俺は毎年夏は2ヶ月ほど山ごもりして修行している。他人は変人扱いするけどね。
深山の川の近くの洞穴を寝床にして、食料は川魚や野草やカエルやヘビなど…完全に現地調達。
文明の利器と呼べる物はいっさい持参しない(ナイフぐらいか)。
山では、徹底的に己をいじめぬく。冷水に体を浸し精神統一、岩を抱いて山野を駆ける、木からぶら下がり逆さの世界を延々と眺める……
まぁとにかく体を鍛えてるわけだな。警察にも注意を受けた事は何度もあるけど…それはさておき、不思議な体験も幾度となく経験した。それを書く。
山奥での深夜、曇り空だと当然真っ暗だ。
経験者はわかると思うが、正に墨を塗ったような闇。
そこを、気配と勘だけで駆けずり回る修行もやる。
今は慣れてきたからかなり俊敏に動き回れるけど、最初は結構ケガしたよ。
これは去年の夏の話。
いつもの様に真っ暗闇の中を四つん這いになってガサゴソと移動していた。
と、川を挟んだ向こう側の藪の中からもガサゴソと物音&何者かの気配……
たぬきかイノシシだと思って身構えた。
イノシシは襲ってくることもあるからね。
真っ暗闇の中のさらに真っ黒な動く何者かが川の水に入る音がした。
俺は息を殺し気配を消してじっと様子をうかがった。
水の中をチャプチャプと移動するソイツが、たぬきやイノシシではなく別の物だと経験が悟った。
真っ黒なソイツは二足歩行で上流へゆっくり歩いてる。
俺の前を通り過ぎる時、ちょっと動きを止めたけどまたチャプチャプと上流へ消えていった。
野生動物ではありえない、何者か…あれは何だったんだろうね。
187:2006/10/24(火)18:57:16ID:Hh9ENXuA0
アンタ、ダチョウ倶楽部の寺門みたいだな。すげw
188:2006/10/24(火)18:57:31ID:WysmJY5G0
偶然にも修行中の我流ファイターが二人いたんじゃないの~?
確率は超低そうだけど~w
189:男道:2006/10/24(火)18:57:54ID:AkJyLn1/0
ゴメん、それ俺だわ
191:2006/10/24(火)19:22:31ID:YNO7S5LeO
よつんばいで動き回ってたの?この人に山で遭遇したら、このスレにぴったりな話が出来上がるな。つか警察に注意までされたって…w
こういう人なんか好きやわー。修行中登山客とかに会った事ある?
192:我流格闘家:2006/10/24(火)19:31:59ID:YxhXdyu2O
>>188
確かに、俺みたいな変態格闘家が同じように修行中だったのかも知れないね。客観的に考えると激しく不気味な修行だな。
>>189
あのまま川を登ってどこへ行ったのですか
>>191
登山者とかが入ってこないような藪の奥の洞穴に潜んでるからなあ……
誰かに通報されて警察が来たことは何度かあるけど。「またあんたか」って言われる。
でも、深夜四つん這い修行中の俺を見かけてもたぶん人間だとは思われないと思う。完全にケモノに成りきってるから。
深夜の山中で藪の中から物音が聴こえてあわててライトを向けると、ボロボロの和服を身にまとって、血だらけの男が(この修行に切り傷、擦り傷は毎度の事。
全身傷だらけになる)四つん這いでマムシをくわえたまま、ありえない速度で駆けていったら人間だとは思わないだろ?
他には、こういうのを見たことがある。
山によっては、完全に野生化した猫(野猫という。人間に依存してる野良猫とは違う)が住み着いてるところもある。
あいつらは俺と獲物が被るから、時々遭遇するのだけど、深夜月明かりの下で何十匹もの野猫が群を成して行進しているとこへ遭遇した。
本来猫は単独行動のはずだが…完全に統率のとれた猫の深夜の大行進にはさすがの俺もゾッとした。
197:2006/10/24(火)20:10:15ID:CNnHLP8q0
いいなあ毎年2ヶ月もバカンスが取れるなんて。
しかもぬこたんの大群か!
198:2006/10/24(火)20:36:05ID:L3ARxdD50
>>195
凄いなネコ。ライオンの群れみたい。エサがなくて飢えたら人間にも襲いかかる事とかあるんだろうか。
201:我流格闘家:2006/10/24(火)21:52:17ID:YxhXdyu2O
>>198
さすがに人間を襲ったりはできないと思うが、凶暴な個体はたぬきをも狩る。
臓物をまき散らしたたぬきの死骸に群がる数匹の野猫なんかは口の周りを血で汚してさ、正にライオンみたいだぜ。
212:我流格闘家:2006/10/24(火)23:04:03ID:YxhXdyu2O
来年は、別の山に籠もる予定。
その山には修験道の行者(山伏?)がいるらしいから、鉢合わせになるかも知れないな。今から楽しみ。
213:2006/10/24(火)23:06:17ID:B0RmfQJ00
>>212
とりあえず、あんたは怖い話を「語る側」ではなく一般人から、山に棲み付く怪人として「語られる側」の人間だって事は分かった。
(了)