あはは~」と軽く笑っていました。

今回ふとその夢を思い出して話た所、何故かトメ、ウトが硬直。

ウトは黙って部屋を出て行き、トメはその場で泣き崩れてしまいました。

聞くと、亡くなった当時娘さんは小学2年生。

人形遊びの特にお姫様遊びが大好きで、自分もお姫様になりきって、
嬉しい事があったり、お礼をいう時に、
スカートの両端を摘んで頭を下げる、お姫様お辞儀をするのが癖だったそうです。

「あの子はずっと心配してくれていたんだねぇ」とトメが言うのを聞いて、
霊感ゼロの私もさすがに何かがあるのかもしれない……と思いました。

トメですが、地味に嫌味を言ってきたり、正直好きになれない人でした。

それが変わったのは2年前の事です。

私が体調を崩した時に、まぁいいか我慢すればと思っていた時、義実家でトメが気がついたのです。

「嫁子さん、顔色が悪いわ病院行った?」
「いいえ、少し調子は悪いけど忙しい時期なんで……」と言った所、
「駄目じゃない!少しの事でも、命をなくす事もあるのよ!今日にでも病院に行きなさい!」
そう言われて病院に行った所、ビンゴ、病名は詳しくかけませんが、手術と入院が必要な病気にかかっていました。

トメ、手足の浮腫みや顔の腫れから、危ないと思ったらしいです。

散々嫌味を言ったり無視したりされていたので、嫌われていると思いきや、
入院中、孫(私の娘)の世話から家事、病院での介護までトメは甲斐甲斐しく世話をやいてくれた。

病院の先生にも「嫁子をどうぞ、よろしくお願いします」と頭を下げている姿を見て、
悪い人でもないし、心の底から嫌われている訳じゃないんだと気がつきました。

退院したら元の態度に戻っていましたが、
きっかけがあれば、仲良くなれる筈だと思い、今回のDQ返しを思いつきました。

それと、ちょっとした議論になっていたようですが、
商品券はプラスアルファ足して新しいミシンを買うことにしました。

今のミシンが壊れかけていたので、
新しいミシンで自分のドール用の服と、トメの人形の服と合わせて作れば丁度いいじゃないかと思っています。

トメの娘さんのアルバムには、今見てもとても可愛いデザインの子供服が沢山あり、創作意欲が刺激されているので、
ミシンがきたらバリバリ作ろうと思っています。

私のドール、トメの人形、私の娘、全員にお揃いの服を着せるのが野望です。

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