短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

2年付き合っていた彼女【ゆっくり朗読】3200

投稿日:

Sponsord Link

二年付き合っていた彼女がいた。

559 :本当にあった怖い名無し :2006/04/15(土) 03:07:55 ID:2olT+3eU0

ある日、夜遅くに寝ようと暗い部屋で横になってたら、

急に空気が「ピーーーン」って感じに張り詰めた感覚になって、

息ができない感覚に陥って、そのまま気を失った。

死ぬんだ、と思った。

翌朝、普通に目が覚めた。

昨日の死にかけた思いは何だったんだよーって思って、とりあえず携帯みた。

普段ならモーニングメール的なものが彼女から来てるんだけど、その日はメールがなかった。

忙しいのか寝坊したのかな?って思って、特に気にせず出社。

昼休みに携帯確認してもメールがなくて、おかしいなー?と思って、こっちからメールしてみた。

そんでまた仕事で、中休みに携帯見たらメールが来てた。

彼女からではなく、送信エラーのメールだった。

あれ?何かミスって送ったか?と思って、何処に送ってエラーで返ってきちゃったのかチェック。

彼女宛に送ったメールがエラーで返ってきてる。

そんなの一回もなかったので、おかしいなぁとは思ったんだけど、とりあえずもう一回送ってみた。

今度はすぐにエラーでメールが返ってきた。

アド変えたのか?そう思って、仕事終わってから電話してみた。

「もしもしー?」

『はい?』

「俺だけど、メールのアドレス変えた?」

『え?』

「今日送ったんだけど、エラーでメール返ってきてさぁ……」

5秒くらいして、ブツッっと電話が切れた。

切れたっていうか、切られた?

電波の調子が悪くて電話が切れたんだろうと、リダイヤル。

「もしもしー?」

『……はい?』

「いや今日ね、メール送ったんだけど……」

『え、ちょっとまって』

「ん?何?」

ん?何?と自分でいいながら、何か変だという事にここで気がついた。

『知ってる人……?誰?』

「え、誰って、シゲだけど……え?マリだよね?」

『違うよ……(笑)』

違う人と喋ってた。

途中で声が違うような気がしてたけど、そこから改めて確認してみると、全然声も喋り方も違ってた。

住んでる所も遠い人だった。

電話を切り、リダイヤル履歴を確認した。

……合ってる。間違いなく今かけた電話番号は彼女の電話番号。

すぐにまた電話。でもやっぱりさっきの人がまた電話に出た。

いつからその番号ですか?とか、色々聞いてみたんだけど、二年近くこの番号だといわれた。

混乱しちゃって、とりあえず家に帰宅した。

Sponsored Link

ちょっと長くなりすぎるので要約しまくって言うと、彼女がいなかった?

いなくなったんではなく、最初からいなかった?

メールの履歴を確認したんだけど、前の日まで確かに、確実にメールしてた記憶があったのに、彼女からのメールもなければ、彼女宛の送信メールもなかった。

彼女の家の場所は知ってたから行ってみたんだけど、どうしてもたどり着けなかった。

住宅街のひとつの家で、屋根が赤いのとか、どんな家だとか記憶があるのに、確かにこのあたりにあると確信があるのに、家が見つけられなかった。

僕は親に彼女の存在を教えたり、家に泊めたりしたことがなかったので、親に色々と聞く事は無理だった。

かといって、友達にも彼女を紹介したりしてなかった。

けど、けど一人だけ、彼女と僕と三人でご飯を食べた事がある友人がいた。

その友人に彼女の話、一緒にご飯を食べた話をすると、友人は確かに覚えてくれていた。
けど、どんな子だったかをどうしても思い出せないという。

女の人だったというのは記憶があるけど、全くどんな話をしたかとか、どんな風貌の子だったとかを思い出せないと言ってた。

それから一ヶ月くらい精神が不安定な状況になって、仕事やめた。

部屋にあるはずの彼女との思い出のものも、彼女からのプレゼントも、何ひとつ見つけられなかった。

完全に妄想坊主に思われるだろうけど、彼女がいたのは確かなんです。

二年付き合ってたんで……

いつから付き合いだしたとかも全て明確に記憶があるのに、彼女の存在だけスッポリなくなってしまいました。

信じてもらえない話ではなくて、妄想オタク?と思われそうだから人に言えない話です。
(了)

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

Copyright© 怖いお話.net【厳選まとめ】 , 2024 All Rights Reserved.