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深夜の山道で追われた話 rcw+5,022-0202
今でも、あの夜の霧の匂いだけははっきり思い出せる。 白く視界を塞ぐだけのものではなく、肺の奥にまとわりつき、吐いた息さえ自分のものではなくなるような、重たい霧だった。 夏だったが、山の標高のせいか空気 ...
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犬と父の影が交わる夜に r+4,685-5,129
2025/11/22 -短編, r+, 山にまつわる怖い話, ほんとにあった怖い話
今でも、あの夜の湿った風を思い出すと胸の奥がざわめく。 仕事で通夜に参列した帰り道のことだ。ホテルのプランナーをしていた頃、十月に挙式を控えた新郎の父が亡くなった。長い闘病の末だったという。通夜の席で ...
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見つけてはいけなかった場所 rw+3,998-0121
お盆休みを利用して、私は岐阜と長野の県境付近へ車を走らせていた。 山肌を縫うような細い道が延々と続き、ナビの縮尺を変えても現在地がはっきりしない。地図上では一本の線に過ぎないはずなのに、実際の道は何度 ...
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置いてきた者 rw+5,159-0114
恐山は、青森県の外れにある。 灰色の山肌から硫黄の匂いが立ちのぼり、風が吹くたび、地面の下で何かが息をしているような音がする場所だ。 古くから「死者と会える山」と言われ、江戸の頃には伊勢参りと並ぶほど ...
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消えぬ焔 r+3,626-4,000
これは、仲間数人と山中でキャンプをした時の体験談である。 夜も更けて、皆がテントに潜り込み寝静まった後、焚き火のそばで火を見つめていたのは彼一人だった。炎の光が揺らめき、静寂の中で火のはぜる音が微かに ...
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境目に置いてきたもの rw+7,174-0117
小学生の頃のことだ。 三十年以上前になるが、冬が来るたび、あの一日の感触だけは薄れない。 私は毎年、長期休みになると父方の祖父の家に預けられていた。東北の山間にある小さな集落で、雪に閉ざされる季節にな ...
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峠の匂い nc+257-0131
2025/11/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 山にまつわる怖い話, n+2025
大学時代の深夜、俺と山根は、夜更けにラーメンを食いに行った帰りだった。 思いつきで隣の市まで行ったせいで、戻りは真夜中をとうに過ぎていた。 街灯の切れた峠道は、昼間と違って肌に貼りつくような匂いを放っ ...
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選ばれなかったほう rw+4,671
夜の林道で見た光は、いまも彼の記憶の奥で消えずに揺れている。 十五年前、免許を取りたての彼は、地図に載らない道を走ることに取り憑かれていた。舗装の途切れた林道、崩れかけたガードレール、落ち葉に埋もれた ...
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庚申原の白い供物 rw+5,541
今でも、春の宵に山から吹き下ろす風を聞くと、あの声を思い出す。 あれがただの風音だったのか、それとも山中を歩き回る何かの囁きだったのか、いまだに判別がつかない。私は広島の御調郡久井町に生まれ、この盆地 ...
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背後の位置 rw+3,822-0114
2025/11/12 -中編, r+, 山にまつわる怖い話
ネットで有名な怖い話, 中国地方とある夏のキャンプでの話。 あれから一年経った今でも、どこからが正確な記憶で、どこからが自分の中で歪んだものなのか、はっきりしない。 大学の夏休み直前、高校時代からの友人・江崎から電話があった。久しぶ ...
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挨拶を返した山 rw+3,933-0121
2025/11/09 -短編, r+, 山にまつわる怖い話
ネットで有名な怖い話学生時代でも社会人になってからでも、俺には胸を張って言える趣味というものがなかった。 好奇心に突き動かされて何かを始めては、少し齧ったところで満足し、熱が冷めると同時に放り出す。その繰り返しだ。続ける ...
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振り向かなかった夜 rw+6,877-0108
忘れもしない。小学三年の夏休みのことだった。 盆が近づいたある晩、父が母に「明日、連れて行く」と言った。寝る前の居間で、父の声はいつもより低く、母は何も聞き返さず、私の着替えを無言で鞄に詰めていた。 ...