短編 洒落にならない怖い話

八木山橋の怪【ゆっくり朗読】3200

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宮城県に八木山橋ってあるじゃん、自殺の名所の。

1:2011/02/21(月) 22:40:27.32 ID:EdUs4ttB0

実はあそこの下の竜ノ口渓谷って降りていけてね、足場は悪いんだけど、地層とか生物とか、面白い場所なんだよね。

三年前の、俺がオカルト板に来る前の話で、あんまりオカルトに興味無かった俺が興味を持つきっかけになった話。

その頃は八木山橋が自殺の名所とは知ってたんだけど幽霊とかは信じてなくてね。

化石とか鉱石に興味があって大学の仲間と度々行ってたんだよね。

特に夏場とかは川縁特有の涼しさと上流こその水の綺麗さで、結構遊べる場所だったんだよ。

ただ行く時にはルールがあって、そのうちの一つとしてカメラの所持は禁止していたんだよね。

これは前述の通り足場が悪くて、川に落ちる奴もいるから、水にぬれるとだめになるような電化製品は危ないってだけ。

心霊写真防止とかじゃなかったんだよ。

携帯電話とかも百円ショップの密閉できる袋に入れて持ち歩いてたね。

ただ、一度だけデジカメを持ってきた奴がいたことがあった。

ここではそいつを仮に榎本とする。

その日は五人で行ったんだけど、俺とそいつとあと三名。

実は榎本は彼女と別れたばっかりらしくて、榎本の好きな女子を呼んだんだよ。

その写真が撮りたくて生活防水のデジカメを買って持ってきていたんだよね。

写真データを送るからアドレス教えてって言うつもりだったらしい。

まあ竜ノ口渓谷に入ってから出てくるまでは省くんだけど、もちろんそこで自殺者を見つけたりはしなかった。

毎日誰か飛び降りてる訳じゃないしね。

ただ、帰りに立ち寄ったマックで、写真を見てたら、屍体が写ってたんだよね。

帰り際に俺が撮った写真なんだけど、川を挟んで向こう側の岩の上に、仰向けの状態で人の下半身らしきものが置いてあるって言うのかな。

とりあえず、ジーンズを履いた下半身が岩の上に乗っかってんのが写ってる。

上半身は岩の向こうで見えない。

なんとかジーンズが落っこちてるだけって思いこもうとしたんだけど、ジーンズからは足らしきものが飛び出てるし、岩の上は泥だとは思えないような、乾いた血みたいな色してんの。

何で気付ないで撮ってんだとか、ここで撮れって言ったのはお前だとか、見えなかっただとか、俺と榎本で言い合いして他の人の提案で榎本が警察に電話したんだ。

代表者の連絡先を聞かれて、代表者として俺の電話番号も教えた。

写真についても説明したが、現場に確認に行きますので後日お願いしますって言われた。

まあ正直、心霊写真的な物を証拠に持ちこまれても警察では困るからだろうね。

すごい気まずい空気の中、三〇分くらいして榎本に電話が来た。

榎本はわざわざ店の外に出て電話してたんだけど、青い顔をして戻ってきた。

どうやら警察が言うには、捜索したが、屍体なんてなかったんだと。

俺たちは気味が悪いと思いながらも、無理矢理見間違いだったってことにしたが、榎本は何故か異常にとりみだして、現に屍体が写ってるし無いはずがない、絶対屍体だと言って聞かなかった。

俺たちは川で遊んでいた奴が、奥の方にある沼にでもはまって、泥だらけのジーンズを捨てて行っただけだって言ったが全く聞きつけない。

心霊写真じゃないかとも言ったが、はっきり写ってる屍体があるんだと言って聞かない。
デジカメの画像を指差して絶対ある。

足も出てるって狂った様に喚き始め女子を怯えさせ挙句の果てに確認に行くと言い始めた。

女子はもう帰りたがっていたし、既に暗くなり始めていたこともあって、もしあったなら暗くなって警察も見落としたんだ、きっと明日ちゃんと探してくれるとなだめて、俺は強制的に解散にした。

榎本は最後まで納得していなかったが車も無いし、どうせ一人じゃいけないだろうと、俺は面倒になってさっさと帰った。

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翌日の午前中、屍体を回収しました、ご迷惑をおかけしました。

という電話が警察から俺にかかってきた。

俺は正直安心した。

榎本と険悪な感じになっていたから、警察のミスでなら簡単に仲直りできると思った。

警察の話も半分だけ聞いているような状況で写真の提出を求められて、そういえば何で榎本に先にかけなかったんですか?と質問した。

榎本にかけたが出なかったと説明してよこした。

写真は彼が持っているので、と話している途中、少し気になってやはり昨日は発見できなかったのかと尋ねた。

警察はええ、既に暗かったので捜索は無理でしたと答えた。

俺はそれでもわざわざ確認に行って頂けたようで、ありがとうございますと言った。

電話の向こうから、昨日は確認に行っておりませんよ、という答えが返ってきた。

その日の内に榎本は見つかった。

写真の場所で飛び降り屍体になって、午前中に回収されていた。

前日別れたままの恰好で、ズボンもジーンズじゃないが、説明されて浮かんできたのはあの写真とそっくり同じしにざまだ。

上半身が見えなかったのは尖った岩に叩きつけられて、背骨が粉砕され、胴が伸びて頭が重いから、異様に向こうに垂れさがっていたらしい。

俺に掛かってきた電話が榎本の飛び降り屍体回収の電話だった。

俺たちが屍体を見つけた時点では榎本は生きていた、俺たちが見つけたのは別の屍体だと言ったが、カメラは行方不明になっており、証拠も無い。

警察から榎本に電話がかかってきたと言ったが携帯も行方不明、携帯の会社に通話記録も残っていない。

そして、一番意味が分からないのは榎本が見つかった場所は橋からかなり遠いのに榎本は高さ100m程度から地面に叩きつけられた死に方をしていたらしい。

俺たちが見つけた屍体も、榎本のカメラも携帯も見つかってない。

ってか尻すぼみな感じになったが、思い出してると気持ち悪くなってきたから、ゴメン

(了)

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